龍三と七人の子分たち

りゅうぞうとしちにんのこぶんたち|----|----

龍三と七人の子分たち

amazon
レビューの数

129

平均評点

67.2(795人)

観たひと

1186

観たいひと

57

(C)2015「龍三と七人の子分たち」製作委員会

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル コメディ
製作国 日本
製作年 2015
公開年月日 2015/4/25
上映時間 111分
製作会社 バンダイビジュアル=ワーナー・ブラザース映画=東北新社=オフィス北野
配給 ワーナー・ブラザース映画、オフィス北野
レイティング 一般映画
カラー カラー/シネスコ
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

監督北野武 
脚本北野武 
プロデューサー森昌行 
吉田多喜男 
撮影柳島克己 
美術磯田典宏 
装飾龍田哲児 
音楽鈴木慶一 
録音久連石由文 
整音堀内戦治 
音響効果柴崎憲治 
照明高屋齋 
編集北野武 
太田義則 
衣装黒澤和子 
メイク宮内三千代 
キャスティング吉川威史 
アソシエイト・プロデューサー川城和実 
福田太一 
二宮清隆 
ライン・プロデューサー小宮慎二 
加倉井誠人 
製作担当里吉優也 
助監督稲葉博文 
記録吉田久美子 

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演藤竜也 龍三親分
近藤正臣 若頭のマサ
中尾彬 はばかりのモキチ
品川徹 早撃ちのマック
樋浦勉 ステッキのイチゾウ
伊藤幸純 五寸釘のヒデさん
吉澤健 カミソリのタカ
小野寺昭 神風のヤス
安田顕 京浜連合ボス・西
矢島健一 京浜連合・北条
下條アトム 京浜連合・徳永
勝村政信 龍三の息子・龍平
萬田久子 キャバクラのママ
ビートたけし マル暴の刑事・村上

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

「アウトレイジ ビヨンド」の北野武監督による任侠コメディ。オレオレ詐欺に引っかかった元組長が、昔の仲間を呼び寄せて世直しに立ち上がる姿を描く。出演は「アカルイミライ」の藤竜也、「妖怪大戦争」の近藤正臣、「アウトレイジ ビヨンド」の中尾彬、「野のなななのか」の品川徹、「座頭市(2003)」の樋浦勉、「細菌列島」の伊藤幸純、「キャタピラー」の吉澤健、『太陽にほえろ!』の小野寺昭。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

70歳の高橋龍三(藤竜也)は、元ヤクザの組長だが“鬼の龍三”と畏れ慕われた時代はもはや過去のもの。現在は家族にも相手にされず、社会にも居場所がなく、大企業で働く息子・龍平(勝村政信)の家に肩身の狭い思いで身を寄せながら「義理も人情もありゃしねぇ」と世知辛い世の中を嘆いている。そんなある日、オレオレ詐欺に引っかかったことをきっかけに、元暴走族の京浜連合と因縁めいた関係になった龍三は「若いヤツらに勝手な真似はさせられねぇ」と、昔の仲間に召集をかける。集まったのは、若頭のマサ(近藤正臣)、はばかりのモキチ(中尾彬)、早撃ちのマック(品川徹)、ステッキのイチゾウ(樋浦勉)、五寸釘のヒデ(伊藤幸純)、カミソリのタカ(吉澤健)、神風のヤス(小野寺昭)の7人。どうせ先は長くないのだからと盛り上がった龍三たちは勢いで“一龍会”を結成、京浜連合をことごとく邪魔しまくるのだった。やがて京浜連合のチンピラたちは、調子に乗り始めたジジイたちを疎ましく思うようになり、一龍会vs.京浜連合の対立は龍三や子分の家族を巻き込み一大騒動へと発展していく……。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2015年5月下旬号

