プレイス・イン・ザ・ハート

ぷれいすいんざはーと|Places in the Heart|----

プレイス・イン・ザ・ハート

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レビューの数

32

平均評点

77.9(166人)

観たひと

253

観たいひと

26

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 アメリカ
製作年 1984
公開年月日 1985/3/16
上映時間 113分
製作会社 トライスター映画作品
配給 コロムビア映画
レイティング
カラー カラー/ビスタ
アスペクト比 アメリカンビスタ(1:1.85)
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

夫を殺された妻が家族を守るためにひたむきに闘う姿を描く。製作はアーレン・ドノヴァン、監督・脚本は「クレイマー、クレイマー」のロバート・ベントン、エグゼクティヴ・プロデューサーはマイケル・ハウスマン、撮影はネストール・アルメンドロス、編集はキャロル・リトルトン、音楽と作曲・編曲はジョン・カンダー、衣装はアン・ロス、プロダクション・デザイナーはジーン・キャラハンが担当。出演はサリー・フィールド、リンゼイ・クルーズなど。日本版字幕は戸田奈津子。カラー・ビスタサイズ。1984年作品。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

1935年、テキサス州ワクサハチの朝。エドナ・スポルディング(サリー・フィールド)は、先ほど送り出した保安官の夫ロイス(レイ・ベイカー)が死体となって戻って来たのを知って、あまりのショックに口がきけなかった。銀行の預金残高は116ドル、借金3681ドル、とりあえず数カ月後に銀行に返さなければならない返済分が240ドル、エドナにできることといえば子供の世話と家事だけだ。美容院を経営している姉のマーガレット(リンゼイ・クルーズ)も親身に心配してくれるが、金銭面では無力だった。葬儀が済むと銀行は、この家を売り借金をゼロにして、子供を親戚に預けて働いたらと勧める。しかし、夫のにおいが染みたこの家と2人の子供フランク(ヤンクトン・ハットン)とポッサン(ジェニー・ジェームズ)なしに生きていくことはできない。数日後、流れ者の黒人モーゼス(ダニー・グローヴァー)がやってきて仕事をくれと申し出たが、断わった。その夜、保安官に連れられたモーゼスが再びエレナの家にやってきた。スポルディング家の銀器を盗んだので逮捕されたのだ。エレナはウソの口実でモーゼスを助けてやつた。その日から、彼は一家には欠かせぬ働き手として綿畑を耕した。同じ頃、銀行員は厄介払いするように眼の不自由な彼の弟ウイル(ジョン・マルコヴィッチ)を下宿人として押しつけてきた。エドナとモーゼスは綿作りに励んだ。一家を守るにはそれしか方法がないのだ。しかし、テキサス特有の大竜巻は小さな町の建物をあらかた破壊しスポルディング家にも甚大な被害をもたらした。姉の夫ウエイン(エド・ハリス)と親友の妻ビオラ(エイミー・マディガン)との情事も、この大竜巻によって終りを告げた。10月が近づき綿の収穫の時期になった。収穫一番のりに対する100ドルの賞金を得るために、エドナとモーゼスはもとより、フランク、ポッサム、マーガレットまで畑に出て綿つみに精出した。賞金がもらえなければ一家は離散してしまうのだ。盲目のウイルが料理を受けもった。皆、綿の木の針で指を刺され、曲げっきりの腰がのばせないほど働いた。出荷の日の朝が明けた。エドナが一番のりだった。綿つみの後のダンスパーティの夜、フランクは一人前の男として母エドナにダンスを申し込み、マーガレットも夫の情事を許す気になった。が、モーゼスはK・K・Kの一団に襲われて町を出ていくよう脅迫される。エドナに危害の及ぶことを恐れたモーゼスは、翌朝町を離れた。「あなたが最高の綿つみだってことを忘れないで」、モーゼスを送るエドナの言葉には愛する家族を失う悲しみが充ち充ちていた。(コロムビア映画配給*1時間51分)

