ニノチカ

にのちか|Ninotchka|Ninotchka

ニノチカ

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レビューの数

27

平均評点

79.0(112人)

観たひと

170

観たいひと

16

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 アメリカ
製作年 1939
公開年月日 1949/11
上映時間 110分
製作会社 メトロ・ゴールドウィン・メイヤー映画
配給
レイティング 一般映画
カラー モノクロ/スタンダード
アスペクト比 スタンダード(1:1.37)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声 モノラル

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

「奥様は顔が二つ」に先じて作られた、同じくグレタ・ガルボとメリヴィン・ダクラスが主演する映画で、「天使」「桃色の店」の故エルンスト・ルビッチが監督した1939年作品。ストーリーはメルシオール・レンギールが書き、「失われた週末」「青髭8人目の妻」の脚色チーム、チャールズ・ブラケット、ビリー・ワイルダーが更に「未完成交響楽」のウォルター・ライシュと協力して脚本を執筆した。撮影は「裸の町」のウィリアム・ダニエルスである。助演者は舞台女優アイナ・クレアを始め、「フランケンシュタインの幽霊」のベラ・ルゴシ、「マルクス捕物帳 カサブランカの一夜」のシグ・ルーマン、「恋のブラジル」のフェリックス・ブレッサートその他。なお音楽は「桃色の店」「青髭8人目の妻」のウェルナー・リヒアルト・ハイマンが作曲した。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

今は昔、サイレンが空襲警報の意味でなく、専ら美人の意味であった頃のこと。第何次かの5ヵ年計画進行中のソヴィエト連邦商務局から、3人の使節ラツイニン、イラノ、フ、ブルジアノフがパリへ派遣された。初めて見るブルジョア国の贅沢さに肝を潰したが、ソ連が帝政貴族連から没収した貴金属類売却の使命を果たしに取り掛かった。これを知ったのがホテルボーイになっている、かつてのスヴァナ伯爵夫人の侍僕だったラコーニンである。彼の注進で宝石奪還を謀る伯爵夫人は、愛人のレオンに一切を任せた。レオンは3使節をまるめ込み、軟化させてしまった。この状報にソ連本国では、特別全権使節を派遣したるこれが赤ん坊の時から共産主義をたたき込まれた模倣党員ニノチカな女史である。早速軟化した3姿勢使節をしめあげ、宝石の処分に掛かった。その夜、レオンは妙な美人に街頭でトンチンカンな質問を受け、笑いを忘れたかにこりともしない彼女に興味を持った。エッフェル塔に案内すると、彼女は2百13段の階段を一気に上って涼しい顔をしているのでいよいよ興味を持ち、彼女を自分のアパートに伴い、女たらしの天才を発揮して、名も知らぬこの美人とキッスを交した。そのラブシーンの最中、ブルジアノフから電話が掛かり、彼は初めて女がニノチカであることを知った。使命は重大だが、資本主義国のブルジョア生活の楽しさ、レオンとのキッスをニノチカは忘れかねた。レオンも宝石争奪戦の敵ではあるが、1女性としてのニノチカを熱愛するに至った。それを知った伯爵夫人は、ニノチカがパーティで泥酔した夜、ラコーニンに宝石を盗ませた上、翌朝ニノチカを訪ね、レオンから手を引けば宝石を返すと申し出た。使命に覚めたニノチカは、その申し出を受諾し、急ぎ宝石を処分して、同志3名を伴いモスクワへ帰った。ニノチカはパリと恋の思出に眠られぬ夜もあったが、続5ヵ年計画の遂行に献身した。ある日ニノチカは商務長官に呼ばれ、かつて彼女と共にパリへ行った3人を、毛皮売りにイスタンプールへ派遣したが、またもや任務を怠っているから監督に行けと任命された彼女がイスタンプールに着くと正装した3人が待っていた。3人共ソ連を亡命してこの地に料理店を開いているのである。あ然としてニノチカの前にレオンが現れた。あなたが僕のものにならないなら、あなたが僕のものになるまで、世界中のソ連商務館を料理店にしてしまうつもりだとレオンは言った。それを聞くと、今はやむなしとニノチカはレオンの胸に抱かれた。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1994年9月上旬号

グラビア:ニノチカ

2020/03/08

2020/03/08

100点

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お洒落で粋な映画

ネタバレ

コロナウィルス騒動で気が滅入る話題ばかりなので、楽しい映画を観たいと思って、エルンスト・ルビッチ監督の『ニノチカ』を観た。4年ぶりの鑑賞。
久しぶりに楽しく笑える映画、さすがルビッチ!

