五重塔(1944)

ごじゅうのとう|----|----

五重塔(1944)

レビューの数

8

平均評点

66.5(23人)

観たひと

33

観たいひと

3

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 日本
製作年 1944
公開年月日 1944/8/17
上映時間 (7巻)
製作会社 大映
配給
レイティング 一般映画
カラー モノクロ/スタンダード
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声 モノラル

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

監督五所平之助 
脚本川口松太郎 
原作幸田露伴 
撮影相坂操一 

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

【スタッフ&キャスト】原作:幸田露伴 脚本:川口松太郎 監督:五所平之助 撮影:相坂操一 出演:花柳章太郎/森赫子/逢初夢子/大矢市次郎/伊志井寛

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2020/09/11

2020/09/11

70点

テレビ/有料放送/日本映画専門チャンネル 


職人気質

のっそり十兵衛(花柳章太郎)と言われた寡黙な男が、兄貴分の川越源太(柳永二郎)が請け負おうとしていた五重塔の普請を代わりにやり遂げるまでの話。
有名な小説ではあるが、なかなか映像にしてもらえない。十兵衛は、自分一人で普請をすると源太の助けを断るが、源太は仕事を譲った上に、口も出さず、十兵衛の職人気質に任せておいた。そして嵐の日源太は五重塔の見回りに来て、影ながら応援するという、兄弟弟子愛も描いている。

2018/01/02

2018/01/03

66点

テレビ/有料放送/日本映画専門チャンネル 


芸道もの

変わり者の一人の大工が、大方の予想を裏切って、五重塔の建立を任される。そして、妻の協力も得ながら、ついに五重塔を完成させる。無口で無骨な男が大事をやり遂げるというのは、その当時(1944年だから戦争末期だ)の「男」の姿だったのだと思う。
しかし、主人公の親方の心意気こそがこの映画の肝なのではないか。彼に五重塔の建立を弟子に譲り(彼の親方が主人公の父親だったので、息子に花を持たせたいという思いもある)、さらには秘伝の図面まで提供しようとする。しかし、主人公は、自分の力だけでこの偉業を成し遂げたいという狭量な思いがあり、その綾方の申し出を断ってしまう。それでも、親方は最後まで弟子を気遣い、妨害しようとする兄弟子たちの行為を諌め、最後には台風の中、弟子が作った五重塔の点検までする。その献身は実にすばらしい。しかし、映画の中では親方はあくまでわき役である。このあたりには、軍部の嗜好を立てながら、それでも映画として人間を描こうとした五所監督の心意気を感じる。
いずれにせよ、五所平之助の演出は堂々たるものである。

2016/06/10

2016/09/08

75点

テレビ/有料放送/日本映画専門チャンネル 


なかなかの観応え

日本映画専門チャンネルで観た五所平之助「五重塔」は、以前フィルムセンターで観た時のプリントより3分長い現時点での最長版ですが、その3分がどの部分なのか、残念ながら以前観た版のことをよく覚えていないため、明示することができません。情けない限りです。
映画の中身は、谷中感応寺(モデルは寛永寺)の五重塔建立を任された大工・花柳章太郎が、兄貴分・柳永二郎からの協力の申し出を受けながら、男の仕事は誰の手も借りずに一人で仕上げるものだという“哲学”にこだわる花柳は、この申し出を断り、独りで建立を成し遂げる一方、親切心を仇で返された形の柳永二郎が、気分を害して、建立当日に吹き荒れた嵐の夜、五重塔に忍び込んで塔を倒そうとでも画策するのかと思いきや、「大丈夫だ。釘一本ゆるんじゃいねえぜ」と言って、柳が見回りしてくれていたことがわかるという、職人同士の男意気の物語が展開し、なかなかの観応えを与えてくれる映画です。

2016/08/12

2016/08/12

60点

テレビ/有料放送/日本映画専門チャンネル 


超高層のあけぼの

父が土建屋だったこともあり、土建を扱った映画は好きです。

2016/07/21

40点

選択しない 


主人公が単に自分勝手な男にしか見えない

 谷中感応寺(現在は天王寺)にあった五重塔を題材にした、幸田露伴の同名小説が原作。
 五重塔が建立されたのは寛永年間で、大工たちがザンギリ頭なのを見ると、本作の美術等の時代設定には若干違和感がある。
 それを置いても残念なのは、主人公である十兵衛が単に自分勝手な男にしか見えず、兄貴分の源太に不義理してまで五重塔建築に執念を燃やす心情の機微が描かれていないこと。
 物語は、五重塔建築を感応寺の御用を勤める源太が受託したのを、十兵衛が無理やり住職にねじ込んで仕事を横取りしようとし、住職の仲裁で二人で話し合うことになる。共同でやろうという源太の申し出を断り、仕方なく源太が譲ったにもかかわらず、協力を申出る源太を袖にし、独力で五重塔を完成させる。
 嵐がやってきて、皆が心配するのを無視し、住職の依頼で仕方なく塔に行くと、既に源太が見回りに来ていた。謙譲の精神にあふれるばかりか、他人の造った塔なのに寺の御用職人の責任感とボランティア精神に富んだ職人気質の源太に対し、自分のことしか考えない我儘な十兵衛。
 どっちが主役かわからない物語で、十兵衛の心の内が細やかに描かれていれば、十兵衛も主役になれたかもしれない。
 その表面上の主役を演じるのが花柳章太郎。真の主役は柳永二郎で、十兵衛の女房に森赫子。
 五重塔は実景とミニチュア特撮を組み合わせて撮影されているが、実景の五重塔が新築の割には風雪を重ねた風格を漂わせているのは仕方のないところ。戦後、焼失して現存していないのが惜しい。

2016/07/07

2016/07/09

65点

テレビ/有料放送/日本映画専門チャンネル 


戦中作品ゆえスタッフ・キャストのクレジットがない。

ネタバレ

職人のこだわりと頑固さが、物語の柱となっている。最後が美談で締めくくられる辺りは、国民一丸となるべく国家からの指導があった戦中作品だからなのだろうが、1時間強の上映時間に、コンパクトに纏まっている。