秋刀魚の味 デジタルリマスター

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秋刀魚の味 デジタルリマスター

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レビューの数

61

平均評点

81.1(303人)

観たひと

405

観たいひと

31

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 日本
製作年 1962
公開年月日 2013/12/21
上映時間 113分
製作会社 松竹大船
配給 松竹
レイティング 一般映画
カラー カラー/スタンダード
アスペクト比 スタンダード(1:1.37)
上映フォーマット デジタル
メディアタイプ ビデオ 他
音声 モノラル

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

監督小津安二郎 
脚本野田高梧 
小津安二郎 
製作山内静夫 
撮影厚田雄春 
美術浜田辰雄 
音楽斎藤高順 
録音妹尾芳三郎 
照明石渡健蔵 
編集浜村義康 
スチール小尾健彦 
デジタル修復監修川又昂 

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演笠智衆 平山周平
岩下志麻 平山路子
三上真一郎 平山和夫
佐田啓二 平山幸一
岡田茉莉子 平山秋子
中村伸郎 河合秀三
三宅邦子 河合のぶ子
北龍二 堀江晋
環三千世 堀江晋
東野英治郎 佐久間清太郎
杉村春子 佐久間伴子
吉田輝雄 三浦豊
加東大介 坂本芳太郎
岸田今日子 「かおる」のマダム
高橋とよ 「若松」の女将
菅原通済 菅井
織田政雄 渡辺
浅茅しのぶ 佐々木洋子
牧紀子 田口房子
須賀不二男 酔客A

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

妻に先立たれた夫、娘を嫁に出す父親という小津安二郎監督が生涯を通し描いてきたテーマを、岩下志麻、笠智衆、佐田啓ニ、岡田茉莉子らの共演で綴った名作ドラマ。脚本は「小早川家の秋」のコンビ、野田高梧と小津安二郎が共同で執筆。撮影は「愛染かつら(1962)」の厚田雄春。小津作品の撮影チーフ助手を務めた川又昂監修による、4Kスキャニングによる最新のデジタル修復を実施したHDマスター。2013年11月23日より、東京・神田 神保町シアターにて開催された「生誕110年・没後50年記念 映画監督 小津安二郎」にて上映。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

長男の幸一夫婦は共稼ぎながら団地に住んで無事に暮しているし、家には娘の路子と次男の和夫がいて、今のところ平山にはこれという不平も不満もない。細君と死別して以来、今が一番幸せな時だといえるかもしれない。わけても中学時代から仲のよかった河合や堀江と時折呑む酒の味は文字どおりに天の美禄だった。その席でも二十四になる路子を嫁にやれと急がされるが、平山としてはまだ手放す気になれなかった。中学時代のヒョータンこと佐久間老先生を迎えてのクラス会の席上、話は老先生の娘伴子のことに移っていったが、昔は可愛かったその人が早く母親を亡くしたために今以って独身で、先生の面倒を見ながら場末の中華ソバ屋をやっているという。平山はその店に行ってみたがまさか路子が伴子のようになろうとは思えなかったし、それよりも偶然連れていかれた酒場“かおる”のマダムが亡妻に似ていたことの方が心をひかれるのだった。馴染の小料理屋へ老先生を誘って呑んだ夜、先生の述懐を聞かされて帰った平山は路子に結婚の話を切り出した。路子は父が真剣だとわかると、妙に腹が立ってきた。今日まで放っといて急に言いだすなんて勝手すぎる--。しかし和夫の話だと路子は幸一の後輩の三浦を好きらしい。平山の相談を受けた幸一がそれとなく探ってみると、三浦はつい先頃婚約したばかりだという。口では強がりを言っていても、路子の心がどんなにみじめなものかは平山にも幸一にもよくわかった。秋も深まった日、路子は河合の細君がすすめる相手のところへ静かに嫁いでいった。やっとの思いで重荷をおろしはしたものの平山の心は何か寂しかった。酒も口に苦く路子のいない家はどこかにポッカリ穴があいたように虚しかった。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2014年3月下旬号

日本映画時評:第301回 展覧会「小津安二郎の図象学」に刺激されて

2025/12/12

2025/12/13

85点

映画館/東京都/Stranger 


若き日の岩下志麻さんが観たかった

介護支援専門員を生業にしているが、私がケアプランを立ててる人が、岩下志麻さんと高校じぶんに同級生だった話をするので(「志麻ちゃんはとても綺麗だった」と)観てみたい作品だった。岩下志麻さんは、私が物心ついた時には、若くなくて、イメージが持てなかったこともある。顔が小さくて、可愛くて綺麗な人だった◎

