ブライアンズ・ソング

ぶらいあんずそんぐ|Brian's Song|----

ブライアンズ・ソング

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レビューの数

1

平均評点

79.5(2人)

観たひと

6

観たいひと

1

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 アメリカ
製作年 1972
公開年月日 1979/8/25
上映時間 0分
製作会社 スクリーン・シムズ作品
配給 コロムビア映画
レイティング
カラー カラー/スタンダード
アスペクト比 スタンダード(1:1.37)
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

プロ・フットボール・チームに属する黒人と白人の2人のプレイヤーの友情を描く。製作はポール・ユンガー・ウィット、監督は「シェイマス」のバズ・クリーク、脚本はウィリアム・プリン、撮影はジョセフ・バイロック、音楽はミシェル・ルグラン、編集はハッド・イサックス、美術はロス・ベラーが各々担当。出演はジェームズ・カーン、ビリー・ディー・ウィリアムス、ジャック・ウォーデン、シェリー・フェブレイ、ジュディ・ペース、.ハーニー・キャッセイ、デイヴィッド・ハドルストン、ロン・ファインベルグ、ディック・バッカスなど。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

黒人のゲール(ビリー・ディー・ウィリアムス)と白人のブライアン(ジェームズ・力ーン)は、同じフットボール・チーム、シカゴ・ベアーズに入団し、互いにライバル意識を燃やしながらプレーに励んでいた。2人はポジションも同じで、部屋も同じ、家族ぐるみの交際をする程親しい間柄だ。ある日、試合中に足を骨折したゲールを、ブライアン・ははげまし、トレーニング用の器具まで持ち込む始末。カムバックしたゲールは、再び大活躍し、その年の最優秀選手に選ばれた。一方、ブライアンはベンチにいることが多くなったにもかかわらず、ゲールの活躍を喜び温かく見守っていた。しかし、ある試合の途中で、ブライアンの身体の具合が悪いのに気がついた監督は彼に休養をすすめた。数日後、試合の始まる前、ゲールはブライアンが肺ガンであること、そして直る見込みのないことを知った。ゲールをはじめチーム・メイトの全員が泣いた。試合のない日は必ず病院に行ったゲールだったが、こうした日々は長く続かなかった。ブライアンは、かつての試合中のことを、うわごとでつぶやきながら、ゲールと妻にみとられ、静かに息をひきとったのだった。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1979年9月下旬号

外国映画紹介:ブライアンズ・ソング

1979年9月上旬号

グラビア:ブライアンズ・ソング

2010年

2016/08/19

85点

テレビ 


押しつけがましくなく温かく爽やか 演出の手腕

プロ・アメリカン・フットボールチームに同期入団した2人の若者。白人のブライアン・ピッコロ(ジェームス・カーン)と黒人のゲール・セイヤース(ビリー・ディー・ウイリアムス)は同じバックスのライバルとして、またチームメイト、ルームメイトとして友情を育んで行く。そんな2人の成功と挫折と再生と…、そして死を描いた作品です。

70年にアメリカのTVムービーとして製作され、NHKでのTV放映の後、人気が出て79年に劇場公開されました。

映画全編を包み込み、登場人物たちを慈しむような暖かく美しい音楽。要所要所でメインテーマが流れて涙腺を刺激しますが、この音楽を作曲したのはなんと(TVムービーなのに)ミッシェル・ルグラン!!素晴らしいです~。
(サントラを注文してしまいました)

この映画は60年代のシカゴを舞台にした実話に基づいた物語で、60年代と言えば、地方や南部では黒人差別がまだ色濃く残っていた時代。そんな時代にチーム・マネージャーは全米で初めて、白人(ブライアン)と黒人(ゲール)を同室のルームメイトにする。

ブライアンはジョークやイタズラを交えながら、ゲールにストレートに接し、彼の心を開いていく…。このブライアンを演じるジェームズ・カーンが素晴らしいです!骨折したゲールの復帰に尽力し、やがてブライアン自身が重病に倒れてしまう…

わずか72分の作品ですが、アメリカン・フットボールの試合映像を挟みながら、状況の推移を物語り、ブライアンとゲールの友情とそれぞれの人間性や心情、夫婦愛、夫婦ぐるみの4人の友情、チームメイトたちの仲間意識などをきめ細かく、そして手際よく描写していきます。その場面展開はリズミカルでさえあり、押しつけがましくなく、温かく爽やかな後味を残します。

印象深いシーンは、骨折のリハビリに疲れて愚痴を言うゲールを、ブライアンが「コーヒー豆」とからかう場面、険悪になるかと思ったら、「お前よくそんなことが言えるな」と爆笑になる…。これだけで、ゲールがリハビリの暗闇から立ち直り、2人が人種の壁を越えて信頼を深めて行く様子が伝わってくるのです。

「誰もがブライアンを思い出す。それは彼の死に方ではなく、生き方だ。いかに生きたかだ」

いい作品です
ぜひご覧ください