2023年10月30日に鑑賞。DVDにて。1時間28分22秒。スタンダード・黒白。WARNER BROS.-FIRST NATIONAL PICTURE。一部、イタリア語。
開巻『この物語は、約50年前にイタリアの小村サンステファノ(San Stefano・ミラノ近郊)で実際に起きた出来事と思われる』
「斬られた手」がピアノを弾くなどの特撮がなかなか良い。ピアノを弾く左手首の切り口が見える。→ヒラリーが書斎で左手と格闘する場面も巧い。書棚からカサコソ音がする。ヒラリーが書棚から本の束を落とすと、本棚の裏側の左手が本を掴んでいる。カメラは本棚の裏側から映している。→ヒラリーの胸によじ登った左手が動いている。暖炉の火の中の左手が動いている。
フランシス・イングラムは、著名なピアニストだったが事故?で右手が不自由になり車椅子生活である。左手だけでピアノを弾く。亡くなったイングラムの棺から「左手」が切り取られ、その左手がイングラムの遺産相続に関係する人物を殺していく。この幽霊話部分はちょっと戴けないが、ラストでちゃんと解決している。
イングラムの秘書ヒラリー・カミンズは、イングラムの大量の蔵書に執着し占星学を研究している。ヒラリー「僕の追っている謎はこの中(蔵書)に隠されている。未来への鍵が古代の占星術師のみが握っている。アレクサンドリアの図書館が燃えて失われた真実を再発見できそうなんだ。一人の時間が欲しい」と、車椅子のイングラムの世話は看護婦ジュリーに任せて研究に没頭している。
ラストのオチもしゃれている。
本『占星学の歴史 HISTORYOL ASTROLOGY A COMPLETE TEXBOOK FOR ASTROLOGERS FREDERICO LOMBARDO(フレデリコ・ロンバルド)』、『ロレンツオ・ボルゲーゼの生涯』(1743年・ローマ刊)、『星座の歴史』(1603年・フィレンツェ刊)
画面では、監督:Robert Florey、脚本:Curt Siodmak、原作:William Fryer Harvey、撮影:Wesley Anderson、編集:Frank Magee、Dialogue Director:Jack Daniels、美術:Stanley Fleischer、特殊効果:William McGann、H. Kdenekamp、Technical Advisor:Dario Sabatello、衣装:Travilla、Set Decoration:Walter Tilford、Makeup Artist:Peac Westmore、音楽監督:Leo F. Forbstein、Orchestral Arrangements:Hugo Friedhofer、音楽:Max Steiner である。
出演は、Robert Alda(ブルース・コンラッド/作曲家・ピアニスト)、Andrea King(ジュリー[ジュリア]・ホールデン/看護婦)、Peter Lorre(ヒラリー・カミンズ/イングラムの秘書/占星学研究者)、Victor Hrancen(フランシス・イングラム/元ピアニスト/富豪)、J. Carrol Naish(オヴィディオ・カスタニオ警察署長)、David Hoffman(弁護士デピュレックス)、Charles Dingle(レイモンド[ドン]・アーリントン/イングラムの亡き妻の兄/アメリカ人でロンドン在住)、John Alvin(息子ドナルド・アーリントン/イングラムの甥/イングラムの遺産相続者)、William Edmunds(アントニオ/イングラムの執事)、Belle Mitchell(ジョヴァンナ/イングラムの女中)、Patricia White(クララ/イングラムの女中)ほか。