バニーレークは行方不明

ばにーれーくはゆくえふめい|Bunny Lake is Missing|Bunny Lake is Missing

バニーレークは行方不明

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レビューの数

62

平均評点

73.4(218人)

観たひと

327

観たいひと

26

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル サスペンス・ミステリー / ドラマ
製作国 アメリカ
製作年 1966
公開年月日 1966/7/9
上映時間 107分
製作会社 オットー・プレミンジャー・プロ映画
配給 コロムビア
レイティング
カラー モノクロ
アスペクト比
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

イヴリン・パイパーの小説を、イギリスの夫妻チーム、ジョン・モーティマーとペネロープ・モーティマーが脚色、「危険な道」のオットー・プレミンジャーが製作・監督したミステリー・ドラマ。撮影はデニス・クープ、音楽はポール・グラスが担当した。出演は「リサの瞳のなかに」のキア・デュリア、「枢機卿」のキャロル・リンレイ、「嵐が丘」のローレンス・オリヴィエのほかに、ノエル・カワード、マーティタ・ハント、アンナ・マッセイなど。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

ロンドンの昼さがり。アメリカから来たばかりのアン(キャロル・リンレイ)は、ロンドン駐在の記者をしている兄のスティーブン(キア・デュリア)と、この日新しいアパートに入った。そしてアンは4つになる私生児の娘バニーを保育園に迎えに行ったが、バニーの姿はどこにも見えなかった。どの先生もバニーという子供など見たこともないという。アンはヒステリックになりスティーブンを呼び、スコットランド・ヤードのニューハウス警部(ローレンス・オリヴィエ)に捜索を依頼した。しかし、どこにもバニーはいなかった。アンの証言によると、料理婦に頼んで置いてきたというのだが、その料理婦の姿もみえなかった。アンが家へ戻ると、思いがけないことにバニーの服や玩具など、彼女のものがすべてなくなっていた。ニューハウスは、バニーは最初から存在していなかったのではないかとさえ考えた。その上、アンは子供の頃、バニーという空想上の女の子をつくったこともあったという。ニューハウスは船会社を訪ねたが、アンがアメリカから渡って来た日の乗客名簿に母娘の名は見当らなかった。バニーの実在を証明するために、アンはバニーの人形が修繕屋に出されている事を思い出し、深夜ひとりで出かけた。人形はあったが思いがけないことに、そこに現れたスティーブンが人形をとりあげいきなり火をつけてしまった。幼い時から、ことさら仲の良かった兄妹だったが、この時アンは兄に疑惑の目を向けた。スティーブンはアンをなぐり気絶させたうえ、精神病院に入院させてしまった。ひそかにそこを脱出したアンは、アパートに引っ越す前の住居にかけつけた。案の定、スティーブンはいた。そしてバニーは彼の車のトランクの中に隠されていた。罪の意識などないかのように、やさしくアンをいたわるスティーブン……。庭のブランコにのったアンは思いきり彼に押させた。じきに警部も来るだろう……。2人の奇妙な笑い声が、大都会の谷間にこだました。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2023/05/29

2023/08/01

80点

VOD/Amazonプライム・ビデオ/レンタル 
字幕


4歳の娘・バニーと一緒に、アメリカからロンドンにやって来たアン。バニーの姿を全く見せず、彼女が居たはずの場所にも全く痕跡がない。捜査を担当する警部と同じく、そもそもバニーは実在しているのか?と思わせる演出が絶妙に巧い。そして、それを裏付けるかのようなアンの不安定さ。が、アンが暮らすアパートの大家に、ある瞬間から豹変するアンの兄スティーヴンと、アンの周りがなかなかの曲者揃い。特に大家の下りは、そこまでの必要性を感じないものの、捜査の攪乱とミスリードのために使われた感じ。ちゃんと実在したバニーに一安心するも、終盤のスティーヴンとアンの兄妹関係が結構衝撃的。病院からの脱出劇といい、アンの苦労が尋常ではなく、本当に居た堪れない。笑い声とブランコのインパクトが強すぎて、当分は忘れらないかも。

