実話をベースにした作品で、日本からは地理的、文化的にも遠いアフリカ(本作ではケニア」がヨーロッパ(本作ではイタリア」が意外と地理的にも近く、ヨーロッパの物理的にも制度的にも閉鎖感から逃れる新天地として意外と身近なエリアであることが分かる。主演のKベイシンガーが往年のセクシー系から大きく離脱して皺のアップもものともしない逞しい実在の女性を熱演する。
ただヒロインの実話(瀕死の自動車事故と夫の死、そして新しい夫とアフリカへの移住、そして夫の狩りの熱中と夫婦不和、そして和解(ここら辺はどうでもいいエピソードだが)、夫の不慮の死、アフリカに連れてきた最愛に息子の死、そして密漁の取り締まりをめぐっての暗闘といった一見ドラマチックな話が割と淡々と展開していくが、あまりに日常的なので(描き方としては好みだが)特に感慨が起きないのでそのままエンデイング。
結局ヒロインのモノローグで自己完結している感が強く、その生き方に共鳴できなければ人ごとで終わってしまう作品なのだった。所詮イタリア人の道楽程度に思ってしまう日本人の小生でした。
ところでKベイシンガーはイタリア人には見えないけどなあ???