秘密諜報機関

ひみつちょうほうきかん|The Secret Ways|----

秘密諜報機関

レビューの数

3

平均評点

70.8(8人)

観たひと

13

観たいひと

2

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 アメリカ
製作年 1961
公開年月日 1961/8/18
上映時間 0分
製作会社 ヒース・プロ映画
配給 ユニヴァーサル
レイティング
カラー モノクロ/ビスタ
アスペクト比 アメリカンビスタ(1:1.85)
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

ヨーロッパを舞台とするスパイ・ドラマ。アリイスティア・カックリーンの原作小説をジーン・ヘイズルウッドが脚色。監督に当たったのは「草原の野獣」のフィル・カールソン。撮影担当はマックス・グリーン。出演しているのは「アラモ」のリチャード・ウィドマーク、「犯罪部隊999」のソニア・ツィールマン、シャルル・レニエ、ウォルター・リラ、ハワード・ヴァーノン、センタ・バーガー、ハインツ・モーク、ヨーヘン・ブロックマン、エリザベート・ノイマン・フィーテルなど。製作に当たったのはリチャード・ウィドマークとユーアン・ロイド。ヒース・プロはウィドマーク自身のプロダクションである。ほとんどヨーロッパ・ロケによって製作された。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

アメリカ人のマイケル・レイノルズ(リチャード・ウィドマーク)は、戦後ヨーロッパで活躍する産業スパイだった。競馬や女に金を使い果たした彼に自由主義陣営の国際スパイ団の首領ハーマン・シェフラーが仕事を頼みに来た。仕事はハンガリーの反共運動指導者ヤンシー教授の救出だった。シェフラーはレイノルズを新聞記者に仕立て、教授をブダペストから飛行機で脱出させる計画をたてた。連絡員に教授の娘ジュリア(ソニア・ツィーマン)を選んだ。レイノルズはウィーンに飛び、街の女エルザと知り合い、彼女を通じてジュリアの居場所を突き止めた。ジュリアは教授の部下“伯爵”と共にブダペストに向かった。2人を秘密警察A・V・Oが監視していた。ジュリアとレイノルズは教授らの秘密本部で会った。教授は同胞のために脱出を拒否した。レイノルズとジュリアはホテルに戻った。その夜、同志サケーフが重傷を負い、秘密本部が警察に知れたから教授の脱出を急げとレイノルズにいって息絶えた。が、コノカイワハテープレコーダーにとれらていた。2にんは脱出に同意した教授や仲間と自動車に分乗して出発した。テープレコーダーのために警察は待ち伏せしていて、“伯爵”を除いて逮捕されてしまった。“伯爵”は偽軍人に化け、秘密警察の長官宅に侵入、長官を脅迫して一行の釈放命令を書かせ、刑務所に向かった。イブカル大佐を承知させたが、“伯爵”の身分がわかり乱闘になった。教授らの車を大佐が追跡した。伯爵は自分を犠牲にして味方の危機を救った。大佐は車の運転手に一行が乗った飛行機と体当たりするよう命じたが失敗した。飛行機は無事離陸した。教授の救出は見事に成功した。飛行機が離陸した時、スパイ団長シェフラーが満足そうな笑顔で現れ、レイノルズたちの苦労をねぎらった。

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1961年9月下旬号

外国映画批評:秘密諜報機関

1961年9月上旬号

外国映画紹介:秘密諜報機関

2022/03/22

2022/03/22

71点

購入/VHS 
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監督フィル・カールソン

先日「ギャングを狙った男」を見たばかりのカールソンの未見作。
この監督は、「無警察地帯」というのが代表作らしいのだが、今のところ見るチャンスなし。
「秘密諜報機関」は、リチャード・ウィッドマークが自分のプロダクションで作った。
もうちょい上等な監督を用意したかったところ。
ウィッドマーク以外は、地味なヨーロッパ系の俳優を揃え、ウイーン・ロケした作品。
後半の舞台のハンガリーはロケは無理だろうが、雰囲気はとりあえず出ている。

序盤の眼を引く美女は、センタ・バーガー。(ウィーン生まれ)
「ダンディ少佐」「戦争のはらわた」のペキンパー作品や、「悪魔のようなあなた」でドロンの相手役に抜擢されたセクシー女優。
本作で、ウィーン・ロケに来たウィッドマークにスカウトされたらしいが、「旅」1958(デボラ・カー、ユル・ブリンナー)で、女給仕役としても出ている。(ノンクレジット)
私にとっては、1966年の小学6年最後の春休み(12才時)に見た「0011ナポレオン・ソロ 消された顔」1964 での彼女がすべて。
強烈に悩殺されちゃったネ。
「秘密諜報機関」撮影時に19歳だったはずだが、モノクロでも関係ない、かなりセクシー。さすが。

映画全体は、ソニア・ツィーマンという西ドイツ女優がお相手。
西ドイツでは有名ということだが、日本ではろくに公開作がない。
ロロブリジーダを地味目にしたような女優。

007登場前夜の、真摯なスパイ映画を期待したが、全体にタルい展開。
後半のサスペンス構築も、今日の眼から見ると、何てことはない。
原作は「ナバロンの要塞」などのアリステア・マクリーン。
まぁ1回は見てもいいけど・・・というレベル。
本作を見ると「寒い国から帰ったスパイ」(ジョン・ル・カレ原作)は、やっぱり秀作だったのかなぁ。

おっ、と思ったのは、音楽。
表記はジョニー・ウィリアムズ、ジョン・ウィリアムズの最初期作品のようだ。
厚味のあるオーケストレーション、東欧らしい雰囲気はモーリス・ジャールぽくもあった。
このあと「おしゃれ泥棒」とか、TV「タイムトンネル」「宇宙家族ロビンソン」も担当したとのことだ。

モノクロ・スタンダード。(オープニング・タイトルはひと回り小さいスタンダード収録)
ツタヤ・オンデマンドで1回リリースされたが絶版。
ツタヤ渋谷VHSあり。

2020/04/11

2020/04/11

70点

購入/DVD 
字幕


米ソ冷戦下のハンガリーから反体制側の指導者を救出!モノクロ画像がより一層サスペンスを盛り上げる!

主役を演じたリチャード・ウィドマークは自分の中では西部劇のイメージが強いが、こういう役もこなしていたとは正直知らなかった。共産主義体制のハンガリーから反体制派のヤンシー教授を救出する。その依頼を引き受けたレイノルズの動機が初めは金の為というのが潔く良い。物語が進むに連れ、次第に高まる緊張感。追手となるハンガリー秘密警察との攻防も見もの。シンプルだが、CGばかりに頼る最近の映画よりよっぽど面白い⁈

2012/03/22

2012/03/22

76点

レンタル 


冷戦下のハンガリーでのスパイ活動

監督は再評価の機運の高まるフィル・カールソン。オーストリアは第二次大戦後米英仏ソの4カ国による分割統治、55年に独立を果たす。東隣のハンガリーは1989年の冷戦終結まで社会主義共和国であった。国際スパイの首領からハンガリーに行って反共指導者を救出するよう頼まれた、リチャード・ウィドマークが列車で国境の駅までやってくると、厳重な検査が始まる。乗客はすべて降ろされ、座席はすべて調べるようだ。冷戦のピリピリした雰囲気がよく伝わってくる。ハンガリーの歴史的な街並みをモノクロで捉えたカメラが美しい。夜、真っ暗な中ウィドマークを追う車のヘッドライトがじわじわと迫っていく感じがよかった。秘密警察に捕まって拷問を受けたり、脱走で車を使って飛行場まで行くシーンのサスペンスも最後まで盛り上がる。