私の記憶違いかもしれないと断ったうえで書くが、金像奨を受賞したニックは「今後どんな映画に出たいですか」と問われ「バリー・ウォンの映画」と答えたらしい。本作でその念願が叶ったわけだが、もっともニックは「ゴッドギャンブラー」シリーズなど昔はよくバリー・ウォンの映画に出ていたのだが。
ニックは出っ歯を装着してコメディリリーフを気持ちよさげに演じていたが、あまり面白くなく自己満足にすぎないと思えた
砂漠の宿屋に胡散臭い連中が集まってくるという設定はツイ・ハーク「ドラゴンゲート」にそっくりだが、本作は(香港で)2011年6月公開で、あちらは12月なのでパロディではないだろう。
「ドラゴンゲート」は「ドラゴンイン」のリメイク的作品で、その「ドラゴンイン」にもオリジナルがあるので、私が知らないだけで香港映画には似たような映画がいくつもあるのだろう
ニコが殺害現場で実際に犯行が行われた様子を推理する場面は「捜査官X」のぱくりに思えた
バリー・ウォンの映画なので文句を言っても仕方ないが、ギャグがゆるい上に古い、古すぎて失笑しかわかない。CGがなければ(そのCGも使い方がださい)20年前の映画といっても通じるぐらい古臭い。
「ラスト・シャンハイ」は久々のシリアスもので好感度を上げたが、本作であっけなく下げた(製作年度はこっちが早いが、日本でソフト化されたのは「ラスト・シャンハイ」の後)
さんざんお寒いギャグを披露しておいて、オチは自己犠牲でしんみり〆る構成はバリー・ウォンというより香港映画界のもう一人のコメディの巨匠、ジェフ・ラウに近い
いろいろひどいが、ひとつだけ挙げれば、ラストバトル前にシャーリン・チョイが敵の手に落ちるが、人質として役に立ってない。味方側に人質に取られたデメリットもなければ、敵側も彼女を盾にするメリットなどない。人質としてほとんど忘れられている。
シャーリン・チョイは相変わらずかわいいが、いったいいつまでかわいこぶりっこ(死語)の役をやるのだろうか