2025/12/03

2025/12/03

74点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 


小津はあの戦争の反省無き人も描く

妻に先立たれた笠智衆は娘を嫁に出した寂しさをかみしめる。
彼は、戦争では駆逐艦長を務めた海軍軍人でもあった。ある日、偶然にかつての部下加藤大介と再会し、トリスバーに案内され痛飲する。加藤大介はバーで軍艦マーチをかけさせ「あの戦争に勝てたら我々は今頃ニューヨークですよ。青い目の女が三味線ひいてますよ。ざまみろってんだ」などと気勢を上げる。
それを聞いていた笠智衆は「あの戦争は負けて良かったんじゃないか」と穏やかに応えるのだった。
おそらく、当時も戦争を懐かしがる日本人はいた。成瀬も『浮雲』で描いている。そのような日本人に、小津は「あの戦争は負けて良かった」と静かに語るのだ。

2025/11/21

2025/11/21

100点

購入/ブルーレイ 


小津安二郎監督の傑作「ニューデジタルリマスター版」

本作初見は1980年5月5日の銀座・並木座、その後何度も観ているが、本日観たのは「ニューデジタルリマスター版Blu-ray」で、映像の綺麗さはハンパないレベルのクリアさ。
内容も笑いあり、感動の涙流す場面あり……の小津安二郎監督作の中でも『東京物語』と並ぶ傑作。
(※)ただ、初見の学生時代は「映画館に来て何故こんなに日常風景を見せられなければならないのか?」と思ったものだが、年齢を経て再見したところ「こんなに家族関係や友人関係などの機微に触れられる映画は滅多に無い。大傑作ではないか!」と映画を観直して、映画の内容も見直した作品。若輩の自分には分からなかった世界がココにある。

この「ニューデジタルリマスター版」は、現存35mmオリジナルネガフィルムの4Kスキャニング[4K=4096×3112ピクセル]を経て、デジタル技術を駆使して丁寧なリマスター修復作業=【松竹と東京国立近代美術館フィルムセンターの共同事業】によるもの。カンヌ映画祭で初披露=ワールドプレミア上映され、大きな反響を受けた映画。

本作は、「妻に先立たれた夫」・「一人娘を嫁に出す父親」という小津安二郎監督が生涯を通して描いてきたテーマを、笠智衆・岩下志麻などなど多数の名優が出演して作り上げたもの。


赤と白の煙突が立つ工場の風景に続いて、会社勤務の“平山”(笠智衆)の部屋に、旧友の河合(中村伸郎)が「横浜まで来たから寄った」と言って訪ねてくる。河合は大洋ホエールズの野球観戦を夜予定していた。しかし、平山から「堀江(北龍二)が同窓会の件で、今晩、三人で飲もうと言って来たぞ」と言われた河合は「俺は、夜は野球観るからダメだ」と言う。すると平山は「野球なんかいつでも見れるじゃないか。三人で飲もう」と言うのだが、河合は固辞。
こうしたヤリトリを描いた直後に、その「夜の野球テレビ放映」の場面を飲み屋で知らない男達が見ているシーンが映る。更に、その直後、飲み屋の個室で平山と堀江と河合の三人が飲んでいる姿が映る。
……これらのシークエンスが実に絶妙すぎる展開で、観ているコチラは、どうしても微笑んでしまう。中村伸郎演じる河合が「野球観戦よりも友情を選んだこと」が微笑ましくもあり、人間関係を大切にする旧友たちの姿が心温まる。

三人の話題は「ひょうたん(=昔の学校の先生)を招いてのクラス会」であるが、河合は「俺は、ひょうたんは嫌いだ!アイツが来るなら同窓会には出席しない」と言うが、先のシークエンスから「河合は、そんなこと言っても同窓会出席するんだろうな…」と思ってしまう。
また、堀江が娘ぐらいの若い奥さんをもらった事も話題となり、「あの方の薬”も飲んでるのか?」という質問に堀江は「そんな薬飲まなくても大丈夫」と答える。すると今度は、(他の小津作品と同様)店の女性(高橋とよ)に「あんたのとこの旦那は“あの方の薬”は飲んでるのかい?」と尋ねる(笑)
……コレ、小津安二郎監督作ではパターン化していて、ホント楽しい(笑)

そして、「ひょうたんの同窓会」で昔の先生を演じるのは東野英治郎、風体冴えない老人を演じていて、彼の仕事は「チャンソバ屋(映画セリフ通り)」…この時代は「支那ソバ屋」で、娘は父親の世話をしていて嫁ぎ損ねた中年女性が一人いて杉村春子が演じている。

またまた三人と高橋とよの場面が出て来るが、最初は「平山と河合の二人」しか居ないので店員(高橋とよ)が「堀江さん、遅いですね…」と言うと、河合が「あぁ、堀江は死んだよ。今日は彼の通夜・告別式の相談をするんだ。そうだよな、平山」、平山は「そうなんだ。堀江は死んだよ」と言う。おかみさんは「えぇ~、ほんとですか?」と尋ねると……そのあとがホント楽しい(笑)

平山は自宅で娘=路子(岩下志麻)と息子=和夫(三上真一郎)と住んでいるが、家事はすべて路子がしている。そのため路子は「私が居なくなったら、この家はどうなるの?だから結婚はしない」と言っている。その言葉に甘えていた平山だが、旧友2人から「そんなのダメダメ、娘がお婆ちゃんになっちゃうぞ」と何度も言われて、平山も娘の結婚を考え始める。


