光に叛く者

ひかりにそむくもの|The Climinal Code|----

光に叛く者

レビューの数

6

平均評点

70.4(18人)

観たひと

31

観たいひと

3

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 アメリカ
製作年 1931
公開年月日 未公開
上映時間 0分
製作会社 コロンビア映画
配給 パラマウント支社
レイティング
カラー
アスペクト比
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

マーティン・フレーヴィン作の舞台劇を映画化したもので、「暁の偵察」の監督者はワード・ホークスが監督に当たっている。脚色は同じく「暁の偵察」のシートン・I・ミラーとフレッド・ニプロ・ジュニアとが共同担任し、カメラは「乗合馬車」のテディー・テヅラスと「赤熱の抱擁」のジェームズ・ウォン・ホウが受持っている。主演者は「戦争と貞操」「都会の世紀末」のウォルター・ヒューストンと「アメリカの悲劇」「女学生の日記」のフィリップス・ホームで、映画初出演のコンスタンス・カミングス、「恋愛放送局」のメアリー・ドーラン、「蝙蝠は囁く」のデウィット・ジェニングス、ポリス・カーロフ、アーサー・ホイト、エセル・ウェールスス、ジョン・シーハン等が助演している。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

都の生活に馴れない20才の青年ロバート・グレアムは孤燭の寂寥が耐えがたく思われた。それで彼は一人の娘を誘ってカフェエに行き、踊り且つ飲んだ。その娘がある青年にひどく侮辱されたのを憤慨したロバートはその青年を殴り倒した。打ちどころが悪く相手は即死した。死んだ男は市の有力者の息子だった。地方検事ブレーディはロバートに同情したが法を曲げることは出来ず、ロバートは懲役10年に処せられた。それから6年後彼は苦役と不健康な監房生活に憔悴してしまった。検事をやめて丁度この刑務所の典獄になったブレーディはロバートの成績優秀なので、苦役の代わりに自動車運転手にしてやった。ロバートはやがてブレーディの娘メアリーに恋をするようになったが、現在の境遇を思えば打ち明ける勇気は勿論なかった。しかし二人の心と心はいつしか溶け合った、ロバートは近く減期釈放されることになっていたし彼は未来に輝かしい希望を持つようになった。当時囚人達は脱獄の陰謀を企んでいて、その計画が裏切者の為に発覚してしまった。囚人の間には掟があった。裏切者は死の制裁を与えられた。それを目撃したのがロバートだった。彼は犯人の名を言えと監手達に責められ、典獄に口説かれた。しかしロバートは囚人の掟を守った。そのために彼は土牢に入れられた。その時囚人は暴動を起こした。その騒ぎの中で裏切者を殺した下手人は瀕死の重傷を受け、臨終に自白した。ロバートは自由の身となった。そして父の典獄も何んなに満足したことか。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2023/01/14

2023/01/15

90点

購入 
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刑務所もの社会派の傑作

2023年1月14日に鑑賞。DVDにて。1時間36分19秒。スタンダード・黒白。HOWARD HAWKS PRODUCTION=コロンビア映画。

ウォルター・ヒューストンが素晴らしい。ハードボイルドです。

原作戯曲があるので脚本も素晴らしい。

2022/07/16

70点

VOD/Amazonプライム・ビデオ 
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牢獄もの

ネタバレ

今では似たようなものをたくさん見ているので
何と言うことはないが
話に過不足なく観るものを引っ張るのは監督の腕
原題は「刑法典」くらいか「光に叛く者」は大げさすぎる
なお、密告者を殺す役はどこかで見たと思ったがフランケンシュタインのボリスカーロフ

2020/05/19

2020/05/19

80点

レンタル 
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刑務所内での殺人

刑務所内での殺人事件などを描いたハワード・ホークス監督作品。
ハワード・ホークスの初期の映画で、刑務所の中が描かれるが、囚人どうしがナイフなど受け渡ししたり、刑務所の所長の娘も刑務所内で囚人と恋するなど、「刑務所の中なのに、ずいぶんとオープンな環境なんだなぁ~」などと思ってしまう風景が見られた(笑)
特に、刑務所長が囚人にヒゲをそらせている場面では、「私が投獄した男はノドを掻き切ったからだ…」と言いながら、囚人のカミソリが所長の喉の近くにあるので、ドキッ!とする(笑)

