薩チャン 正ちゃん 戦後民主的独立プロ奮戦記

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薩チャン 正ちゃん 戦後民主的独立プロ奮戦記

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レビューの数

11

平均評点

66.7(29人)

観たひと

41

観たいひと

11

(C)「薩チャン 正ちゃん ~戦後民主的独立プロ奮闘記」製作委員会

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドキュメンタリー / ドラマ
製作国 日本
製作年 2015
公開年月日 2015/8/29
上映時間 94分
製作会社 「薩チャン 正ちゃん ~戦後民主的独立プロ奮闘記」製作委員会
配給 新日本映画社
レイティング 一般映画
カラー カラー/モノクロ
アスペクト比 アメリカンビスタ(1:1.85)
上映フォーマット BD
メディアタイプ ビデオ 他
音声 ステレオ

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

監督池田博穂 
脚本池田博穂 
企画池田博穂 
制作山本駿 
山本洋子 
撮影野間健 
音楽小林洋平 
音楽プロデューサー安田佑司 
録音本田政 
編集栗原洋平 
メイク金森恵 
VE山田友行 
題字/タイトル伊藤幸洞 
朗読中原ひとみ 
江原真二郎 
赤塚真人 

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

予告編 ▲ 閉じる▼ もっと見る

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

「暴力の街」の山本薩夫監督、「どっこい生きてる」の今井正監督を中心に、新藤兼人や亀井文夫、吉村公三郎など、戦後、独立プロを立ち上げて活躍した人々の歩みを、関係者の証言などから辿ったドキュメンタリー。証言者として山田洋次、香川京子、降旗康男などの映画人も出演。ナレーションを務めたのは「影武者」の山本亘。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

終戦直後、映画の民主化と労働の在り方を巡って争われた東宝争議。これによって東宝を解雇された人々や、レッドパージで映画会社から追放された人々は、自分たちの望む映画を作ろうと、独立プロダクションを立ち上げ、次々と映画製作に乗り出す。東宝争議の解決金を元に作られた“薩チャン”こと山本薩夫監督の「暴力の街」(50)がその第1作。昭和23年に埼玉県本庄市で起きた暴力団による朝日新聞記者への暴力事件を題材に、町から暴力団とそれに癒着する行政の不正を追放しようと奮闘した市民運動を描いたドラマである。撮影中、暴力団による妨害を受けながらも、映画は無事に完成して大ヒット。「どっこい生きてる」(51)では、“正ちゃん”こと今井正監督が、“東宝を解雇されても、どっこい、俺たちはまだ生きているぞ!”という思いをタイトルに込め、“ニコヨン”と呼ばれた日雇い労働者の苦闘を描いた。その後も独立プロは、労働組合、民主団体、劇団などを拠り所にしながら、質の高い作品を多数世に送り出す。終戦から7年後、新藤兼人監督の「原爆の子」(52)は、GHQ占領下では題材にすること自体がタブーだった原爆の問題に真正面から向き合い、日本のみならず世界初の反核映画として高い評価を受けた。その他、亀井文夫、関川秀夫、家城巳代治など多くの監督たちが、独立プロで腕を競う。そのどれをとっても、戦後の労働運動、平和運動、民主運動に及ぼした影響は計り知れず、人々に勇気や希望を与え、時には生き方を変えるほどの深い感動をもたらした。本作に登場する人々は、映画が好きで、素晴らしい映画を届けたいと、仲間と知恵を絞って苦労を重ねた映画人たちである。その気骨ある生き様は、それ自体が一遍のドラマであり、独立プロの時代を知る世代はもちろん、初めて目にする若い世代に対しても、映画が持つ役割と使命、そして自らの生き方について考えるきっかけとなるに違いない。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2015年9月下旬号

REVIEW 日本映画&外国映画 公開作20作品、60本の批評:「薩チャン 正ちゃん~戦後民主的独立プロ奮戦記~」

2015年9月上旬号

UPCOMING 新作紹介:「薩チャン 正ちゃん~戦後民主的独立プロ奮闘記~」

2015/09/20

2025/06/23

70点

映画館/大阪府/シネヌーヴォ 


時代に翻弄され、また自らの権利を求めるため、興るべくして興された数々の独立プロ。こういった物事に疎い私には、東宝争議とそれに纏わる活動がとても興味深かった。と同時に、彼らほど映画に思いを込めた映画人はいないんじゃないか、としみじみ思う。それくらい、映画という媒体と真摯に向き合い、観る側に何かを伝えるだけでなく、何かを考えさせようとする力が強い。タイトルに冠している通り、独立プロの中でも山本薩夫、今井正の両監督がメインとなり、彼らの作品がいくつか紹介される。時にネタバレを含むのが残念ではあるものの、何よりも「荷車の歌」に興味を唆られた。また、ちょっとした映画の裏話も楽しく、個人的には「キクとイサム」のキクの現在の姿を見れたのが嬉しかった。と同時に、イサムの方はどうしているのか、気になって仕方がないけれど。