この映画を初めて観た時、これまで全く笑顔を見せないと思っていたグレタ・ガルボが大爆笑していて驚いた。
パリを舞台にして、ロシアの宝石の所有権を巡る争いと男女恋愛ドラマが描かれるルビッチならではの「お洒落で粋な映画」。

冒頭、フランスでソビエト3人組が高級ホテルを次々と見ては出て行くシーンからして、微笑ましい。この3人はソビエトの食糧危機に備えて、ソ連が以前個人資産を没収した時の宝石を売却するためにパリにやってきたのだった。
しかし、公爵夫人は「不当にソ連が没収したものなので返還を要求する裁判」を起こす。
…ここで、裁判シーンになるかと思えば、そこは裁判など描かずに物語を進めるルビッチ。
そうして、裁判になるので、ソ連から特別全権大使がやって来るのだが、やって来た全権大使は女性。名前はヤクショーバ・ニノチカ。彼女を演じるのがグレタ・ガルボ。
当初、ニノチカはやたらと科学的に分析する大使であり、絶対に笑顔を見せない。
ニノチカに惚れてしまったレオン(メルヴィン・ダグラス)は、ニノチカをエッフェル塔に案内するが、事務的な会話が多い。エッフェル塔の構造、階段の数は829段+254段、など。

労働者向けレストランにニノチカが行くのを知ったレオンも、そのレストランに行く。
そして「Smile!」(笑って)と言われるが仏頂面のままのニノチカ。レオンは彼女を笑わせようと面白い話を次々としようとする。
「2人のスコットランド人が道で会った…」、「月には5億人が住んでいる。それじゃあ、半月の時は混み合うね(笑)」など。
ニノチカは笑わないが、映画を観ているこちらが笑ってしまう…(笑)
そしてレオンが椅子からコケたのを見て爆笑するニノチカ。これ以降、仕事中にも笑い出すニノチカ。
顔に柔らかさが出て来て、最初の仏頂面との微笑ましい顔との対比を上手く演じているグレタ・ガルボ。さすがである。

そして、フランスに到着した時には貶していた帽子をかぶるニノチカは、レオンと恋に落ちてから変わった。レオンの部屋で、抱擁とキスする二人。
ニノチカが部屋に来るので女性の写真を机にしまったレオンだったが、ニノチカはそれに気づいて「私の写真を欲しいと言わないでね。机の中にしまわれるのは堪らないから…」とこれまたナイスなセリフ。
そして、宝石の裁判が終わる木曜日にはパリからソ連に帰らなければならないニノチカに向かって、レオンは言う。「木曜日に終わるのは裁判だけだ。私たちに木曜日はやってこない」…これまたお洒落なセリフ。

レオンとニノチカはレストランに行くが、綺麗なドレスを着たグレタ・ガルボは本当に美しい!

レストランで生まれて初めて飲んだシャンペンで酔っぱらってしまったニノチカは宝石を強奪される。宝石は夫人の元へ。夫人はニノチカに「宝石は返すから、レオンをあきらめなさい。17時40分の飛行機でロシアに帰りなさい」と取引を持ちかけられて、国のために帰国するニノチカ。
帰国したニノチカに、パリのレオンから手紙が届くが、検閲でまったく読めない手紙。
「思い出までは検閲できない」など、おしゃれなセリフが素晴らしい。

そして、「(パリで一緒だった)3人の男がコンスタンチノープルで問題を起こしているので、行って調べろ」と命令されて、飛行機でコンスタンチノープルに行くニノチカ。
そこで3人と再開するが、その後ろにいたのはレオン。感動の再開。(ハッピーエンド)


脚本にワイルダーが参加していることもあり、監督がエルンスト・ルビッチであれば、こうしたソフィスティケイテッド・コメディは、さすがの出来栄え。
笑えて、感動させられるルビッチ監督の傑作。

2011/08/19

2019/11/26

95点

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思い出までは検閲できない

グレタ・ガルボの映画を始めて観た。確かに美人だが、とても冷たい印象だ。これは役柄のせいかと思っていたが、ウィキペディアには「笑わない女優」が『ニノチカ』で初めて笑ったと書いてある。それまでの映画の中でも、一度も笑ったことがないというのか。それは驚きだ。この映画の中での彼女の笑顔の何と素敵で可愛らしいこと。もっと早く笑っていても良かったのではなかろうか。当然コメディもこの作品が初めてということになろう。また、映画の中では、笑わない女ニノチカが、いつ笑うかというのがキーポイントになってくるので、ガルボが出演したのもそんな楽屋落ち的な意味合いもあったことだろう。