2023/07/05

2023/07/06

70点

レンタル/東京都/TSUTAYA 
字幕


「驚天動地」「鬼面人を嚇す」とは、このことなり

アメリカから英国ロンドンに来たばかりのアン(キャロル・リンレー)。
その日、新居のアパートに入居し、一息ついた昼下がり、保育園に預けた4歳の娘バニーを迎えに行ったところ、娘の姿がない。
調理担当の女性や保育士に訊くが、誰ひとりバニーのことなど知らないという。
ロンドン駐在記者の兄スティーブン(ケア・デュリア)に連絡をとり、するうち、スコットランド・ヤードのニューハウス警部(ローレンス・オリヴィエ)らが捜索をはじめるが、ヒステリックになったアンの言動に違和感を感じたニューハウス警部は、「はじめから娘などいないのではないか。アンのイマジナリーフレンド、イマジナリードーターなのではないか」との疑惑を抱き始める・・・

といった内容で、アンの妄想か?と思わせながら進んでいきますが、そこはそこ。
警部を演じているのがローレンス・オリヴィエなので、そんな偏見に基づく一方向からの捜査にならず、「やはり娘はいるはず・・・」と両面捜査をしていくあたりが脚本としてよくできています。

消えた娘を必死で探す母親の映画は、2000年代に入って、『フォーガットン』(2004)や『フライトプラン』(2005)と作られていますが、驚天動地の前者を上回る着地点。
双葉十三郎「ぼくの採点表」では、「映画をよく見ている観客は、途中で真相に気づくだろうが・・・」と書かれていて、これにもビックリ。
本作の着地点、まったく予想していませんでした。

で、その着地点なのだけれど、妄想癖などの異常性を備えた意外な人物が主犯格で・・・
と、ネタバレはここまでにするが、後半15分ほどの演出は、それまでの演出と打って変わって、鬼面人を嚇す的な、ちょっと異常性を帯びた感じで、それが恐ろしい。
特に、ブランコのシーンのカメラワークと編集は、かなり異常な雰囲気です。

監督のオットー・プレミンジャーは、『黄金の腕』『悲しみよこんにちは』『或る殺人』『ポギーとベス』『栄光への脱出』『野望の系列』など50~60年代に活躍した最近ではあまり顧みられることが少ない。
これを機会に、少し回顧鑑賞してみようかしらん。

ソール・バスのタイトルデザインも秀逸です。

2022/06/21

2022/06/21

70点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 


兄は精神異常者か?

保育園に預けたはずの娘がいなくなり、園の創立者やニューハウス警部(ローレンス・オリヴィエ)、兄などが徹底して調べるが行方が分からない。終いには娘の存在自体が疑われる始末である。しかし保育園の無責任な体質とか兄がとても親身に協力するので、ついそっちに引き込まれ、だまされてしまったが、兄の言動には奇妙なところが見られた。
ローレンス・オリヴィエの演技もうまいものだが、園の創設者の老婦人(俳優の名前は分からない)もなかなかのものだった。ラスト間際でアン(キャロル・リンレイ)が兄のスティーブン(キア・デュリア)と遊びだすシーンは印象に残る。

2021/08/12

95点

レンタル/新潟県/TSUTAYA/蔦屋 白根店/DVD 
字幕


【想い出のバーニー】

空間移動/部屋間移動映画。

建物から建物へ、部屋から部屋へ、また幾度も〃も階段を上下し、時に見上げ 時に見下ろし、窓硝子越しに覗き込み、門扉-扉を開け、或いは閉め、といった[建造物内空間に於ける人物“動作”の強調]が、そのまま[人物心理の迷妄/右往左往]を(抽象に与さずとも)表象していて見事だ。


