暴力脱獄

ぼうりょくだつごく|Cool Hand Luke|----

暴力脱獄

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レビューの数

57

平均評点

73.2(290人)

観たひと

448

観たいひと

29

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 アメリカ
製作年 1967
公開年月日 1968/8/3
上映時間 127分
製作会社 ワーナー・ブラザース・セブン・アーツ
配給 ワーナー・ブラザース・セブン・アーツ
レイティング
カラー カラー/シネスコ
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

実際に牢獄生活を送ったことのあるドン・ピアーズの小説を、彼自身とフランク・R・ピアソンが脚色、テレビ「裸の町」「アンタッチャブル」などの演出をしていたスチュアート・ローゼンバーグが監督した脱獄もの。撮影はコンラッド・ホール、音楽はラロ・シフリンが担当した。出演は「引き裂かれたカーテン」のポール・ニューマン、「夕陽よ急げ」のジョージ・テネディ、「エデンの東」のジョー・ヴァン・フリートとディック・ダバロスほか。なお、原作者のドン・ピアースが技術顧問を買ってでているが、彼は囚人の一人に扮して経験者ならではのリアルな芝居もしている。製作はゴードン・キャロル。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

酔ったあげくに街のパーキングメーターをやぶったルーク(ポール・ニューマン)は懲役2年の刑を言い渡された。刑務所仲間はドラグライン(ジョージ・ケネディ)ほか強面の連中ばかりだったが、それ以上に、彼らを見守る看守の面々も猛者ぞろいだった。囚人と看守の間には絶えず反目と憎悪の空気が絶えなかった。新入りルークの仕事は、炎天下に雑草を刈り溝を掘るという重労働だったが、彼の新入りらしからぬ図々しくて、容量のいい態度は仲間の反感を買い、とくにボスのドラグラインは気に入らなかった。ある日2人は命をかけての殴り合いとなり、ついにルークが勝った。囚人のリーダーはドラグラインからルークの手に渡ったのである。数日後、ルークの母(ジョー・V・フリート)が訪ねてきた。面会時間が切れて、病に老いた母の後ろ姿を見送った時、ルークは、母に会うことはあるまい、と思った。そして、母の死を知らせる電報が来た時、彼は泣いた。3日後、ルークは脱獄した。逃げに逃げたが結局は捕まってしまった。ひどい懲罰を受けた。だか彼は再度脱獄。そしてドラグラインに、“冷たい手のルークより”と署名した手紙さえ送ったきた。監房の連中は口惜しがったが、ひとりとして怒るものはいなかった。自由になったルークこそ彼らの願望の体現者なのだから。しかし皆の期待を裏切ってルークはまた再び捕まってしまった。厳重な足かせをはめられ独房にほうりこまれた。それでも彼は反抗をやめない。そして、三度脱獄。今度はドラクラインも一緒だった。だが途中で2人は仲間割れ。ドラグラインは1人になり急に恐くなった。死にたくない。ルークも死なせたくない。半分は親友への愛から、半分は恐怖からルークの居場所を密告した。瀕死の床でルークは、医学的な治療をすべて拒絶した。迫りくる死を待つ彼の表情は美しくさえあった。今日も囚人たちは炎天下で働いている。言葉ををかわさない彼らの胸の中には権威に反抗し続けて、屈することを知らなかった冷たい手のルークが生きている。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2022年11月上旬号

ポール・ニューマンという伝説:「暴力脱獄」

1968年4月下旬号

新作グラビア:暴力脱獄

外国映画紹介:暴力脱獄

2023/11/11

2023/11/11

55点

選択しない 
字幕


ルークの脱獄を繰り返す理由が伝わらない(^^;;

とにかくタイトルがひどい。内容と全く合ってなかった(^^;;

刑務所の中の生活で、不自由な中でも労役作業を楽しんだりポーカーやったり、それなりに楽しむことで囚人たちの人気者となっていくルーク(^^;;囚人のリーダー格であるドラッグにも気に入られる。母親の死を知り、思わず脱獄するルーク。しかし暴力は使わず、暴力的なのは看守たちの方ですね(^^;;

看守の人権を無視したリンチに近い仕打ちは酷い。しかしルークが脱獄を繰り返す理由も伝わってこない。モヤモヤが残ったまま、勝手についてきたドラッグに裏切られて物語は終わります(^^;;

