東京物語 ニューデジタルリマスター

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東京物語 ニューデジタルリマスター

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レビューの数

53

平均評点

85.3(296人)

観たひと

434

観たいひと

51

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 日本
製作年 1953
公開年月日 2013/12/7
上映時間 135分
製作会社 松竹
配給 松竹
レイティング 一般映画
カラー モノクロ/スタンダ-ド
アスペクト比 スタンダード(1:1.37)
上映フォーマット デジタル
メディアタイプ ビデオ 他
音声 モノラル

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

監督小津安二郎 
脚本野田高梧 
小津安二郎 
製作山本武 
撮影厚田雄春 
美術浜田辰雄 
音楽斎藤高順 
録音妹尾芳三郎 
照明高下逸男 
デジタル修復監修川又昂 
田中康義 

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演笠智衆 平山周吉
東山千栄子 平山とみ
山村聡 平山幸一
三宅邦子 平山文子
村瀬禪 平山実
毛利充宏 平山勇
杉村春子 金子志げ
中村伸郎 金子庫造
原節子 平山紀子
大坂志郎 平山敬三
香川京子 平山京子
十朱久雄 服部修
長岡輝子 服部よね
東野英治郎 沼田三平
高橋豊子 隣家の細君
三谷幸子 アパートの女
安部徹 敬三の先輩
阿南純子 美客院の助手キヨ

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

小津安二郎生誕110年として小津監督の名作「東京物語」をデジタル修復したニューデジタルリマスター版。撮影チーフ助手を務めた川又昂の監修の元、4Kスキャニングによるマスターを一コマ単位でデジタル修復。音声も小津監督の監督助手を務めた田中康義監修の元清水和法により修復が行われている。2011年4月4日NHK BSプレミアム「山田洋次監督が選んだ日本の名作100本」で放映された。その後2013年ベルリン国際映画祭Berlinale Classics部門出品用に更に修正が行われている。2013年11月23日より、東京・神田 神保町シアターにて開催された「生誕110年・没後50年記念 映画監督 小津安二郎」にて上映。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

周吉、とみの老夫婦は住みなれた尾道から二十年振りに東京にやって来た。途中大阪では三男の敬三に会えたし、東京では長男幸一の一家も長女志げの夫婦も歓待してくれて、熱海へ迄やって貰いながら、何か親身な温かさが欠けている事がやっぱりものたりなかった。それと云うのも、医学博士の肩書まである幸一も志げの美容院も、思っていた程楽でなく、それぞれの生活を守ることで精一杯にならざるを得なかったからである。周吉は同郷の老友との再会に僅かに慰められ、とみは戦死した次男昌二の未亡人紀子の昔変らざる心遣いが何よりも嬉しかった。ハハキトク--尾道に居る末娘京子からの電報が東京のみんなを驚かしたのは、老夫婦が帰国してまもなくの事だった。脳溢血である。とみは幸一にみとられて静かにその一生を終った。駈けつけたみんなは悲嘆にくれたが、葬儀がすむとまたあわただしく帰らねばならなかった。若い京子には兄姉達の非人情がたまらなかった。紀子は京子に大人の生活の厳しさを言い聞かせながらも、自分自身何時まで今の独り身で生きていけるか不安を感じないではいられなかった。東京へ帰る日、紀子は心境の一切を周吉に打ちあけた。周吉は紀子の素直な心情に今更の如く打たれて、老妻の形見の時計を紀子に贈った。翌日、紀子の乗った上り列車を京子は小学校の丘の上から見送った。周吉はひとり家で身ひとつの侘びしさをしみじみ感じた。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2023/10/31

2024/01/09

85点

映画館 


東京国際映画祭2023

2023/12/11

2023/12/13

60点

映画館/千葉県/キネマ旬報シアター(旧TKPシアター柏) 


4K修復版

小津作品のイメージはローアングルにユッタリとした作風。とんでもない。
先ず、ローアングルではない。特殊な構図ではなくオーソドックスな構図。
カット割りの大胆なこと!こちらがそろそろ構図が変わるかな?と思う寸前に嚙むようにカットが変わり物語を牽引していく。次に描かれるだろうと思うエピソードは無く更に先のエピソードに物語を進める。
小津映画は大胆だ!
イメージは一新された。