唯でさえ手狭な保育園に 園児と保護者が群がり、より狭小極まる中 主人公女性アン(リンレー)が不安な面持ちで階段を上り(遡り)幾つもの扉(封印)を開いてゆく。この時点で既に保育園は“迷路的異空”を思わせる。

中盤、陽が傾き 影が延びるにつれ不穏な空気はより高まってゆくが、
ある人物を捉えた屋内ショットで、対象人物を敢えてフレーム右端に置き その人物から延びる影をフレーム中央で捉えている事に注目したい。
そうした物語読解端緒の巧妙且つ丁寧な配慮配置に唸らされる。それは浴室会話場面に於ける「逆を向く反転鏡像」の映り込みにも言えよう。


終盤、夜の闇が一層深まると作品はより“迷宮度”を増す(傀儡院/病院)。

そして最終盤、「邸宅窓越しに中を覗き込むアン」に、冒頭近辺の「保育園一室に置かれた“小さいお家”を覗き込むアン」が〈反復〉されている事に激しく戦慄すると共に、いつしか この映画が 現実/実際上の出来事を見せているのではなく、過去-記憶-精神を可視化した〈観念的世界〉に突入している事を、唖然と共に諒解するのである。


前方に[逝った]座板が[揺動]に依って後方に[帰還]する -〈往還反復遊具 - ブランコ〉とは、物語上の往還去来を示唆し、人物心理揺動の顕現であり、そして『封印した過去を現在に引き戻し 記憶と記録の相剋の中で 精神と実存の狭間彷徨う振り子』であるのだ。




《DVD観賞》

2021/05/23

2021/07/05

70点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 
字幕


オリヴィエもつまみ食いするのだ。

久しぶりの60年代の映画。タイトルバックはソール・バスの作で、男の手が黒い紙を破って、白地に
黒字のスタッフ・キャストが紹介される。モノクロームで印象的なスタート。アメリカ映画ではあるが、
ロンドンを舞台にしてローレンス・オリヴィエが警視役を務めればイギリス映画の雰囲気もある。

まずはNYからロンドンへ。シングルマザーのアン・レイク(キャロル・リンレー)が一人娘のバニーを
連れて、兄のスティーブン(ケア・デュリア)を頼りにロンドンの家に引っ越し。アンはバニーを保育園の
待機部屋に入れて、給食係に後を頼み、引っ越し先のアパートへ。いかにも引っ越しというバタバタで、
バニーの姿を写さない。ここが演出上のミソとなる。
アンが園に戻ってくると娘の失踪という大事件に発展。

しかし園のスタッフはアンもバニーも馴染みがないだけに、どことなく冷淡。余計アンの逆上ぶりが
浮き上がる。そこへ兄にスティーブンが登場、雑誌記者の上から目線で園の管理体制の甘さをつく。
園の創設者という老嬢やアンのアパートの隣人の老人など、なんとも怪しげな人物も登場し、事態は
迷宮的な難事件となっていく。ここまでウッカリ観ていると、バニーの姿を見ていないことに気づくのに
遅れる。ここから面白くなるのだ。美人で健気なアンに狂言芝居の疑いがかかる。
ここで頼もしいニューハウス警部(ローレンス・オリヴィエ)が部下と警察犬の一隊を引き連れて乗り込む。
ていねいな捜査だが、あったはずのバニーの持ち物まで消えて、早期解決は遠のく。
映画は意外な展開になっていく。

個人的には「2001年」「2010年」でボーマン船長を演じたケア・デュリアの好演が印象に残った。
ところが原作小説にない映画オリジナルの役で、バニーの姿を消す謎だけを生かした、まったく別もの
のミステリだった。これだけ原作と脚本が違うのはめずらしい。こちらもミステリ。

2021/06/05

2021/06/07

78点

テレビ 
字幕


引き込まれる

刑事コロンボとヒッチコックを足したような映画
特に残酷なシーンもないのに結構気持ち悪いが、
最後までどんどん見てしまう