泥に埋もれた子牛がいて,それを助けた牧場主もやはり泥にハマってしまう.そして動けなくなった牧場主T・C(ウォルター・ヒューストン)を旧住民が撃ち殺そうとする.この牧場主の土地フューリーズ牧場には無断居住者もいるらしい.
低い声の強い女性バンス(バーバラ・スタンウィック)が現れている.彼女は,T・Cの娘であり,牧場に関係するものたちの人望も集めている.彼女は父の要請もあって,婿を探しており,なおかつ,フューリーズ牧場の経営をしようと画策している.T・Cは,ナポレオンを範として牧場で王のように振る舞い,等身大以上の全身肖像画を自宅に飾り,自らの牧場で通用する通貨まで発行している.しかし,経営も杜撰で,自分勝手な解釈と強引な手法によって周囲には敵も多く,不安も抱えている.そうした敵意と冷徹をリップ・ダロー(ウェンデル・コーリイ)が象徴をしている.
フロ(ジュディス・アンダーソン)いう女性がこの牧場に闖入してくる.T・Cがサンフランシスコから連れてきたこの女性の目的は定かでもないが,牧場経営にも興味を示し,T・Cの後妻の座に座ろうとしている.一方のバンスの陣営としては,エレラ家のホアン(ギルバート・ローランド)はバンスに味方しており,バンスを愛してすらいる.彼の母は,銃を携えて,床に唾を吐くような女性であり,300m先の鳩を撃ち抜く腕前で,なんならT・Cも撃ち殺そうという意気込みである.
岩場を通ると岩が降ってくる.この土地にも雨が降る.「暴走寸前の牛」とまで呼ばれるようになったバンスは,リップの顔面近くを銃で撃つ.フロの顔面に向かって殺意をもってハサミを投げつけ,傷を負わせる.バンスはこうした暴力を振りまきながら岩場にあるエレラ家のアジトに閉じこもり,父のT・Cの陣営と一線を交えている
牧場の全ての牛がT・Cによって集められ借金の返済のために売られようとしている.バンスはT・Cが発行するT・Cと呼ばれる通貨を買い占めている.こうした集中は加速し,終盤でついに因縁のある父と娘が集うまでに至る.そこには銃弾も当然ながら彼らに向かって集まってくるのである.