いまを生きる

いまをいきる|Dead Poets Society|Dead Poets Society

いまを生きる

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レビューの数

77

平均評点

77.4(685人)

観たひと

1220

観たいひと

134

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 アメリカ
製作年 1989
公開年月日 1990/3/17
上映時間 128分
製作会社 タッチストーン作品
配給 ワーナー・ブラザース映画
レイティング PG-12
カラー カラー/ビスタ
アスペクト比 アメリカンビスタ(1:1.85)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声 ドルビー

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

59年、ニューイングランドの全寮制学院を舞台に、学生たちの愛と生、そして死を描くドラマ。製作はスティーヴン・ハフトとポール・ユンガー・ウィット、監督は「モスキート・コースト」のピーター・ウィアー、脚本はトム・シュルマン、撮影はジョン・シール、音楽はモーリス・ジャールが担当。出演はロビン・ウィリアムス、イーサン・ホークほか。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

59年、バーモントの全寮制学院ウェルトン・アカデミーの新学期に、同校のOBという英語教師ジョン・キーティング(ロビン・ウィリアムス)が赴任してきた。ノーラン校長(ノーマン・ロイド)の下、厳格な規則に縛られている学生たちは、このキーティングの風変わりな授業に、最初はとまどうものの、次第に行動力を刺激され、新鮮な考えに目覚めてゆくのだった。ある日生徒のニール(ロバート・ショーン・レナード)は学校の古い年鑑に、キーティングが学生時代に『デッド・ポエッツ・ソサエティ』というクラブを作っていたことを見つけ、ダルトン(ゲイル・ハンセン)やノックス(ジョシュ・チャールズ)らと共に、近くの洞窟でクラブを再開させる。ニールの同室である転校生のトッド(イーサン・ホーク)も、誘われるままそれに加わった。そして彼らは自らを語りあうことで自分がやりたいものは何か自覚してゆくのだった。ノックスはクリス(アレキサンドラ・パワーズ)という娘との恋を実らせ、ニールは俳優を志し『真夏の夜の夢』の舞台に立った。しかし父親(カートウッド・スミス)に反対され、陸軍士官学校に転校させられることになったニールは自ら命を絶った。この事件を捜査する学校側は、退学処分を切り札にデッド・ポエッツ・ソサエティのメンバーに証言を強要し、やがてそれは煽動者としてキーティングの責任問題に結びつけられ、彼は退職を余儀なくされる。キーティングが学院を去る日、トッドたちは校長の制止も聞かず机の上に立ちキーティングを見送る。それは彼らのせめてもの抵抗の証しであった。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1990年4月下旬号

外国映画批評:いまを生きる

1990年4月上旬号

外国映画紹介:いまを生きる

1990年3月上旬号

グラビア:いまを生きる

特集 いまを生きる:評論

1990年1月上旬号

グラビア:いまを生きる

試写室:いまを生きる

2023/12/14

2024/02/19

75点

その他/NHKBS映画 録画 
字幕


ありがとう

 米国北東部バーモント州は比較的開かれた政治・宗教観を持つ土地柄。「自由詩の父」ホイットマンから連想するビート・カルチャーが隆盛した50年代最後の年。その設定を30年後の作劇で、これまでの激動期を乗り越えた思索の源がその時点で芽生えていたと描き出す。一見ありがちな回顧的内容ではある。

 それでも、映画公開時から更に30年過ぎてなお秀作と称したいのは、国語教師キーティング役のロビン・ウィリアムズの名演に至る。台詞回しや立ち居振る舞いではない。生徒に寄り添い無言で推し量ろうとする目元。細い目の奥に宿る暖かい眼差し。彼本来が放つ唯一無二の瞳を活かした慈愛力の表現にある。

 舞台は伝統を誇り、厳しい教育理念に立つ一流全寮制校。新学期に赴任したキーティングは「先入観に囚われず自分の感性を信じ、自分自身の声をみつけろ」と語り掛ける。その為には、ラテン語「カペル・ディエム」。英語「スィーズ・ザ・デイ」と諭す。それが名訳「今を生きろ」であり物語の支柱となる。

 キーティングの虜となった七人の生徒たちは、彼が同校生時代に中心となっていた秘密クラブ「デッド・ポエッツ・ソサエティ(死せる詩人の会)」を勝手に復活する。初めは自分がこれからどう生きていくのかを打ち明けるただの戯れだった。次第に、多様な思考の可否を意識し、自我と他我との軋轢が顕在化していく。それが解決なき個人の問題と疎外されたとき、悲劇が訪れる。映画はありえた結果と、ありうるその後を淡々と綴る。翻って、どうしてそうなったのか?と問いを残し、印象深いラストシーンを迎える。

 幕切れでキーティングが「ありがとう」と応える言葉。最も美しく、最も短い詩だと気付かされる。その含蓄が浮かび上がらせる、人が生きる意味を対等に語り合う姿勢の大切さが余韻となった。

