花吹く風

はなふくかぜ|----|----

花吹く風

レビューの数

5

平均評点

64.0(13人)

観たひと

20

観たいひと

3

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 日本
製作年 1953
公開年月日 1953/2/12
上映時間 91分
製作会社 松竹(京都撮影所)
配給 松竹
レイティング 一般映画
カラー モノクロ/スタンダ-ド
アスペクト比 スタンダード(1:1.37)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声 モノラル

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

監督川島雄三 
脚本八住利雄 
原作北条誠 
製作杉山芝樹 
撮影竹野治夫 
美術桑野春英 
音楽木下忠司 
録音高橋太朗 
照明井上栄太郎 
編集相良久 

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演富本民平 小倉清造
幾野道子 小倉紀子
紙京子 小倉美樹
夏川大二郎 片山社長
龍崎一郎 石狩
進藤英太郎 浜村
青山宏 秋山
大木実 瀧本
藤代鮎子 谷川
市川春代 お加代
神楽坂はん子 千代菊
堺駿二 ジープ
コロムビア・ローズ キャバレーの歌手

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

製作は「ひばり姫初夢道中」の杉山茂樹、脚本もこの作品の八柱利雄が受持って北条誠の原作を脚色している。監督は「学生社長」の川島雄三、撮影は「娘はかく抗議する」の竹野治夫。出演者の顔ぶれは「わが母に罪ありや」の紙京子、市川春代、「芸者ワルツ」の龍崎一郎、「若奥様一番勝負」の幾野道子、「情火」、の大木実と夏川大二郎、「ひばり姫初夢道中」の堺駿二と神楽坂はん子など。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

美樹は雨の日に車で送って貰った中年紳士石狩に心を動かし、これに近づこうとした。彼女は井上商事なる小会社のタイピスト兼渉外係だが、美貌で嬌慢な娘。同社の青年社員滝本だけが煙たい存在だった。小唄の師匠をして病父を養い、政界の黒幕浜村の誘惑をこばみ続ける美樹の姉紀子は、父清造の盛んだった頃その下で働いた石狩とは初恋の間柄である。清造が破産と同時に、彼は紀子を捨てて片山証券へ走り、辣腕で専務にのし上ったが、吉野鉱業の破産を種にボロ儲けを企み、それに紀子の弟子になっている浜村を利用しようとしていた。一方、井上商事は片山証券と提携をもくろんでいる。紀子のおさらいの会にこれらの人は一堂に会した。美樹はこの会で石狩と紀子の間を誤解し、信用と名誉を守ろうとする片山に反いて、吉野鉱業の利を独占しようと大阪へ走る石狩に同行した。紀子は妹の身を案じてそのあとを追い、石狩の情婦料亭「平野」の女将加代も、美樹をひそかに愛している滝本も大阪へ向った。先まわりした片山に先手をうたれ面目を失った石狩は浜村にもその非道を一喝された。加代の出現で、自分の軽率をさとった美樹を滝本は暖かくいたわってやつた。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1953年3月下旬号

日本映画批評:花吹く風

2023/04/03

2023/04/03

-点

映画館/東京都/ラピュタ阿佐ヶ谷 

『花吹く風』。16mmなので映像がボケた感じ。京都ロケ。京阪電車は地上を走る。レストラン菊水の壁面にはでっかく「月桂冠」、南座では松竹新喜劇上演中。浜村(進藤英太郎)の素晴らしい小唄、おさらい会にも出演。美樹(紙京子)は「糠味噌が腐らないように」などと無駄口を叩く。格言好きの堺駿二。

2019/03/09

2019/03/09

50点

テレビ/有料放送/衛星劇場 


平凡な川島雄三監督作品

久しぶりに川島雄三監督作品を観たくなり、未見だったこの作品を鑑賞。
紙京子が「美しい女には何でも出来るのよ」と思いながら挫折したりする様を描いた映画だが、主演が紙京子というのは、やはりインパクトに欠ける感あり。この頃の川島監督作品は目玉女優をあまり起用できておらず、本作でも紙京子の姉として幾野道子が起用されているが、全体的に地味な印象だった。
また、「テンポ良く物語が進み、楽しい映画を作ろう」という川島監督の思いは伝わってくるが、物語も恋愛ドラマと企業ドラマを混在させて展開していくので半端な感じは否めない。

