先日「ギャングを狙った男」を見たばかりのカールソンの未見作。
この監督は、「無警察地帯」というのが代表作らしいのだが、今のところ見るチャンスなし。
「秘密諜報機関」は、リチャード・ウィッドマークが自分のプロダクションで作った。
もうちょい上等な監督を用意したかったところ。
ウィッドマーク以外は、地味なヨーロッパ系の俳優を揃え、ウイーン・ロケした作品。
後半の舞台のハンガリーはロケは無理だろうが、雰囲気はとりあえず出ている。
序盤の眼を引く美女は、センタ・バーガー。(ウィーン生まれ)
「ダンディ少佐」「戦争のはらわた」のペキンパー作品や、「悪魔のようなあなた」でドロンの相手役に抜擢されたセクシー女優。
本作で、ウィーン・ロケに来たウィッドマークにスカウトされたらしいが、「旅」1958(デボラ・カー、ユル・ブリンナー)で、女給仕役としても出ている。(ノンクレジット)
私にとっては、1966年の小学6年最後の春休み(12才時)に見た「0011ナポレオン・ソロ 消された顔」1964 での彼女がすべて。
強烈に悩殺されちゃったネ。
「秘密諜報機関」撮影時に19歳だったはずだが、モノクロでも関係ない、かなりセクシー。さすが。
映画全体は、ソニア・ツィーマンという西ドイツ女優がお相手。
西ドイツでは有名ということだが、日本ではろくに公開作がない。
ロロブリジーダを地味目にしたような女優。
007登場前夜の、真摯なスパイ映画を期待したが、全体にタルい展開。
後半のサスペンス構築も、今日の眼から見ると、何てことはない。
原作は「ナバロンの要塞」などのアリステア・マクリーン。
まぁ1回は見てもいいけど・・・というレベル。
本作を見ると「寒い国から帰ったスパイ」(ジョン・ル・カレ原作)は、やっぱり秀作だったのかなぁ。
おっ、と思ったのは、音楽。
表記はジョニー・ウィリアムズ、ジョン・ウィリアムズの最初期作品のようだ。
厚味のあるオーケストレーション、東欧らしい雰囲気はモーリス・ジャールぽくもあった。
このあと「おしゃれ泥棒」とか、TV「タイムトンネル」「宇宙家族ロビンソン」も担当したとのことだ。
モノクロ・スタンダード。(オープニング・タイトルはひと回り小さいスタンダード収録)
ツタヤ・オンデマンドで1回リリースされたが絶版。
ツタヤ渋谷VHSあり。