復讐の荒野

ふくしゅうのこうや|The furies|The furies

復讐の荒野

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レビューの数

16

平均評点

62.1(39人)

観たひと

53

観たいひと

3

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ / 西部劇
製作国 アメリカ
製作年 1950
公開年月日 未公開
上映時間 109分
製作会社
配給 ブロードウェイ
レイティング 一般映画
カラー モノクロ/スタンダード
アスペクト比 スタンダード(1:1.37)
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

アンソニー・マン監督による心理西部劇。牧場主のジェフォーズは娘・ヴァンスとふたり暮らし。ある日、父が見知らぬ貴婦人を招いたことに苛立ったヴァンスは、彼女の顔を傷付けてしまい…。ジョン・ヒューストンの父、ウォルター・ヒューストンの遺作。【スタッフ&キャスト】監督:アンソニー・マン 製作:ハル・B・ウォリス 原作:ニーヴェン・ブッシュ 脚本:チャールズ・シュニー 出演:バーバラ・スタンウィック/ウォルター・ヒューストン/ウェンデル・コーリイ/ジュディス・アンダーソン

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2023/11/29

2023/12/10

60点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 
字幕


ウォルター・ヒューストンの遺作。

ネタバレ

異色の西部劇。いわゆるガンマンや保安官の話ではない。カウボーイをまとめ上げて、大地主になった
T・C・ジェフォーズ(ウォルター・ヒューストン)と娘ヴァンス(バーバラ・スタンウィック)との葛藤を描いた人間
ドラマ。特徴的なのは、T・Cという個人紙幣を発行して独自の経済圏を作ったことだ。実話でそういうケース
があったのかな。当時の農業・牧場経済では現金ドル紙幣の流通は少なかったのだろう。そこを補填する
ために個人資産を担保した紙幣を流通させた。便利すぎて、担保割れを起こしてしまう。価値は下落する
一方で、破産が近づいてきた頃の話。

T・Cは独善的で、自分の土地に無断で住む貧しい人々も容赦なく追い払う。あるいは縛り首だ。
娘のヴァンスも父の地を引いた勝気な性格で、誰の言うことも聞かない。不法占拠のメキシコ人エレラは
幼なじみなので、父のお目こぼしを願う。広大な牧場は娘に継がせたい。ヴァンスが選んだのが、過去に
T・Cが土地争いで殺害してしまった男の息子、銀行家のリップ・ダローだった。この男も父親の失われた
土地を取り戻すための結婚だった…。

原作があって、複雑な利害関係があったのか、登場人物はすべて共感しがたい、腹黒い人ばかりで嫌に
なってしまう。商業映画としては、バーバラ・スタンウィックの勝気娘の魅力を引き出して帳尻を合わせた感じ。
悪貨は良貨を駆逐する話を、悪貨を集めて、牛二万頭との交換で焼却したことになるのかな。それでも
エレラの母親の恨みを買って、T・Cは命を落とす。

2023/11/17

2023/11/17

58点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 
字幕


うーん

どちらかといえば西部劇らしからぬ内容で、西部劇を期待するとがっかりする。ちがう時代、場所でつくればまた違った映画になったかもしれない。      

2023/11/17

2023/11/17

65点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 
字幕


邦画で言えば時代劇。ハリウッドでは西部劇の裾野の広さをうかがえる映画。強引な手段で町を牛耳るほどの財産を築いた牧場主。その父親の血を引く気丈な娘。同然その後を継ぐと思っていたが・・・。父と娘の愛憎劇。なかなか見応えのある人間ドラマ。ドンパチだけが西部劇じゃない。

