いわゆる文芸作品の匂いを感じる。ローマの美しい町並みの中で、ロマンティック・
コメディが進行する。
30代のメテオは友人と筆跡鑑定の新ビジネスを立ち上げたばかり。
父親から腹違いの妹の面倒を依頼され、17歳のベリンダと共同生活が始まる。
メテオは母と自分を置き去りにして、新しい女に走りベリンダをもうけた父親に
屈折した思いがある。
おそらく原作小説では主人公の心理が詳細に語られるのだろう。
映像作家の腕の見せ所だが、どうもうまく伝わっていない。メテオはローマの夜の
伝説の美女ベアトリーチェを口説いたりするが、心のさざ波は解消しない。
メテオとベリンダの関係はいったいなんなのだろう…。
映画は後半に至り、ドラマが動きユーモアあふれる結末に達する。