2015/09/20

2020/03/20

70点

映画館/大阪府/シネヌーヴォ 


時代に翻弄され、また自らの権利を求めるため、興るべくして興された数々の独立プロ。こういった物事に疎い私には、東宝争議とそれに纏わる活動がとても興味深かった。と同時に、彼らほど映画に思いを込めた映画人はいないんじゃないか、としみじみ思う。それくらい、映画という媒体と真摯に向き合い、観る側に何かを伝えるだけでなく、何かを考えさせようとする力が強い。タイトルに冠している通り、独立プロの中でも山本薩夫、今井正の両監督がメインとなり、彼らの作品がいくつか紹介される。時にネタバレを含むのが残念ではあるものの、何よりも「荷車の歌」に興味を唆られた。また、ちょっとした映画の裏話も楽しく、個人的には「キクとイサム」のキクの現在の姿を見れたのが嬉しかった。と同時に、イサムの方はどうしているのか、気になって仕方がないけれど。

2016/10/19

2016/10/19

50点

テレビ/有料放送/衛星劇場 


戦後の独立プロについて語られたドキュメンタリー映画

戦後の独立プロについて語られたドキュメンタリー映画。
タイトルどおり、山本薩夫監督、今井正監督のほか、家城巳代治監督、新藤兼人監督などについて語られている。
ただ、残念なのは、故人の言葉は、現代に生きている人達が朗読するのだが、朗読する人達の姿を前面に出さない方が良かった気がする。故人よりも朗読者の方が印象に残ってしまうのだ。

学生時代(1970年代~80年代)に様々な名画座で観た映画のシーンが断片的ではあるが映される。
できるかぎり、もう一度、昔の映画も観直してみたい。

2016/08/14

2016/08/14

65点

購入/DVD 


山本薩夫と今井正を中心に、独立プロの動きを縦軸にもうひとつの映画史を丁寧に紹介するドキュメンタリーであり、朗読劇でもあるような作り。特に山本薩夫は緻密な絵コンテを元に映画作りをする一方、今井正は絵コンテを一切書かず現場のアドリブで作り上げるため、もう一度撮影し直す羽目にったという両監督の作劇の違いを紹介するエピソードが印象的。

ただ独立プロと言えば社会や時代を敏感に感じ取り映画作りをしていたので、もう少し同時代の出来事を紹介するもうひとつの縦軸があればなお良かったか。

2016/07/24

2016/08/01

60点

映画館/東京都/新文芸坐 


映画は時代の鏡

「戦後民主的独立プロ」といいつつも、何故か新藤兼人はやや脇に置かれ山本薩夫・今井正の二人の監督をリスペクトしたドキュメンタリー。今井正監督は、1950年代に「また逢う日まで」('50/脚本:水木洋子)、「にごりえ」('53/脚本:水木&井手俊郎)、「真昼の暗黒」('56/脚本:橋本忍)、「米」('57/脚本:八木保太郎)、「キクとイサム」('59/脚本:水木)と、10年間に5回もキネ旬1位に輝いている。50年代は、黒澤明、小津安二郎、木下恵介、小林正樹、成瀬巳喜男という錚々たる監督が活躍していた時代だから、その中での5回は実に凄い。今井監督の映画が後世まで評価されていないのは、映画の内容が戦後の貧しい時代とマッチングし過ぎていて、普遍性が欠けていたからかもしれない。水木洋子は、「浮雲」('55/成瀬巳喜男監督)も合わせると4回1位映画の脚本を書いているのだからこれまた凄いことだ。山本監督は、大手映画会社で監督した山崎豊子原作映画の方が、印象が強い。未見の「キクとイサム」を観ようと思った。【映画と共に闘い続けた独立プロの二人の巨匠:併映「愛すればこそ」】

2016/03/03

-点

選択しない 


圧力に屈せず本当に作りたい映画を作るべく独立プロを立ち上げ闘った50年代の映画人たちの記録。日本映画が通過した一つの熱い時代を、残された作品の断片と共に振り返る。今井正監督「キクとイサム」で歌って踊れるキクを、ふてぶてしくも愛らしく哀しく演じた高橋エミや「真空地帯」に学生エキストラで参加していた山田洋次、作家・早乙女勝元各氏ほか、当時を知る人々の貴重な話に引き込まれる。根底にある反骨、映画と社会に対する揺るぎない気概に今、触れることの意義を感じた。