ホームズへの嫌がらせのためだけのモリアーティの怪事件
原題は""The Woman in Green""で緑の服を着た女の意。ベイジル・ラスボーンはシャーロック・ホームズ役で人気となったトーキー初期のイギリス人俳優。ワーナー・ブラザース製作の14本の映画シリーズの第11話。ワトソン役はナイジェル・ブルース。日本未公開。
オリジナル脚本で、4人の女性の連続殺人事件が発生。人差し指の先が切り落とされているというのが共通点で、ホームズにも謎がわからないが、モリアーティが登場してからは二人の対決に終始して、人差し指の謎は最後まで明らかにされない。
父親が人差し指を庭に植えたと美少女がホームズに知らせて事件解明に進むものの、連続殺人事件そのものはモリアーティが切り裂きジャックを模倣して、挑発のためにホームズへの嫌がらせをしているだけで、動機がない。
モリアーティが手下に使うのは、催眠術を使ってナンパした男に女を襲わせる美女(緑の服の女?)で、標的が女からホームズに変わったあとに、ホームズ自ら女の催眠術にかかった振りをしてモリアーティを滝ならぬ、ビルの屋上から落下させておしまいという、支離滅裂なシナリオ。
美女役のヒラリー・ブルックは、第6話「シャーロック・ホームズ危機一髪」に続いての再登場。エンディング後の戦時国債募集の広告復活。