2023/12/12

77点

選択しない 


小津安二郎とは

現代映画監督からも一目置かれるが、ちゃんと見たことがなかった。
タイトル、クレジットから雰囲気のある字体と見覚えのある俳優陣。
戦後の傷痕が残る人々と復興していく東京、その時代を背景にした家族の物語は、今でも十分通じるものがある。家族だから出る無遠慮さと義理だから生まれる優しさと。最後に母親が亡くなるのはびっくりしたが、そこで、原節子の答え合わせができた気がする。単なるいい嫁ではないということをぶつけることで完結する家族の物語。
原節子って、こんな女優さんなんだと初めて知りました。

2023/12/12

2023/12/12

75点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 


食わず嫌いだった小津安二郎。チャンバラもないし、怪獣は出てこないし、これといってスペクタクルでもないから・・・。いい歳になって初見。まったりとしたホームドラマ。巨大な煙突群は東京の象徴に思えた。香川京子が出演していたのはご褒美?

2023/12/10

2023/12/10

-点

映画館/千葉県/キネマ旬報シアター(旧TKPシアター柏) 


じわじわ来ました

若い時から聞いていた「小津の東京物語」、とうとう観ました。最初は、古き良き東京の市井が外国人ウケするのかなぁ?とか、話し方がちょっと大げさで舞台ぽいなぁ、とか、お金持ちだからかなぁ、とか、インタビューみたいに一人一人を真正面から撮る手法が独特だなぁ、とか、分析するような感覚で観ていましたが、お父さんとお母さんが子供達の家で居心地が悪くなって外で時間を潰している背中を見た時に思わずうるうる。その後はお母さんが長くないと聞いてお姉さんが泣き出すところや、お母さんが亡くなったあと日の出を見ていたというお父さんを見た時とか、最後は映画館を出てからもジワジワ胸が熱くなりました。映画館を出てから現実の感覚に戻るまでに時間がかかり、自分で思うよりも作品の世界に浸っていたんだなぁ、と分かりました。似たような経験をしていたり、家族、てこうだよなぁ、とか、このリアクション、めちゃ分かるなぁ、とか、共感を超えた追体験的なシーンが満載でした。感情が動いたせいか、観た後は少し疲れた気分になりましたが、どちらかといえばスローなテンポで進むやり取りも退屈することがありませんでした。

2023/08/15

2023/08/15

90点

テレビ/有料放送/WOWOW 


人の心はウニのトゲのようなものだ

中一の頃、そんなふうに気がついた。
本音も建て前も嘘ではなく、
歯の浮く社交辞令だって口にした本人の一部である。
私たちは発音する直前に見せるトゲを選んでいるのである。
すべては本人の一部なのだ。

だが私たちはなかなかそのことに割り切れない。

「心にもない」セリフを発してしまったと後悔する。
本当に言いたいことはこれではなかった。
もう少し言葉を吟味すれば良かった。
と悩む。
その結果、私たちの中にくらやみができあがる。

同郷の男達三人が痛飲している場面で、
「もう戦争をしてはいけない」と語るその時に、
流れる音楽が『軍艦マーチ?』だったことは、
男達の戦争体験を想起させると観てもよいけれど、
私は彼らウニたちの二通りのトゲ、
つまり大東亜戦争の「理想」に鼓舞された自分と
失った子供達への哀切からの反戦の気持ちとの、
両方のトゲのことなんだと受けとめた。

でもね、
たくさんのくらやみを抱えた人は素敵。
そうは思いませんか。

笠さんも杉村さんもそうだけど、
原節子さんがそのくらやみをもっとも体現する役どころ。

終盤の「私はずるい」の連発。
戦死した息子の良い嫁として在り続けたいのも本当。
生身の連れ合いと寄り添って生きたいのも本当。

素敵ですよね。

ここにおいて本作は最大の普遍性を獲得しているのです。