「イナゴの日」、「魚が出てきた日」などと当時は「~の日」というタイトルがなぜか続いたような気がする。内容もおおむね社会派サスペンスふうな切り口で共通していたのではないか? 「地球最後の日」とか「復活の日」なんていうのもあったが。
まあそれはともかくレビュアーの多くの方が本作の音楽の良さに言及しておられる。我が意を得たりでうれしかった。というかやはり自分の記憶は間違っていなかったなと確認できた。内容は忘れているけど音楽の方はすぐにピンときたから。
当時は映画音楽にハマっていてFMで関光夫の番組を逃さずチェックしていたことを懐かしく思い出す。先日観た「1000日のアン」もドルリューの音楽が印象に残っていたけど代表作はやはり本作だろう。
音楽の良さに釣り合わない内容の稚拙さがちょっともったいない。いやイルカを暗殺道具として使用するという筋立てはサスペンスとして悪くはないのだけど、イルカの可愛らしい声を聴いていると何だか萎えてしまう。「わんぱくフリッパー」を観ている気分になっちゃうんですね。話し相手が堅物なイメージのジョージ・C・スコットというのもバランスが悪いようないいような・・・。
その点ポール・ソルヴィノが脇でいい味を出していたと思う。立ち位置がはっきりしない(というか明らかに怪しい)不審な雰囲気を冒頭から漂わせている。でも意外や味方だったとは・・・その意外性がいい。暗闇の中水槽をバックにして佇むポール。灯りがつくと彼の背後に親友の水死体が・・・。このショットはなかなかでした。