(前後編合わせてのレビューです)
ある実業家が家庭や子供を顧みない間に学者の長男や娘婿達に裏切られ破産してしまうが、ただ一人父親と反目していた次男?だけは最後に和解し、父親を平穏な暮らしに戻すというストーリー。前後編合わせて短縮版で3時間という無声映画ではあるが、逆に想像力をかき立てて見るせいか長いとは感じなかった。ただ、後編いきなり西部劇になるのは面食らった。しかも字幕のセリフも英語と来ている。当時の観客で英語が読めた人はどのくらいいたのだろう。たぶん弁士がついていて説明したんだろうなあ。
上山草人の演技が光る。厳しい実業家の顔から、落ちぶれた時の顔、孫の顔を見て相好を崩す顔など実にいい。
eiga800ponさんの評の中に「デコちゃんこと高峰秀子がなかなか出てこないと思ったら、男の子役で出ていた」と書いてあったが、なるほど気がつかなかった。