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1985年5月下旬号

外国映画紹介:プレイス・イン・ザ・ハート

1985年4月上旬号

外国映画批評:プレイス・イン・ザ・ハート

1985年3月下旬号

グラビア:プレイス・イン・ザ・ハート

2024/04/28

2024/04/28

80点

選択しない 


良作

中々の良作。未亡人となって家を守るべく綿花栽培にかけるサリー・フィールドと手助けすること黒人ダニー・クローバー、そして盲目で孤独な若者ジョン・マルコビッチの三人がし一つの目的に向かって次第に結束していく様子が良い。妹夫婦とこの家族との対比も上手い。黒人迫害など心痛な場面は観ていて辛いがラストの神の恵みの場面で救われる。

2024/03/20

2024/03/20

65点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 
字幕


古き良き時代のアメリカらしさを味わえる一作。
苦境に陥っても簡単には諦めない。安易に他人に頼るのではなく、まずは自分で道を切り拓こうとする。そんな努力する人を助ける仲間が出てくる。自主独立の精神と開拓魂。それが強く出過ぎるとデメリットともなるのだが、アメリカが英国から独立し、世界の覇権国となった一因がそこにあることも事実。
残念ながら現在のアメリカにそういった精神と魂を持っている人がどれだけいるかは疑問のあるところだが。
それにしても脇役の豪華なこと。エド・ハリスにジョン・マルコビッチ、そしてダニー・クローバー。しかも、まだ若い彼等はダニー・クローバー以外の二人は後年のイメージとはえらく違うところも面白い。

2024/03/15

2024/03/15

85点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 
字幕


若い頃(1980年代)にアメリカ映画を見てきた私にとって、ひときわ胸にジーンとくる。後に活躍する多くの名優を輩出した名作。

ネタバレ

舞台は、1935年の大恐慌時代のテキサス州の小さな町。年代的・地域的に、男性優位、人種差別が公然とあった。当作品内でも、集団リンチやKKKなどが描かれる。
そんな時代背景で、夫が突然死に、家事と子育てしか経験の無い主婦が子供二人を抱えて奮闘する姿を描く。頑張ってます感を前面に押し出すのではなく、さらっと描き切るところが、とっても良い。いや、頑張ってます感も出てるんだけど、サリー・フィールドの悩んでる姿や意を決する姿がとても胸を打つ、私の感情を引き付けるのだ(演出過剰だと、見ている側が置いてけぼりになってしまいますもんね)。
そして、一緒に住むことになったのは、黒人(ダニー・グローヴァー)と盲者(ジョン・マルコヴィッチ)。いわば、未亡人、黒人、盲者という(当時の)社会的弱者のタッグが、厳しい生活から微かな光を見出していく物語なのだから、庶民の私としては爽快だ。彼は、最初は牽制しながらも、徐々に信頼し合い、安心し合う姿が本当に清々しい。この醸成を丁寧に描いているのが、当作品の素晴らしいところ。オスカー脚本賞の受賞は、ここにあるのだろう、思った。
銀行は、経済理論的に家を売れと言う。でも彼女は家族と離れ離れは嫌だと、自分の気持ちを最優先で突き進む。いよいよ借金返済に窮した時、綿花バイヤーを動かし言葉が「あなたのお父さんが守り続けた早摘み一番の座を、あなたで今年で終わりになるわよ」という心情に訴える。最後の人間の判断は、奥底にある芯の感情なんだ。それを信じて・それに突き動かされて自分を通した彼女の姿に、観客である私の芯も動かされた。

ラスト、皆で教会でワインを飲むシーン(亡くなった方々も、生きている人たちも皆一緒)が素敵。こうありたい。

備忘メモ:
盲者のジョン・マルコヴィッチが外を走るのに、紐を伝うのは良いアイディア。また、彼は音に敏感なので、季節労働者が大勢来たり、KKKの奴らが(実は)身近な人達だと声で判別したり出来る。
お湯を触ってしまい、サリー・フィールドが入浴中だと分かるシーンは繊細で良かった。これで、少し距離感が近くなったかな。
「どんな姿?」と聞かれ、心がほぐれるシーンも目頭が熱くなったなぁ。
それにしても、子供たちが生きる糧になる。
教会を遠景にした最初のシーン、ラストまじかでも登場した。絵になる。

