2022年1月3日に鑑賞。DVDにて。1時間56分41秒。スタンダード・黒白。Mitchell Leisen Production。
画面では、脚本:Charles Brackett、Jacques Thery、製作・原作:Charles Brackett、撮影:Daniel L. Fapp、特殊撮影:Gorden Jennings、音楽:Victor Young、衣装:Edith Head である。
オリヴィア・デ・ハヴィランド(ジュディ・ノリス)が、第19回アカデミー賞主演女優賞を受賞している。
NY州のピアソンフォールズ町で、ジュディは父(グリフ・バーネット)とドラッグストアを営んでいる。アレックス(Phillip Terry)とマック・ティルトン(Bill Goodwin)が求婚しているが、運命の人ではない。そこに、「戦時国債販売会」のゲストに英雄のパイロットのバート・コズグローブ大尉が飛行機でやって来る。ジュディは大尉と恋に落ちるが、大尉はフランス戦線で戦死する。大尉のフランスからの手紙「1918年6月12日」アレックスは町一番の金持ちで自動ピアノ工場を経営するコリン・ピアソン(Mary Anderson)と結婚する。コリン「軍需工場に指定されたから、アレックスを呼び戻せるわ」
ジュディは大尉の息子をNYの病院で出産するが、町に連れて帰れない。病院の看護婦デイジー・ジングラス(ヴィクトリア・ホーン)にしばらく預ける。ジュディは町の子だくさんのベル・インガム夫人の家の前に我が子を捨て子として置いて、それをジュディが育てるという作戦を立てる。ところが、同じ日に出産したコリンの子が亡くなり、ピアソン家がジュディの子を育てることになってしまう。父「未婚の母親から生まれた子として差別されて育つんだぞ。可哀想だが、諦めるんだ」アレックス「子を亡くしてコリンがどんなに辛い思いをしたか」ジュディ泣く。
赤子グレゴリー(愛称グリグジー)・ピアソンの世話を焼き、アルバムに写真を貼るジュディ。
父が亡くなり店を売ったジュディ、コリンへ「乳母として雇ってくれない?」コリン「NO」ジュディ「出生証明よ。グレゴリーは私の子よ」コリン「気づいていたわ。正式の養子にしたの。アレックスはあなたに断られたから私と結婚した。あなたさえいなければ、幸せな家庭になれるのよ。愛してくれるのはあの子だけよ。絶対に渡さない」アレックス「今でもジュディを愛してる」ジュディ「もうあの子に会えない。私の子よ」アレックス「本当だったのか!」ジュディ「手紙で近況を教えて。写真を」
NYのマックの会社「レディ・ビビアン化粧品」へ行くが、名ばかりの会社で禁酒法の下で酒の密輸業者だった。ジュディは化粧品を製造し始める。あの看護婦のデイジーも雇う。ジュディ「あなたブーツレッガーだったのね」ジュディ「ある人を愛したら、その人が死んでも愛は残る」
大成功したジュディは、傾いたピアソンの工場を救う代わりにコリンからグレゴリー少年を引き取るが。コリン「あの子は私を愛してる。あなたに懐くわけないわ」ジュディ「あの子に会うために生きて来た」
ジュディはグレゴリーを引き取り何でも買い与えているが、まだ実の母だと言っていない。デイジー「2か月経つのに?ずっと慣れないかも。愚かな母親から祖母は私を奪い甘やかした。でも私は愚かな母親を愛した。祖母に慣れるまで1年半かかったわ。だから、こんな気難しい女になった」ジュディ「1年たてば慣れるわ」デイジー「私は死ぬまで私を溺愛した祖母を憎み続けたわ」マック「今すぐ言うんだ」
ジュディ「あなたは養子なのよ」グレゴリー「学校でそう言われた時に、ママは愛していると言ってくれたよ」と泣く。★ジュディ「私はあの子の母ではない。産んだだけでは母親になれない。いつも一緒にいてあの子を慰めたり励ましたり看病したりしていない。見守っていない」泣く。ジュディは「おばさん」のまま、グレゴリー少年をコリンに返して、失意のままロンドン支社へ行く。
それから、20年。開巻。燈火管制下のロンドン。聖アンドリューズ教会の防火監視員として、大晦日の夜に勤めるジュディと同じく孤独な中年男デシャム(Roland Culver)が出会う。反目し合う2人だが、デシャムが屋根から落下しそうになり・・・。デシャム「人は死が迫ると一生を思い出すと。今夜、本当だと分かった。寂しい人生だった。君と私は同じだ。人が楽しく過ごす時にも誰も相手がいない。私のように孤独を愛した者もいるが」ジュディ「仕事は生きがいになるわ」
ピアソン家の隣人の軍人ビル・マクナブからグレゴリーが休暇で今夜ロンドンに来ると聞いて駅に向かう。遅れる汽車を駅で待つジュディの回想が始まる。この構成も、ラストに繋げる素晴らしい工夫である。
列車が着いた。ジュディがグレゴリー・ピアソン中尉を捜シて回る。見つけた。夫と瓜二つである(ジョン・ランドの2役)ホテルがないというグレゴリーを自宅に誘う。「あなたの両親と知り合いで」そこに、婚約者の兵士リズ・ロリマー(ヴァージニア・ウェルズ)が来る。自宅にグレゴリーのバッグを運んだジュディは、グレゴリーと観劇し夕食しようと浮かれている。
デシャムより花と夕食の誘い。グレゴリー「リズと結婚しようと役所を回ったが今日中はムリだった」グレゴリー「リズが劇を見たいって。今夜しかないんです」ジュディ、2人にチケットを譲る。その時に、グレゴリーがチケットが挟まれていたアルバムを見る「僕の写真だ。思い出した。子供の時おばさんの家にいた」ジュディ「観劇の後、2人で夕食を」と自分とグレゴリーが行くために予約したレストランも譲る。ジュディ「1週間休暇だから・・・」グレゴリー「今夜戦地に戻るんです」ジュディ「リズにあげて」と、デシャムから贈られた花を渡す。
階段でグレゴリーとぶつかるデシャム「その花は?」泣くジュディ。デシャム「さっきのチンピラは?」ジュディ「私の息子よ。本人は知らないけど」ジュディ「あの子のためなら何でもしてあげたい」と結婚証明書の用紙を見せる。デシャム、ポケットにしまう。デシャム「同じレストランで食事しよう。2時間後に。私が真実を言うよ」ジュディ「だめ。一生恨むわよ」
レストランのデシャムとジュディ「来たわ」離れた席に座るグレゴリーとリズ。楽団が結婚行進曲を奏でる。そこに女性兵士が「リズは?」リズ「休暇が1週間伸びたわ」デシャム「海軍本部に電話したんだ」2人、給仕に促されて個室に移動する。追うデシャムとジュディ。個室には司祭がいた!デシャム「彼らへのプレゼントだ」ジュディ「私へのプレゼントね」デシャム「(グレゴリーへ)指輪だ。忘れた!ケーキを」給仕「お任せを」台所「海軍ですか?空軍?」ケーキのセットが多数ある。それを組み立てる。「空軍はモテモテだな。これを使うのは73回目だ」→2人店へ戻る。結婚行進曲。
グレ「なぜ、こんなに親切に?」デシャム「同じ米国人だからか?同郷だからか?分ったら来たまえ」デシャムとジュディ去る。リズ「あなたを見てた目、実の母のようだったわ」グレ「そうだったのか」グレ、ジュディへ「踊りましょう。お母さん」ジュディ泣く。