音楽は、主題歌「♪花吹く風」を含めて、木下忠司が担当しており、当時の松竹らしさが出ている。
また、この頃の日本映画に良く出て来る「アプレ」なるキーワードも時代を感じる。

物語のあらすじなどは割愛するが、気楽に観られる映画ではあるが、大笑いできるツボは無く、平凡な印象を受ける川島雄三監督作品であった。

<映倫No.931>

2012/12/11

2014/07/11

70点

映画館/東京都/シネマヴェーラ渋谷 


見事な手綱捌き

ネタバレ

 シネマヴェーラでは川島雄三の特集が組まれていますが、殆どは観たことがある映画ばかり並ぶ中、この映画だけは観たことがなかったので、会社をちょっと早めに退出して足を運びました。
 丸の内あたりにあるという設定のビルを俯瞰気味に捉えたクレーン・キャメラがビル出口に回り込むように動くと、中から出てきた龍崎一郎が玄関に停めてあった車に乗り込み、隣に座った紙京子の存在をチラリと見たあと行き先の料亭の名前を運転手に告げ、車は走り出しますが、そこで紙京子が龍崎に対し“失礼ですが車をお間違えのようですわ”などと語ります。紙は会社の同僚を待っていたのですが、龍崎はお迎えの車に違いないと勝手に解釈し、料亭に急いでしまったというわけです。引き返そうかと言う龍崎に対し、ここまで来たら結構ですと紙が応え、龍崎は今回のお詫びとして、近く食事をご馳走しようと語ります。中年男・龍崎の貫禄に、紙京子は早速魅力を覚えたようです。
 紙京子は某商事会社の渉外係女性社員、龍崎一郎は証券会社の専務という設定です。紙には何かと気にかけてくれる同僚の経理課員・大木実がいますが、紙のほうは大木には全く興味がなく、年上の男・龍崎のほうに興味があります。その龍崎は、料亭女将・市川春代と浅からぬ関係を結んでいるようですが、何かと自分に近付いてくる紙京子と適当に遊んでもいいかと思っている節もあります。その龍崎は、勤務先の証券会社・社長の夏川大二郎の反対に遭いながらも、大阪の某会社への出資話を進めようとしており、それには元大臣という政界の黒幕・進藤英太郎の協力が不可欠のため、進藤に取り入ろうとしています。その進藤は、小唄の師匠・幾野道子に入れ揚げており、小唄の稽古に余念がないのですが、その幾野は紙京子の実の姉であり、なんと幾野と龍崎はかつて付き合っていた恋人同士だったという設定です。
 こうして、些かご都合主義的な偶然が重なった、しかも入り組んだ人間関係(登場人物が片手では済まないくらい多いというのが、川島映画の特徴ですから、この映画もその例に洩れません)のドラマが展開するわけですが、ともすると立ち止まって人間関係の整理をしたくなってしまうところ、川島はとにかくスピーディーに話を進めてゆき、グイグイと観る者を引き摺りこんでしまいます。
 ヒロイン・紙京子のキャラクターは、生意気で鼻持ちならないアプレゲールという感じで、姉・幾野道子や同僚・大木実の心配をよそに、中年男・龍崎一郎の尻を追い掛け回し、結果的に龍崎の情婦・市川春代から手酷い言葉をぶつけられ、自尊心を傷つけるという役柄であり、観ているこちらが頬っぺたの一つでも引っ叩いてやりたいと思うほどのバカ娘なのですが、川島雄三は、そんなアプレ娘が蒙る災厄を映画の後半で見事に捌いて人間関係もスッキリとさせてしまうのですから、その手綱捌きの見事さに感心します。
 わたくしの友人は、この映画についてmixiで次のように呟いておられます。
 “八住利雄の凡庸な脚本だが、テンポもメリハリも利いて、面白く見せる。凡庸な脚本ほど、監督の力量が問われる。”

2006/04/22

2013/01/14

66点

映画館 


八住の凡庸さ

川島と八住は合わない。八住の凡庸な脚本はどれも面白くない。「わが町「暖簾」。「縞の背広の親分衆」と「とんかつ一代」は原作は八住で脚色は柳沢類寿。その方がよろしい。

2012/12/11

2012/12/17

30点

映画館/東京都/シネマヴェーラ渋谷 


今見ると恥ずかしい演技・・・

戦後のあの時代だから、軽快で新しく、目を見張る要素があったのだろうけど・・・
今見ると何か恥ずかしい演技の感じがする。
川島監督の作品とは思えない、つまらない映画になっている。