読む、映画:「龍三と七人の子分たち」

REVIEW 日本映画&外国映画 公開作20作品、60本の批評:「龍三と七人の子分たち」

2015年5月上旬号

UPCOMING 新作紹介:「龍三と七人の子分たち」

「龍三と七人の子分たち」見て笑えバカヤロウ! じゃなきゃ暴(や)っちゃうぞコノヤロウ!!:再録 足立区のたけし、世界の北野映画を語る

2014年12月下旬号

NEWS 日本映画:CRANK IN, CRANK UP

2022/01/10

2022/01/10

73点

その他/ツタヤディスカス、DVDレンタル 


北野武2015年作品。

ヤクザコメディ。
ヤクザの息子がカタギという着眼点は面白いが、それが発展しない。
新興(若者)ヤクザと対決する構図も悪くはないのだが、結局は困った高齢者たちでしかない。
ケチなシノギを始めて迷惑至極。
年寄りの気概を見せて欲しかった、ポール・ニューマンの「ロイビーン」のような。
タケシが端役でおとなしくしてたのが、よかった。
遺体をギャグにするのは✖。
「毒薬と老嬢」みたいなら、いいけどね。

シネマスコープ・サイズ、ワーナーブラザース配給。

2021/10/30

2021/12/09

80点

テレビ/有料放送 


襲撃事件に匹敵する笑いの衝撃を

 今日12月9日は、たけし軍団がフライデー発行元講談社を襲撃した日だそうだ。今日は何の日として、歴史に刻まれているということか。演芸場からテレビの世界に入り、当時は漫才からコント、バラエテイ番組、情報番組司会と活躍していたビートたけしとその弟子たちの写真週刊誌に対するストレートな怒りをそのまま行動に移した事件だった。当然のことながら、皮肉をこめ良識あるテレビにおいては、自粛の期間を迎えることになった筈である。いわば、反社会的な行為を行ったという世間の判断がそのようにさせたという事なのだろう。

 この映画の登場人物は、犯罪歴を誇り、刑務所生活の長さを基準として生きる元組織暴力団に属していた人たちである。それぞれが得意な、いや特異な技能を有し生きてきた人であり、一般市民の殻を突き破って生き、今もその価値観が染み付き、どうしようもなく世の中にはじかれている。特に今は、貯金通帳も作れず、まさに人権問題として、社会に訴えなければならないほどとも思えるのだが。

 老いてまだまだ一肌挙げる気力を持ち、暴れまくる。そして、現代の詐欺や犯罪として稼ぐグループとの対決である。やくざ映画を地でいく殴り込みは、特攻隊崩れがヘリで駆けつけ、大型バスをハイジャックし、カーチェイスを繰り広げるのだ。一人一人を見ると、今は悲哀な境遇のなかで、生活しているが、この7人の侍たちは、いきいきと暴れ、逮捕を歓喜するかのように終わるラストシーン。痛快である。

 配役も映画界で主役、名脇役として輝いていた役者が揃い、その個性と得意技を充分に活用したストーリー展開には、リスペクトを感じる。

 そして、笑わせるのが、女装した藤竜也の逃走シーンや死んでしまった中尾彬を楯にして、仲間からも敵対するグループからも傷を負うシーン、蕎麦屋で客の注文を予想しての賭けシーンなどだ。

 北野武監督として、海外で評価される作品も独特の味が魅力であるのだが、このような世間の常識を笑い飛ばす作品を、昔のB級作品がそうであったようにどんどんつくって貰いたいものだ。フライデー襲撃事件に匹敵するような衝動を期待したい。

2021/09/12

70点

映画館/新潟県/ユナイテッド・シネマ新潟 


【チーン】

人物の配置や それを捉える構図、そしてその切り返しが相変わらず巧くてやっぱり見惚れてしまう。
商店街アーケードでの老いたヤクザ達と今のチンピラ達をサイドから捉えるその人物配置。
一瞬「別撮り」かと見紛う 詐欺グループ拠点での、龍三達と辰巳琢郎との「雲泥隔絶」を示す切り返し。
警察車両と警官隊を後景に、その中央に立つ北野-等々、どれも実にきまってる。

でもそれらショットは当然「きまってる」だけに留まらない。
静謐で冷徹で、そして時に戦慄する程の 死の影と匂いが付き纏っている(年寄りでくたばりそうだからとかゆう諧謔的死ではなく、絶対零度虚無的な死)。

