1900年代初頭にカナダで暮らす日本人がいたことを全く知らなかったので、題材としてはなかなか興味深かった。が、実話なこともあってか、全体的に盛り上がりに欠けたのが残念。そもそも、彼らがどれくらい野球に賭けているのかが見えてこない上に、メインとなるのは妻夫木聡演じる口ベタなレジー。チームのキャプテンなはずの彼の本音は最後まで語られず、ただ時の流れに身を任せているようにしか思えなかった。そんな中、一番印象に残ったのは池松壮亮演じるフランク。彼が特別な何かを語るわけではないけれど、カナダ人から見た日本人を一語で突き付けられた上に、帰国してすぐの徴兵はあまりに酷い。恐らく、親戚の言う仕事がそれだったのだろうけれど。ただ、バンクーバー朝日を応援する人たちが、揃ってコミカルだったのが救い。それにしても、宮崎あおい演じる教師の必要性がまるで分からず。