2023/11/06

2023/11/02

83点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 
字幕


社会派作品の傑作。What we've got here is failure to communicateは(本当は)誰に向けて発せられているのだろう

社会に上手く適合出来ていないと自分自身で思い込み、生き辛さを感じているルーク(ポール・ニューマン演じる)の生き様を描いた作品。ルール・規則などに縛られるのが性に合わないと感じているのだが、そのアウトロー振りが格好良く、何の準備も無く、事に臨む姿(J・ケネディとのボクシング、ポーカーなど)が徐々に周囲の共感を呼び起こし、人気ものになる。それが端的に現れたのが、道路舗装を一気にやり遂げた時であり、卵50個を食べきった時で頂点に達する(何てったって、食べ終わって横たわる姿が、キリストの磔られた姿を体現していた)。前半の刑務所内での、この様な人間模様がとても生き生きと描かれており、好感が持てた。また、母親との面会シーンも良かったなぁ。母親は、「エデンの東」の母親の様な感じ(娼婦的な商売をしていたと感じさせる)だが、ルークが唯一頭が上がらない相手(大好きだという気持ちを隠さない相手)だと感じさせた。
原題はCool Hand Luke。ルークのポーカーでのクールな勝ち方を見て、J・ケネディが命名したのだが、そのポーカーフェイスを称して、Luke smileという言葉も生み出す。Luke smileは、まさにポール・ニューマン自身のはにかみ笑顔だと感じる(うちに抱えているモヤモヤ感や不満・いらだち等を隠し、クールな自分を装うが、それを装いきれない時に出てしまう笑顔)。アメリカン・ニューシネマを体現している彼にぴったりの笑い顔だ。
後半は脱獄を繰り返すことになる。ルークの本当の悩みが垣間見られたり、刑務所ではあんなに威張っていたJ・ケネディが無力だったりと、社会と個人の価値観の関わりなんかが描かれていた。都合の悪いことを隠ぺいする組織なども、、、

2023/10/28

2023/11/01

80点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 
字幕


理解しづらい脱獄

◎ タイトルに「脱獄」とつくように、脱獄シーンが何度も描かれる。しかしながら『大脱走』のように、脱獄に至る過程をじっくり見せるわけではない。『ショーシャンクの空に』のように、突然脱獄してびっくりさせるわけでもない。
◎ ルークの脱獄は、ほとんど一時の思い付きのようである。しかし、彼の胸の奥でしっかりと計画されていたのかもしれない。そして、脱獄することに意味があり、その後逃げ通すことにはあまり執着していない。同じ囚人仲間にも、刑務官たちにも理解しづらい脱獄であることは確かだ。

2023/10/30

2023/10/30

80点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 
字幕


また観た


威に屈せず脱獄し続けるポール・ニューマンの姿がとにかく格好いい。ラストのジョージ・ケネディのセリフに余韻が残る。

2023/10/28

2023/10/28

70点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 
字幕


反復される脱獄その他

囚人たちはひたすら草を刈っている.どこへ続くかも分からないその道の沿道の草をずっと刈っている.その反復する運動は,労働であり,囚人にとって厭わしいものでありながら,リズミカルであって,反抗のイメージも持ちながら,看守らに従順せざるを得ないやるせなさも現し,刃物を扱う暴力でありつつも,それを体制への刃向かいとしては矛先を向けられない囚人たちの矛盾を表徴している.その労働は時に,道の舗装の労働へと切り替えられることがある.ルーク(ポール・ニューマン)は,その舗装作業にしゃかりきとなって,50人いる囚人仲間を鼓舞しながら,2時間ほど早くその作業を終わらせてしまう.ルークの天敵とも言えるゴッドフリー(モーガン・ウッドワード)は「目隠し」と呼ばれ,サングラスをかけており視線を見せることがない.その上,ほとんど喋ることもなく,時にライフルで射撃をして,鳥や亀を撃ち抜いている.彼の言葉は,その射撃であるとも囚人から噂されている男でもある.そのゴットフリーを出し抜くかのように灼熱の日射の中でやけくそのように作業が行われる.
ゆで卵は50回も反復されながらルークの口に入っていく.ルークの超人性を際立たせるように,そして崇拝するかのように現れるドラグライン(ジョージ・ケネディ)は大男で,序盤でルークを何度も殴りつけて,何度も倒している.ルークは倒される度に起き上がってくる.その反復は痛々しくもあり,心地よくもある.ルークは,墓穴でも掘るかのように看守たちに理不尽な穴掘りを命じられ,それを埋めるよう命じられ,そしてまた掘るように命じられ,遂には死体のようにその穴に寝転んでしまう.そこに見える反復は,脱獄の三度目の反復の序曲のようにも現れている.歌が聞こえてくる.ルークも歌い出す.雨が振っていて,ルークの眼からも反復的に涙が落ちている.ルークの母アーレッタ(ジョー・ヴァン・フリート)は,ルークに会いにトラックの荷台をベッドのようにしながら,タバコを吸って息子と面会している.
看守は「ボス」と呼ばれ,囚人たちは規律にない行動の前には必ずボスに呼びかけ,ボスの許可を得ることが求められている.こうしたボスを失ってしまうと囚人はどこか所在なさげでもある.ボスに変わるべき,父や神はそこにいないのであろうか.彼らが日々反復し,生をも反復しようとする意味は,こうした父なるものの不在に関係しているようにも感じられる.

2023/10/26

2023/10/26

70点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 
字幕


申し分のない軍歴を持つ男。故郷の小さな町で酒に酔った勢いでパーキングメーターを壊していたところをつかまって刑務所入り。ふてぶてしい態度が古参の囚人たちの目に留まり・・・。ポール・ニューマンとジョージ・ケネディ。脇を曲者や芸達者が固めて人間ドラマが面白い。若きデニス・ホッパーもこうした連中にもまれてあの貫禄か?登場人物の個性の描き分けもうまく、この手の映画は嫌いだと言っていたカミさんも見入っていた。