2022年9月6日に鑑賞。DVDにて。1時間40分08秒。スタンダード・黒白。PAMPART PRODUCTION=UNIVERSAL INTERNATIONAL。
ジョーン・フォンテインの最初の登場場面は、オードリー・ヘップバーンですね。逆だが(笑)小柄でキュートで、ボーイッシュな服装も胸キュンである。女優としては、眠ってる場面ばかり(笑)で、ズボンにジャンパーと着飾る場面は少ない。そこが狙い目で、観客の逆萌えなんでしょう。「サリヴァンの旅」(1941)のヴェロニカ・レイクですね。背が低いのも同じだ。
ジェームズ・スチュワートの生真面目な役柄も良い。「1954年になったら結婚する。今は仕事に専念だ」ダイアナ「恋に落ちたら?」ペイン「人生設計は重要だ」開巻のアニメーションの2人の似顔がそっくりである。
ペインの空軍仲間のエディ・アルバートも好演である。この人は笑顔が良い。「ローマの休日」のカメラマンである。
ペインがNYのホテルに泊まる時が興味深い。フロント係のハバートが空軍の戦友なので毎回安く泊まっている。それは、翌日に既に予約が入っている「ウェディング・スイートルーム」に泊まるのである。通常35ドル(これは普通の客室の料金でしょう)が5ドルである。結婚式の関係者が来るのは午前9時、ペインは早朝7時にチェックアウトするのである。なるほど。通常ホテルのチェックアウトは午前10時くらい。そうするとホテル側は、客が9時に来るウェディング・スイートに前日に客を泊めることはないだろう。
開巻、婚約したが結婚を躊躇するダイアナ(公式には6回目の婚約、非公式には12人の男ともめた)。説得する叔父ラルフと精神科医ブルッチャー。叔父「結婚前の娘には当たり前のことさ」ダイアナ「何かの度に咳をするのよ。狐みたい」叔父「ワシなんか3番目の妻の溜息は3月で慣れたよ」ダ「7か月で離婚したでしょ。マーサ叔母さんを大事にすべきだったわ」医者「咳など小さなことは本当の理由ではない。言い訳だ。★大きな変化を恐れて独身の気軽さを手放せない」ダイアナ「26歳はもうオールドミス?」叔父ラルフ「いくつだって?」ダ「28歳でした」医者「そろそろ覚悟を決めるべきだ」叔父「結婚すれば心も落ち着く」★ダイアナ「私が欲しいのはときめきなの」医者「ロマンスごっこは只の幻想だ。★結婚とは実生活の安定だ。友人のような夫がいい」叔父「その通り。★友人のような夫婦が最高だ」医者「優柔不断に効く薬は覚悟だ。結婚は君が決めた。前へ進め!飛び込むんだ」と、結婚式を終えたダイアナは夫ヘンリー・ベンソンとNYのホテルに宿泊するが・・・。
ダイアナが名乗った偽名は、この医者から「ドッティ・ブルッチャー」である。
昨夜飲んだ睡眠薬で朦朧として床に横たわるダイアナを、ペインが椅子を床に横に置いて、彼女を横向きに椅子に乗せて彼女が乗ったまま椅子を立てた。なるほど。
ホテルの回転ドア(2回)、エレベーター(2回)、チンパンジーも巧く使われている。ダイアナが足が寒いと言うのでペインがハイヒールを履いたままブーツを履かせた。死体が入った棺桶、シカゴで海産物を乗せた。農園でオクラホマミキサーを踊る。今や石油成金のチェロキー族のトラクターを借りる。
NY→ニューアーク空港→シカゴ市営空港→オクラホマ州タルサ近郊に不時着→カリフォルニア州・バーバンク「ペイン航空格納庫建設予定地 BURBANK on This Site PAYNE AIR will erect Modern Steel Hanger」ボロ屋である。→メキシコのエルモショ空港で所有するもう一機が炎上した。倒産の危機。
ブレットにペイン「本当に俺と一緒に辞めるのか?」ブレット「誰がお前を楽しませる?」ペイン「C-47機が売りに出てる」ブレット「カネは?」→「C-47スカイトレイン(Douglas C-47 Skytrain)2発機」
そこへ、機体に「PAYNE AIR-LINES」と書かれた飛行機来る。ブレット「おい、あのコニー見ろよ!」→「ロッキード・コンステレーション4発プロペラ機(Lockheed Constellation)」愛称コニー(Connie)である。ペイン「4発ジェット機(字幕はジェット機になっているが?)は世界で一番美しい」ダイアナ「女の下で働くのが嫌なら、あなたがすべて決めてよ。私は家庭に」→この台詞は今は? ダイアナの資産8000万ドル(1ドル360円なら=288億円!)
画面では、監督:H. P. Potter、製作・脚本:Karl Tunberg、from The Saturday Evening Post Serial by Robert Carson、撮影:Russell Metty、音楽:Daniele Amfitheatrof である。
出演は、Joan Fontaine(ダイアナ・ディルウッド/Dee Dee Dillwood)、James Stewart(マーヴィン・ペイン/ペイン貨物航空社長兼パイロット)、Eddie Albert(ブレット・ベイカー副操縦士/ペインの戦友)、Roland Young(ラルフ・Tutwiler/ダイアナの叔父)、Paul Cavanagh(ブルッチャー精神科医)、Willard Parker(ヘンリー・ベンソン/ダイアナの新婚の夫/NYの富豪の弁護士)、William Bakewell(ディック・ハバート/NYハンプシャー・ハウス・ホテルのフロント係/ペインの戦友)、Porter Hall(キャスロン氏/本名チャーマーズ40歳/NYの万年筆会社の出納係・秘書メイと共謀し5万ドルを横領)、Percy Kilbride(タルサの65km北のカラスの農場主マット・ラックネル)、Edith Evanson(ラックネルの妻/子供9人)、Mary McGuire(新婚花嫁ジョージア・グッドリッチ)、Arthur Walsh(夫ミルトン・グッドリッチ/兵士)、Mary Forbes(マーサ叔母/ラルフ叔父の元妻)ほか。