ナショナル・シアター・ライヴ 2014 「ザ・オーディエンス」

なしょなるしあたーらいぶにせんじゅうよんざおーでぃえんす|----|NATIONAL THEATRE LIVE:THE AUDIENCE

ナショナル・シアター・ライヴ 2014 「ザ・オーディエンス」

レビューの数

2

平均評点

83.9(10人)

観たひと

19

観たいひと

5

(C)Johann+Persson

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル 歴史劇
製作国 イギリス
製作年 2011
公開年月日 2016/1/9
上映時間 158分
製作会社
配給 カルチャヴィル
レイティング PG-12
カラー カラー
アスペクト比 16:9
上映フォーマット デジタル
メディアタイプ ビデオ 他
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

イギリス演劇界の最高峰ロイヤル・ナショナル・シアターの舞台を映像化した“ナショナル・シアター・ライヴ”第3弾。「クィーン」でアカデミー賞主演女優賞を受賞したヘレン・ミレンが再びエリザベス2世に扮し、本来一般人には見る事のできない女王と国の歴代の総理大臣たちとの謁見を舞台に繰り広げるドラマ劇。エリザベス2世を描かせたら天下一のピーター・モーガンが脚本を手掛け、監督は「リトルダンサー」、「めぐり逢う時間」などの名匠スティーヴン・ダルドリー。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

イギリス女王エリザベス2世と歴代総理大臣たちが、1952年から2012年の即位60周年を祝うダイヤモンド・ジュビリーの記念式典まで、バッキンガム宮殿で繰り広げた謁見を描く。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2016年4月上旬号

UPCOMING 新作紹介:「ナショナル・シアター・ライヴ 2014 「ザ・オーディエンス」」

2016/01/11

2016/01/11

85点

映画館/東京都/Bunkamura ル・シネマ 
字幕


生きている切手

エリザベス女王が週に一度首相に謁見して報告を受ける場面を描いた舞台劇。「オーディエンス」とは、謁見の意味であるそう。

20代で即位されてから60年。その間に12人の首相と謁見を続けてこられた。劇では、 チャーチル、ウィルソンの他は、 サッチャー、 メージャー、ブレア、ブラウン、キャメロンと比較的最近の首相が登場する。

女王と歴代の首相との会話がスリリングだ。 無駄のない台詞で、風刺を込めた皮肉な笑いを誘うこともあれば、君主として特別な人生を生きなくてはならない葛藤や覚悟、 当時の世界情勢の中でのイギリスの立ち位置や、政治的な状況が語られる。

エリザベス女王が実際にはどのようなお人柄なのか存じ上げないが、この劇で描かれる女王は、威厳もありながら、機知に富み、ユーモアと人情味に溢れておられる。

舞台の上でエレガントに早着替えをして、様々な年代の女王を演じ分けたヘレン・ミレンが圧巻だ。ドレスや髪型、立ち姿が目まぐるしく変化して愉しい。

女王と政治という、興味深い題材と、ヘレン・ミレンにすっかり魅了された。

幕合いに見せてくれる衣装製作の様子も、とても 面白い。本物の女王陛下が様々な色のお洋服をお召しになられている写真が出てきて、とてもチャーミングだった。

ずっと観たいと思っていた作品。日本橋で見逃し、池袋で見逃し、渋谷で見逃し、渋谷に帰ってきた。感謝。

2014/11/01

60点

選択しない 


女王を主人公に肴にする懐深い英国の名舞台ライブ

 ロイヤル・ナショナル・シアターで上演された""The Audience""の舞台のライブ映像。原題は""National Theatre Live:The Audience""。
 イギリス国王は毎週火曜日に首相と謁見(audience)し、国政の報告を受ける。エリザベス女王も慣例に習い、チャーチル以来、12人の首相と謁見している。本作ではヴァッキンガム1階の謁見の部屋が舞台で、スコットランドの別荘でのシーンが一度入るだけ。主に女王と首相の二人劇となって、イギリスらしいブラックユーモアに溢れた喜劇となっているが、女王がチャーチル以来、ただ一人首相官邸の晩餐に出席した記憶力抜群のウィルソンと、首相辞任直前に語らう最後の場面がしみじみする。
 謁見の内容はフィクションだが、女王と首相との政治漫談には妙なリアリティがあり、首相であれ女王であれ俎板に載せて笑い飛ばす、タブーなきイギリス社会の懐の深さに改めて感心する。
 登場する首相は、チャーチルの他はメージャー、ブレア、サッチャー、ブラウン、キャメロンと観客に合わせて比較的新しい。ウィルソン役のリチャード・マッケイブが上手い。
 舞台演出は『リトル・ダンサー』のスティーヴン・ダルドリー、脚本は『ブーリン家の姉妹』『フロスト×ニクソン』等のピーター・モーガン、女王役はヘレン・ミレン。
 休憩とインタビューを入れて158分を会話だけで見せるが、結構楽しめる。ただ、イギリスの政治事情や王室事情がコントとなっているので、ある程度の知識があった方がbetter。