青年ロバートはある娘を誘ってカフェに行って踊ったり飲んだりしていたが、その娘が他の青年に侮辱されたのに憤ったロバートはその青年を殴ってしまった。打ちどころ悪くて相手青年は死亡。殺人罪で刑務所へ。
ロバートは刑務所生活に疲弊していたが、この刑務所の所長(ウォルター・ヒューストン…あのジョン・ヒューストン監督の実の父親)は彼を苦役から刑務所自動車の運転手に抜擢した。所長の娘を車に乗せたりもする。ロバートは密かに所長の娘に好意を持つが、囚人の立場で言えない。彼女もそれに気付いている。
そんな時、脱走を企てた囚人たちがいたのだが、そのうち1人が密告して2人の囚人は射殺されたり連れ戻されたりした。そして、刑務所の囚人全員から密告者は恨まれることになる。全員で殺そうとする雰囲気が怖い…。
そして、とうとう密告者を殺害する時が来て、所長室にいた密告者は囚人(ボリス・カーロフ)によって殺された。そこにいたロバートは殺人犯を知っているが、密告者となりたくないので言えない。しかし、仮釈放目前のロバートだが、真犯人を言わない限り自分が殺人犯とされてしまう。
この「仮釈放(自由)」と「更なる殺人罪での重刑(拘束)」のどちらを選ぶかで葛藤するロバート青年のとった行動とは……。

この映画の大半が刑務所内での出来事であり、限られた空間であるにも拘らず、そうした閉塞感をあまり感じさせず、わりと大らかな雰囲気で撮り上げたハワード・ホークスの手腕は見事だと思う。

2017/01/09

2017/01/31

80点

映画館/東京都/シネマヴェーラ渋谷 
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刑務所映画にハズレなし