話自体は徹底的にバカ諧謔を貫きながらも、奥底に垣間見せるそれら“違和感”が、本作独自の妙趣へと昇華させている。

ラスト ストップモーション。笑いとお馬鹿なクリシェの深層に刻印される“死”のあまりの冷たさに、私も暫し硬直してしまった。




《劇場観賞》

2020/10/12

2020/07/16

60点

VOD/U-NEXT/レンタル/タブレット 
字幕


コメディ

ネタバレ

北野武にとって、題材はどうしても、暴力となる。
おじいちゃん達が活躍するというストーリーは、あちこちで出てくる。コメディとして描くか、悲哀として描くか。

2015/04/03

2020/05/03

25点

その他/試写会 


素材を活かせずダメにしちゃっている。無駄使い。

キレ無し、センス無し、パワー無し!
「世直しに立ちあがった」あ? ちと違うんでないかい?
 全面戦争を、コミカルに、もっと勢いよく描いた映画を期待していましたが、内容は細々している。世界観もちっさ!せこい!!!予告見てはちゃめちゃ爽快感を期待していただけに失速感大。
 実は視野広いのに、せこさをどう落としてくるかとキレが、ツ―ビ―トの頃のたけしさんの売りだと思っていたけど、この映画ではたんにせこいだけ。俳優陣やご自身のアイデアを料理しきれていない。

一つ一つの場面は、さすがお笑い芸人、コントとしてクスクス笑える場面もあったけど。う~ん、これツ―ビ―トや懐かしの「オレたちひょうきん族」の面々、ドリフのコントとかならもっと笑えたろうになとついその面影を追ってしまう。(いかりやさんの「ダメだこりゃ」が聞こえてきそうだ。もしくは「しらけ鳥」とか、タケちゃんマンが出てきそうだ)

俳優陣は皆様超ベテラン。チラシの立ち姿は、ここぞとキマッテいて、どれだけ画面で暴れて下さるんだろうとの期待感がMAXになっていただけに、ああ!!もっと骨太の男たちを期待していたんだけど、せこい、せこい。イメージがぁあ!!!!
(小野寺氏の右翼だけは、このハズシ感計算の上でしょと思いますが)

まあ、でもこのベテラン俳優のコントはたぶんニ度と観ることないだろうし、彼ら特有の間でそれなりに面白い。けど、もっとカット割りとか、場面展開がスピーディーだったら映画の印象変わったかもしれない。すごくもたもたしている。この場面いらないんじゃないの?というのもあったし。お茶の間コントのつなぎ合わせ。TVの特番でよかったのじゃないだろうか?

彼らのすごさを台詞で説明するんじゃなくて、演技でやってもらいたかったなあ。それができるメンツ揃えているんだから。

日本の名優陣を使うんだからもっと練ってほしかったです。

映画としては10点ですが、俳優陣の珍しいコントがみられたのと『ひょうきん族』を思い出させてくれたので25点。

2015/05/11

2020/03/18

70点

映画館/大阪府/イオンシネマ大日 


北野武としてではなく、ビートたけしとして撮ったかのような、緩くてナンセンスなコメディ映画。そして、オレオレ詐欺や悪どい訪問販売等、現代ならではの問題を扱いながらも、どことなく全編から昔の邦画のような懐かしさが漂う。個人的には、そんな緩さと懐かしさが心地好く、ベタな展開にクスクス笑いが止まらない。特に、龍三親分を始めとする元ヤクザな老人たちが面白すぎ!すぐに指を詰めたがる癖や的外れな仁義等、時代錯誤も甚だしいけれど、妙に愛嬌があって憎めない。が、やっぱり極めつけは子分のひとり、モキチ演じる中尾彬の存在。あまりにシュールな後半は、全部この人が持っていった感じ。対する京浜連合の面々は、序盤こそ傍若無人っぷりを発揮していたものの、老人たちの暴走に恐怖を覚えて意気消沈。が、どちらも善人ではないので、結局は喧嘩両成敗でめでたしめでたし(笑)。