脚本にはビリー・ワイルダーが名を連ねている。とても洒落たセリフがたくさんあって、こういうロマンチック・コメディは大好きだ。和田誠なら、どのセリフを文章にしただろう。

僕はこの会話が好きだ。

「君は最高の女性だ。ニノチカ、ニノチカ」
「繰り返してるわ」
「千回だって繰り返すさ」

時計の針が12時に重なる話も素敵だし、レオン(メルヴィン・ダグラス)がニノチカを笑わせようとする小噺には大笑いだった。僕がこのレビューのタイトルにした「思い出までは検閲できない」も名セリフだと思った。

映画前半は、とにかく笑わない女ニノチカの受け答えが、ガルボが真面目に演じれば演じるほど可笑しくて堪らなかった。普通の男女の会話ではあり得ないような素っ頓狂な質問を繰り返すニノチカなのだが、何だかとても可愛く見えてくるから不思議だ。レオンでなくても、彼女を笑わせてやりたいと思ってしまう。レオンと恋に落ちた時の気持ちを冷静に分析して話すのも、何だか感情のないロボットみたいで面白かった。

素敵なパリの思い出と、妙な形の女性が被る帽子。レオンとニノチカの関係を邪魔するのは、国である。二人の愛は如何にして国境を超えるのか。ラブ・コメは当然ハッピー・エンドだから、安心して観ていられた。

2019/10/26

2019/10/26

90点

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破顔一笑

レオンがこけた時の、グレタ・ガルボの破顔一笑が印象的でした。やはり、美人は笑顔が一番。それまでのニノチカの表情がいかにもガルボという感じだったこともあり、これは衝撃的でもあります。それからというもの、普通の女になってしまい、ソ連の官僚が本当にそれでいいのか?と心配してしまう次第でした。酔っぱらったニノチカの演技も最高です。

そして、あちこちに込められたコメディのセンスが最高です。ソ連の風刺になっているので、判りやすいコメディではありますが、執拗にニノチカを笑わせようとする、労働者向けレストランの場面は、周囲の役者のセリフも含めて楽しいものでした。それ以外にも粋なセリフがたくさん。そのドレスが歩いていたらニノチカと会わせたいとか…。実際に現実世界で使ってみると、どんな反応をされるかな?などと考えてしまいました。

ルビッチの映画って、やはりセンスがいいのですね。よく解りました。奇蹟のようなグレタ・ガルボも含め、至宝のようなコメディでした。そして、まぁ、笑顔は何物にも勝りますというのが、今日の結論です。

2019/10/21

2019/10/21

80点

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最近見た中で、今年見た中でも突出した面白さ!

というより、我が映画遍歴中トップクラスの愛すべき映画になってしまった。
クールビューティ、グレタ・ガルボの目ヂカラにやられちゃったのだろうか?
笑えて泣けるのである。どこで笑い、どこで泣くのか、しっかりチェックしなければいけない。
共産主義は人間性を否定する。
資本主義、キャピタリズムは人間を搾取する。
どっちもダメだ。
この映画のラストの詰めは大甘だが、時代と当時の観客、大衆の嗜好を考慮すればしょうがないだろう。

2016/01/15

2019/05/11

65点

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オーソドックス

ネタバレ

笑うガルボ観たさの観賞も、彼女が声を上げて笑うその姿は何だか違和感を覚えるものでしかなかった。自分にとってのG・ガルボは、やはりクールビューティーな孤高の美女であることを再認識で、一度ついたイメージホント怖いな、ということを改めて実感する。

ロシアでは実直なボルシェビキが国外では放蕩三昧のブルジョワ気取りになる。そんな変わり身早い登場人物のイデオロギッシュな様態をユーモラスに皮肉った物語に引き込まれる。そして、ウィットに富んだ台詞を随所に散りばめながら、男女のラブロマンスを、時にシットリと、時にコミカルに紡ぎ出すE・ルビッチ。その軽妙洒脱な語り口に魅せられるオーソドックスでクラシカルなラブコメだった。

あと、帰国するのも亡命するのも祖国を救うことになるという物語の顛末が印象的で、どんなことでも物は考えようだな、と勝手に納得。

2018/09/21

2018/09/21

91点

レンタル/東京都/TSUTAYA 
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No.2318

単純におもしろいです。主義とか思想とか、資本主義とか共産主義とかレーニンとかマルクスとか難しいことはあたしゃ頭が悪いのでよくわかりませんが、セリフも粋だし、グレタ・ガルボのツンデレがかわいいし、とても見やすくて安心感のある作品です。なぜシネフィルたちはこういう面白い作品でも重箱の隅をつつくように減点するのですかね。おもしろいものはおもしろいで、いいではないですか。