平山の息子=幸一(佐田啓二)と妻=秋子(岡田茉莉子)が住んでいるのは「石川台」(…最寄り駅の看板より)の一室だが、この夫婦、冷蔵庫を買う話をしたかと思えば、夫がゴルフクラブを買おうとするのにダメ出しする妻。
岡田茉莉子が佐田啓二に物事をポンポン言うのが見事!
……平山家で、岩下志麻が家の中で、いろいろとポンポン言うのに似ている。楽しい。

平山の会社での姿も「実に人間らしい」。
秘書が結婚のため退職する……と挨拶に来れば、平山は「あとで、もう一回、ここに来なさい」と言う。そして「結婚祝いのお金を渡す準備」をする気持ちの温かさ。
この退職する秘書を演じたのは、牧紀子という女優だが、清楚な感じで綺麗。

本作について書き始めると止まらなくなるが、アチコチの記載で「その後どうなったの?」は出来る限り、記載しないようにした。

また、本作に出演している俳優は、上記以外にも三宅邦子・吉田輝雄・加東大介・岸田今日子など多数。

本作は、「観るタイミング=鑑賞時の年齢」や「個人的なツボの違い」などにより面白くないと思われる方もいらっしゃると思うが、自分は「大傑作だと思う者」になっている。

なお、このBlu-rayには【特典映像】として「特報」&「予告編」が収録されているが、小津安二郎監督が本作を演出している姿がカラー映像で収録されているほか、映画で使われなかったシーンも見られる。

<映倫No.12948>

2025/01/25

2025/01/26

77点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 


世相

1962年の上流の方々の暮らしぶりがわかって面白い。戦争の影もまだあるし、高度成長の萌芽もみられますね。

2024/10/08

2024/10/08

85点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 

備忘メモ:
劇中に一度も秋刀魚が出てこないが、何故このタイトルなんだろう?秋刀魚と言えば、秋が旬なので、「人生の秋を味わう作品」と理解すれば良いか、、、英題は An Autumn Afternoonとのこと、こちらの方がストレートに伝わる。
「東京物語」も同じ様なテーマですが、当作品の方は登場人物に膨らみが出ている。
周平(笠智衆が演じる)の旧友の二人(河合、堀江)との会話シーンがホッとさせる。人生の秋に直面する年齢となり、娘を嫁に出して孤独を意識せざると得なくなる時、この旧友達の存在は大きい。仕事を定年退職、家庭も妻に先立たれ娘が嫁いだ後、そんな男の癒しは旧友なのかも。この3人の現状が違うのも、それぞれの発言の差につながり、面白い(河合は妻が健在、堀江は後妻が若妻)。彼らとの交流が、人生の岐路に対する覚悟を意識させることにもなる。
それと対照的な存在として、ヒョータン先生(東野英治郎が演じる)と娘(杉村春子が演じる)がいる。父の面倒を診てもらう為、結婚出来なかった娘。父娘そうほうに後悔が残る。あぁはなりたくない、そんな気持ちが周平に覚悟を決めさせるんだ。
その周辺として、バーのマダム(岸田今日子)を配置したのも良い。ちょっとした、一人だけの逃げ場なんだろう。妻に似ている、と自分に理由つけて。岸田今日子って、色っぽい。当作品内で唯一の色っぽさだ。バーの看板が掛け並んでいる夜の街のシーンがあるが、一つ一つ洒落ていて、キレイだった。あぁいう飲み屋街を探してみたい、と思ったくらいだ。「軍艦マーチ」をシットリ調で流していたシーンがあるが、あれも良かったなぁ。
そして、周平の家族。娘役の岩下志麻、気丈で快活そうで、実は、心のうちをさらけ出せない感じが良い出てた。それにしても、真正面からの人物ショットと台詞をハッキリ喋る話し方にリアルな感情を乗せるのって、難しいと思う。三浦への思いが叶わないと知ったシーンは100回撮りなおしたとか、、、
逆の性格が、岡田茉莉子演じる秋子。夫の佐田啓二演じる幸一に言いたい放題な現代風な妻。それにしても、当作品は凄い女優のオンパレードだ。

2024/01/08

2024/01/09

95点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 


東野英治郎と杉村春子が絶品で人生の悲哀を滲ませる

何気ない日常の描写の繰り返しが比類のない味わいを生み出す小津の魔法にまたしてもどっぷりと浸かり至福の時を過ごした。手酌で気安く冗談を言い合う初老の3人組が相変わらず楽しくトリスバーでの軍艦マーチや海軍式の敬礼にも笑ったが、滑稽だが侘しさが滲み出るラーメン屋の元教師を演じる東野英治郎と隣で酔いつぶれた彼を見つめてむせび泣く娘役の杉村春子が絶品で人生の悲哀を滲ませる2人の演技と存在感が突出していて素晴らしい。若々しく初々しさが残る岩下志麻が美しいが、多彩な登場人物で賑やかなだけに帰宅して一人自宅で佇む父親の寂しさがより強調されて感情を揺さぶる。