2024/01/02

80点

VOD/Amazonプライム・ビデオ 
字幕


あと一歩の勇気

ネタバレ

1950年代のバーモント州の厳格なアカデミーが舞台。
父親の言いつけに逆らうことが出来ずに自分の気持ちに蓋をし続けてきたニール、何事にも自分に自信が持てないトッド、手の届かない相手を好きになってしまったノックス。
そんな彼らの前に現れた新任のキーティングは、形に囚われない自由な発想で彼らを導く。
最初の詩の授業では生徒にいきなり教科書を破り捨てることを命じ、教卓の上に彼らを登らせ普段は見ることの出来ない景色を見せる。
ルールに縛られて生きてきた生徒たちは、最初こそキーティングの型破りな教え方に戸惑うものの、彼の教えの通りに少しずつ自分の気持ちに正直になっていく。
ニールは父親に反対されて諦めていた芝居の道に挑戦し、ノックスはクリスという意中の相手に詩を送って気持ちを伝える。
それでも勇気を出して自分の殻を破ることは本当に難しい。
もし拒絶されたらと思うと、どうしてもあと一歩を踏み出すことが出来ない。
しかしやってしまった後悔よりも、やらなかった後悔の方がずっと後まで尾を引くものだと思う。
自分の気持ちから逃げてしまったら、一生後悔することになるだろう。
キーティングは「今を生きろ」と彼らに発破をかける。
大事なのは今、生きているこの瞬間なのだ。
正直地味な作品だし、よく理解出来ないシーンも多いが、忘れかけていた大切なものに気付かされる作品でもある。
ただ、一歩踏み出す勇気と自分の気持ちに正直になることの大切さを説くだけの単純な作品でないことも確かだ。
ニールはシェイクスピア劇で主役を演じ拍手喝采を浴びるが、父親の怒りを買い自由を奪い取られてしまう。
父親に本当にやりたいことは何かと問い詰められるも、何もないと答えてしまうニール。
彼は結局自らの力で壁を乗り越えることが出来ずに自殺してしまう。
そして生徒たちを扇動したとしてニールの自殺の責任を問われたキーティングも学校を追放されてしまう。
生徒たちはキーティング追放の書面に署名をすることで退学を免れる。
最後にこの映画の中で自由は負けてしまう。
正しき者が勝者になるとは限らない。
ラストシーンは感動的ではあったが、何とも言えない後味の悪さが残る作品だった。

2023/12/30

80点

選択しない 


若い頃のイーサン・ホーク可愛いな🥺

そこそこベタではあるけど、最後そこで終わるのね…という感じ😳

2023/12/03

2023/12/04

77点

VOD/Amazonプライム・ビデオ/購入/テレビ 
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いまを生きる

ネタバレ

ロビン・ウイリアムズが演じる先生と出会わなければ、ニールは死ななかったんだという人たちとは友だちにはなりたくないです。
残念な結果にこそなってしまいましたが、先生に出会わなければ、たとえ100歳まで生きたとしてもニールは生きていなかったのだと思います。あの短い時間だけ、彼は生きることができたのだと感じます。
『いまを生きる』という邦題は見事だと思います。

2023/12/03

90点

選択しない 


人生についての映画

人生について若いうちに学ぶことは何か。この映画はそのことを深く考えながら観た。正直言ってなかなか視聴するのは難しい映画だと思う。物語の起伏は割と平坦で、わかりやすいエピソードもあまりない。キーティングの授業シーンだけ少し心揺さぶるものがあるけど、学生たちの日常シーンはBGMも少なく落ち着きすぎた印象。だけど、この映画は伝統重んじる名門校で起こる出来事なので、青春らしい場面や展開は少なく抑圧された感じを見せているのだと思う。ラストシーンでの感動は大きい。誰かの夢が叶ったわけでもなく、出来事は悲劇のみだが、それでも詩の理解でも科学の知識でもない、人生で大事なことを掴み取った主人公たちの顔は頼もしい。

2023/12/02

2023/12/02

70点

VOD/Amazonプライム・ビデオ 
字幕


慟哭のデッド・ポエム

居場所でないところに身を置かざるを得ない辛さがまたぞろ私を襲い金曜日は睡眠障害に陥り会社を休んだ。今日は歯医者で右下奥歯の分割処置をしてガリガリと延々掃除をされて疲弊のダブルパンチだ。祥月命日の帰りに両親がきた。ハンサムでシニカルだった父親も81歳になる。こんな時こそロビン・ウイリアムズの出番だ。

ロビン・ウイリアムズが何か口にする度に条件反射の如く泣ける。正に「名言製造機」である。アメリカの若者でもエリートは流石に羽目の外しかたも知的だ。セックスやドラッグに走るわけでもなく詩を嗜む会なんて知的過ぎるじゃないか。

「いつものロビン・ウイリアムズ」「アメリカ版金八先生」、それはきっと誉め言葉なのだ。とはいえ彼の教育改革は性急過ぎたし時と場合もあるのでは?と感じた。彼はスーパーマンではなかった。それどころか生徒一人の命も救えない、彼はなんて無力な存在なのだろう。だけど、彼は圧倒的に正義だった。

陳腐と嗤った邦題が実は的を得ていた。いまを生きろ。心の奥底から涌き出る感情、それこそが慟哭のデッド・ポエム。