80点 2015/9/23 9:44 by のびた
大学の化学講師ヴァーノン・シンプソンは、真面目なのだが野球のシーズンになると上の空になってしまう。実験中、偶然出来上がってしまったある特性を帯びた液体。お気に入りのチームを優勝させる為、魔球を引っ提げて、野球界に嵐を巻き起こす。
「巨人の星」世代ならピンとくるが、これは大リーグボール三号の元ネタであろう。ボールが木材やバットを避けるシーンは、作られた1949年にしてはうまく撮られていると思う。更に、薬品を整髪剤と勘違いしてつけてしまった後の、髪の毛の動きが実に見事。
基本、コメディなのであまりツッコミたくはないが、薬の効果継続時間や、相手チームのピッチャーがそのボールを使わないのかと、色々気になる点も多い。それでも、ノーヒットノーランは達成できるのか、優勝するのかなど、スポーツ映画としても面白い仕上がりに満足。薬が限られているので、いつか必ず終りがやってくることは分かっている。これがバレるのかどうかにも、ハラハラさせられる。
ヴァーノンの結婚、その後の仕事の問題もあり、それらを全て丸く収めてしまう終盤の展開もお見事。主演は「失われた週末」で数々の主演男優賞を受賞しているレイ・ミランドだった。