2023/04/30

2023/05/17

65点

選択しない 


情念のウェスタン

ネタバレ

 舞台はニューメキシコ州の牧場ということで紛れもない西部劇なのだけど、どうもあまり西部劇を観ている気にならない。傲慢な牧場主の父とその娘の確執がドラマの軸になっていて西部劇らしい開放感とか情緒から遠いというか。
 特に娘バンスが父親譲りの気の強さの持ち主であり何かと父娘の間で衝突が起きている。その親子間の確執を軸にしたホームドラマのような趣すら感じる。
 ウォルター・ヒューストン演じる父親TCがとにかく野放図な人間として描かれていて感情移入ができない。TCという個人の仮想通貨みたいなもので取引し、意に沿わない者は排除、あるいは抹殺するという実に荒っぽい男であり経済的にも行き詰まっている。西部という土地と人間の悪しき側面が象徴されているような人物像。
 そんな父とぶつかりながらも親娘の血の濃さで何とか牧場経営を切り盛りするも、そこに後妻として収まる夫人の登場で俄かに雲行きが怪しくなる。このバーネット夫人を演じるのがジュディス・アンダーソンでここでも「レベッカ」でのダンヴァース夫人同様の存在感を見せてくれている。
 財産目当ての心底を見抜いた娘のバンスは彼女の顔面にハサミを投げつけ切り裂く・・・。激情的な演技はバーバラ・スタンウィックの見せ場でもある。映画はあくまで彼女を軸に作られている。幼馴染の牧童や銀行家の恋人といった男どもも絡んでくるけど存在感は薄い。
 西部劇ではよく鉄火な女が登場してくるけど、あのような爽快感は彼女にはない。バーバラが演じるとそこにどす黒いものが見え隠れする。そんなところも西部劇らしからぬところだった。

2023/05/10

2023/05/10

70点

テレビ/無料放送 
字幕


牛の群れが集められる意味

泥に埋もれた子牛がいて,それを助けた牧場主もやはり泥にハマってしまう.そして動けなくなった牧場主T・C(ウォルター・ヒューストン)を旧住民が撃ち殺そうとする.この牧場主の土地フューリーズ牧場には無断居住者もいるらしい.
低い声の強い女性バンス(バーバラ・スタンウィック)が現れている.彼女は,T・Cの娘であり,牧場に関係するものたちの人望も集めている.彼女は父の要請もあって,婿を探しており,なおかつ,フューリーズ牧場の経営をしようと画策している.T・Cは,ナポレオンを範として牧場で王のように振る舞い,等身大以上の全身肖像画を自宅に飾り,自らの牧場で通用する通貨まで発行している.しかし,経営も杜撰で,自分勝手な解釈と強引な手法によって周囲には敵も多く,不安も抱えている.そうした敵意と冷徹をリップ・ダロー(ウェンデル・コーリイ)が象徴をしている.
フロ(ジュディス・アンダーソン)いう女性がこの牧場に闖入してくる.T・Cがサンフランシスコから連れてきたこの女性の目的は定かでもないが,牧場経営にも興味を示し,T・Cの後妻の座に座ろうとしている.一方のバンスの陣営としては,エレラ家のホアン(ギルバート・ローランド)はバンスに味方しており,バンスを愛してすらいる.彼の母は,銃を携えて,床に唾を吐くような女性であり,300m先の鳩を撃ち抜く腕前で,なんならT・Cも撃ち殺そうという意気込みである.
岩場を通ると岩が降ってくる.この土地にも雨が降る.「暴走寸前の牛」とまで呼ばれるようになったバンスは,リップの顔面近くを銃で撃つ.フロの顔面に向かって殺意をもってハサミを投げつけ,傷を負わせる.バンスはこうした暴力を振りまきながら岩場にあるエレラ家のアジトに閉じこもり,父のT・Cの陣営と一線を交えている
牧場の全ての牛がT・Cによって集められ借金の返済のために売られようとしている.バンスはT・Cが発行するT・Cと呼ばれる通貨を買い占めている.こうした集中は加速し,終盤でついに因縁のある父と娘が集うまでに至る.そこには銃弾も当然ながら彼らに向かって集まってくるのである.

2023/05/06

70点

選択しない 


好きになれる人は登場しない

ネタバレ

ヒロインは、結局はわがまま育ちのお嬢さん。人を愛することはなく、父親譲りの帝王でないと気が済まないタチだ。幼馴染の原住民の若い男も、ヤワい甘ちゃんだった。帝王に復讐に燃える男は、最後にヒロインと結婚するも、愛を手に入れたとは言えない。
結局、あの時代のあの地域の、人を人とも思わない帝王の末路を描いた、嫌な登場人物ばかりの嫌な映画だ。