絶対音感もピアノで音を確かめないと譜面が起こせない
原題は""Dressed to Kill""で邦題の意。ベイジル・ラスボーンはシャーロック・ホームズ役で人気となったトーキー初期のイギリス人俳優。ワーナー・ブラザース製作の14本の映画シリーズの第14話。ワトソン役はナイジェル・ブルース。日本未公開。
ベイジル・ラスボーン版シャーロック・ホームズの最終作で、『踊る人形』とよく似た暗号解読もの。暗号は人形の絵ではなく、オルゴール音楽の楽譜というのがミソ。1曲が3つのオルゴールに分割され、ダートムア刑務所の囚人が偽札原版の在り処を隠す。
刑務所で製造されたオルゴールはオークションで売られるが、囚人の仲間が遅刻したために、3人の落札者の手に渡ってしまい、それを取り戻そうとして盗難事件が起きて。ホームズの出番となる。
ホームズが僅かな手掛かりからあれよあれよという間に暗号を解いてしまう都合のよさもあり、終盤はやや面白みに欠ける。
本作の肝はオルゴールのアイディアだが、ヴァイオリンの名手でオルゴールの曲も一回で覚えてしまうホームズなのに、ピアノで音を確かめないと譜面が起こせないというのが笑いどころ。
タイトルのドレスは内容とは全く関係がなく、意味不明。