ネタバレ

シネマヴェーラ渋谷のハワード・ホークス特集、「暁の偵察」に続くトーキー第2作「光に叛く者」を観るのは初めてですが、この直後に作られた「暗黒街の顔役」とともにホークスが活劇監督として最初に評価された映画だと言われているだけに、刑務所を舞台に、所内で起きた殺人事件の犯人を挙げたい所長ウォルター・ヒューストンと、男たちの掟を守ろうとするフィリップス・ホームズの葛藤が、迫力満点の映画でした。
冒頭、警察署の中で警察官たちが他愛ない世間話に興じる様子をキャメラが横移動で捉えると、事件発生と出動命令を知らせるサイレンが鳴り、警察官が出てゆき、ある酒場で起きた殺人事件へと観客を導きます。捕まったのはフィリップス・ホームズ扮する青年で、連れの女性メアリー・ドーランにちょっかいを出されたので、それを振り払おうとしたら、打ち所が悪くて相手が死んでしまったという事件です。
裁判を担当する地方検事ウォルター・ヒューストンは、自分がフィリップス・ホームズの弁護士だったら、確実に無罪を勝ち取ってみせる事件だと言い放ちますが、ヒューストンは弁護士ではなく、逆の立場の検事なのであり、裁判ではしっかりと有罪に持ち込み、ホームズを刑務所に送り込みます。
こうしてフィリップス・ホームズは刑務所で懲役刑に服するのですが、製糸工場勤務に就いた彼は工場の空気が合わず、健康を著しく害した上、精神的にも追い詰められ、同房の老人オットー・ホフマンの誘いに乗って脱獄を謀ろうとすらしますが、ホームズの準備が整わないうちにホフマンは脱獄を実行に移したものの、一緒に脱獄する筈だった男の“チクリ”によって脱獄は失敗に終わり、ホフマンは射殺されてしまいます。
同房にはもう一人、ボリス・カーロフ扮するヴェテラン囚人がいて、彼はオットー・ホフマンの脱獄を当局にチクった男への復讐を誓うとともに、これまでの監獄生活で何かと自分を痛め付けてきた看守長ドゥウィット・ジェニングズにいつか必ず仕返しをすると誓ってもいます。
そんな刑務所に、新たに所長として赴任してきたのが、元地方検事のウォルター・ヒューストンです。娘コンスタンス・カミングズと老嬢エセル・ウェイルズを連れて赴任した新所長ヒューストンは、自分が検事として送り込んだ青年フィリップス・ホームズが肉体的にも精神的にも健康を害していることを知り、製糸工場の勤務から外して、所長としての自分の身の回りの世話をするよう命じ、するとホームズは見る見るうちに健康を取り戻し、快活な青年に戻って、娘コンスタンス・カミングズとも微笑ましいような会話を交わすようになります。
そんな頃、オットー・ホフマンの脱獄を当局にチクったのがクラーク・マーシャルであることが発覚し、囚人のほぼ全員がマーシャルに刑務所の掟、つまり仲間を売る奴には死の制裁を、という掟を守るべく、マーシャルに制裁を加えるチャンスを窺っています。マーシャルのほうも自らの命の危険を感じ、刑務所当局に自分の身を守ってもらうべく、看守長ドゥウィット・ジェニングズらの庇護を求めていますが、ある日、所長ウォルター・ヒューストンが連れてきた老嬢エセル・ウェイルズの世話役になったボリス・カーロフが、ウェイルズが居眠りをしている隙に彼女の部屋を抜け出し、所長室に身を潜めていたクラーク・マーシャルに接近して、マーシャルを刺し殺すことに成功するのですが、ちょうど所長の娘コンスタンス・カミングズに頼まれた買い物をしていたフィリップス・ホームズが、ボリス・カーロフによるクラーク・マーシャル殺害の現場を目撃してしまいます。
所長ウォルター・ヒューストンは、こともあろうに自分の部屋である所長室でクラーク・マーシャルが殺されるという事件が発生したことを重く見て、犯人探しに躍起となり、現場を目撃したフィリップス・ホームズに犯人は誰なのかを強く問い詰めます。犯人の名前を言わなければ製糸工場勤務に戻すとか、近日中に実施予定だった仮釈放を無効にするとか、ヒューストンはホームズに脅しを掛けますが、仲間を売ることは決して許されないという刑務所の掟に忠実であろうとするホームズは、決して口を割らず、地下の独房に送られます。
その直後、自分の名前を明かさずに独房入りとなったフィリップス・ホームズを助けてやりたいというボリス・カーロフは、囚人たちを煽って暴動を起こし、それを鎮圧しようとする看守長ドゥウィット・ジェニングズと対決する機会を設けて、念願だったジェニングズへの復讐を果たし、その際に自らも致命傷を負ったカーロフは、クラーク・マーシャル殺しの真犯人は自分だと告白し、フィリップス・ホームズを独房から解放してやり、ホームズは晴れて予定通りの仮釈放を勝ち取り、お互いに好意を抱き合っていた所長の娘コンスタンス・カミングズと将来を誓い合うという、ホークス的ハッピーエンド。
わたくしは個人的に“刑務所映画にハズレなし”という法則を信じているのですが、この映画もその法則の正しさを証明してくれる映画でした。

2017/01/12

2017/01/15

86点

映画館/東京都/シネマヴェーラ渋谷 


ホークスの刑務所もの

フィルムセンターの「ハワード・ホークス映画祭」で上映できなかった作品。刑務所を舞台にした戯曲の映画化。鬼看守殺害を目撃したロバート。犯人を言えば出所できるのだが、密告者にはなりたくない。そんな若者を温かく見守る所長。鬼看守を殺害するボリス・カーロフの存在感が素晴らしい。

2017/01/09

2017/01/09

70点

映画館/東京都/シネマヴェーラ渋谷 
字幕


人それぞれに掟あり

元検事で刑務所長の娘が、家事を手伝いに来た囚人の青年を愛するようになるという設定のドラマで、更に父親もさほど反対もせず、それを容認するという展開に驚かされる。
青年の過剰防衛的な殺人が罪状であったとはいえ、積極的に無罪を主張する訳でもなく、アメリカ人らしくないあまりポジティブとは言えない役どころの青年を主役にしている事は、勇壮な作品のイメージが強く、かといってラブストーリーも決して不得手ではない、ハワード・ホークス監督としては異質の感じがする。