思えば、後に活躍する多くの名優を輩出した作品だなぁ、と感心した。

2024/03/10

2024/03/10

70点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 
字幕


災いから闇に逃れる幻想

讃美歌と祈り,田園の家屋や鉄道,自動車,収穫機械,電線,風車など機械によって物語が導入されている.この導入部で示されたイメージが全編を貫いているが,人物たちがアクションを重ねることで彼女ら彼らの過酷な生がこのテキサス州の風景に深く刻まれていく.
4人の白人の核家族ではあったが,冒頭で家族の長たるロイス(レイ・ベイカー)は黒人の少年ワイリーに,事故のようにして撃ち殺される.ロイスの妻のエドナ(サリー・フィールド)は,未来への見通しを見失い,ブランコに揺られ,嘆く.黒人労働者が彼女ら白人を取り巻いている.エドナの姉のマーガレット(リンゼイ・クルーズ)は,教師ヴァイオレット(エイミー・マディガン)に家が嫌いだった夫(エド・ハリス)を納屋で寝取られている.使用人の黒人モーゼス(ダニー・グローヴァー)は綿花栽培をエドナに提案し,彼女の家から食器を盗み出しながらも許され,彼女の家の一角に居着いて,綿花による経営に着手する.その後も,ぶつぶつ言って反省したり,神様に文句を言ったりもしているが,活躍し,その活躍も妬まれたのかクークラックスクランかと思われる白い覆面集団に暴力を受ける.
事あるごとに見えている教会の近くには銀行があり,怪しげな銀行員デンビー(レイン・スミス)がエドナの家計についての方針を示す.彼は義弟で,戦争に由来する視覚障害のあるウィル(ジョン・マルコヴィッチ)をエドナの元へ連れていき,一方的に下宿を申し込んでいる.ウィルは,施設へ入ることを望みながらも居候をしながら椅子や箒を作っている.
気安い音楽とダンスによってパーティが催される.流しの演奏家たちが場を盛り上げる.エドナの二人の子,兄フランクと妹ポッサムは蓄音器でウィルが持ち込んだ視覚障害者のためのレコード朗読を聞いているが,そのプレイヤーを壊すと,おまじないも通じずに,この町に破局的な自然災害をもたらす.馬二頭が綿花にする畑を耕し,エドナとモーゼスが働いている.風と雨,そして雷とともに竜巻がやってくる.ヴァイオレットの勤める学校は崩壊する. 
綿を早く収穫し,賞金を勝ち取るために黒人の女性や子どもたちが集まってきて,エドナたちを助けている.エドナは泣きながら,手を傷つけながら,夜を徹して働き,幻想を見ている.そして終盤に教会の中でキャメラは回して供応される血のようなグラスを追っていく.そのグラスを手に持つものとして,去った者,死んだ者たちが不思議に現れてくる.

2024/03/07

2024/03/07

55点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 
字幕


1935年のテキサスの田舎を描く

1985年度キネマ旬報ベスト・テン11位、
読者選出ベスト・テン10位の作品で、
アカデミー賞やベルリン国際映画祭などの様々な賞の受賞&ノミネート作品。

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1935年のテキサスの田舎町で、
保安官の夫が黒人少年よって死んだことで未亡人と息子2人が収入を断たれ、
家の借金も返す為に、流れ者の黒人を雇って、土地を耕して綿花を育てようとする話。

この一家の話とは直接関係のない、主人公の姉の夫の浮気などのエピソードもあったり、
ヒューストンへと出て行った2人以外の全員が登場するラストシーンなどから、
主人公とその家族だけの話ではなく、
大恐慌の後の不景気の時代とか、
第一次大戦の影響が残っているとか、
テキサスならではの雰囲気とか、
竜巻がよく起こる厳しい環境とか、
黒人差別とか、
そんな諸々の全体像を描いた映画。

でも、そんな感じであれもこれも描こうと欲張ったせいか、
全体的な印象は薄味気味になった。

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【基本情報の訂正】

上映時間が113分となっているが、
あらすじの最後に「1時間51分」と書かれている方が正しい。

2023/10/27

2023/10/27

80点

テレビ/有料放送/FOXMOVIES 
字幕


そりゃあね

そりゃあね、40年近くも前の映画だから皆若いさ。なんてたって髪がある。フサフサではないが。でもね、人種差別が今もまだ絶えないのが悲しいな…