スペンサー・トレイシーが渋い父親&弁護士のノワール映画
ジョン・スタージェス監督によるノワール映画。
スペンサー・トレイシーが、父親としても弁護士としても、味のある演技を見せてくれる。
ある夜、バーの向かいの家から銃声が聞こえ、人が殺される事件が発生。
闇夜の中、遠くから、その一部始終を目撃したバーの客が一人いた。
次の日、事件に使われた車が発見されて、その車の持ち主の男が事情聴取を受け、容疑者として逮捕される。その男は「車は盗まれたんだ!」と主張しているが、検察側は無視。
その男の家族は貧しくて弁護士を雇う費用が無く、旧知の仲の弁護士カーテイン(スペンサー・トレイシー)に頼むが「今は、刑事事件から退いた…」と一旦は断るものの、結局引き受けることになる。
そして、逮捕された若者は容疑者ではないという信念のもと、様々な角度から調査を進めるが決定的な証拠は得られない。
また、弁護士カーテインには年頃の娘がいて、娘はアルコール依存症だった父親の面倒を見るために結婚せずに同居していた。娘にはフィアンセがいる。
そして、物語が意外な展開を見せる中、弁護士は娘に電話をして声を聞いて更にフィアンセに「娘と結婚するなら早くしろ」と言うが、この場面は自分の運命を悟った男が見せる娘への愛情が感じられる感動的シーンに見えた。
裁判シーンが少し長めに感じられたものの、なかなか見応えのあるノワール映画だった。