2001年宇宙の旅

にせんいちねんうちゅうのたび|2001: A Space Odyssey|2001: A Space Odyssey

2001年宇宙の旅

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レビューの数

278

平均評点

81.8(1609人)

観たひと

2360

観たいひと

196

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル SF
製作国 アメリカ
製作年 1968
公開年月日 1968/4/11
上映時間 149分
製作会社 スタンリー・キューブリック・プロ
配給 MGM
レイティング 一般映画
カラー カラー
アスペクト比 シネラマ(1:2.59)
上映フォーマット シネラマ
メディアタイプ フィルム
音声 6chステレオ

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

科学小説作家アーサー・C・クラークと「博士の異常な愛情」のスタンリー・キューブリックが製作・監督したSF。撮影は「オセロ」のジョフリー・アンスワース、補助撮影はジョン・オルコットが担当した。なお、特殊撮影効果のすべてはキューブリックの考案、監督のもとに行われた。セットの製作デザインはトニー・マスターズ、ハリー・ラング、アーネスト・アーチャーの3人を中心にデザイナーと製図工35人が動員された。特殊効果監督には、ウォリー・ビーヴァーズ、ダグラス・トランブル、コン・ペダーソン、トム・ハワード、の3人があたり衣裳は、ハーディ・エイミーズが担当した。そして、この映画を科学技術的に正確にするため、キューブリック監督はアメリカ航空宇宙局の多くの科学者、アメリカおよびイギリスの主要な科学研究所や大学と密接な提携をし、撮影中は、3人の一流科学者が技術顧問としてつき添った。それはもと陸軍弾道ミサイル部のフレドリック・J・オーダウェイとハリー・H・C・レンジ、元航空宇宙局の宇宙飛行センター勤務で、今はアラバマ州ハンツビルのジェネラル宇宙飛行研究会社のジョー・C・ジマーシャルである。出演は「女狐」のキア・デュリア、TVや「ヤング・ヤング・パレード」のゲイリー・ロックウッド、「BM15必死の潜行」のウィリアム・シルヴェスター、「キッスは殺しのサイン」のレナード・ロシター、「BM15必死の潜行」のマーガレット・タイザック、コンピューターに扮するダグラス・レインである。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

有史以前。類人猿の群れが、荒野に点在するわずかな植物を食料に、他の群れと水を奪い合い、外敵に怯えながら細々と生き延びていた。そんな彼らの前にある日、謎の黒い石板状の巨大な物体が姿を現す。それに触れた彼らは、辺りに散らばっていた動物の骨を道具として使うことを覚える。その骨を使って狩りをするようになった彼らは、肉を食料にし始め、骨を武器として他の群れとの争いにも勝利する。時は移り……。地球を飛び立ったアメリカの宇宙船が、宇宙ステーション目指して飛行を続けていた。ステーションに到着した宇宙船から降り立ったのは、フロイド博士(ウィリアム・シルベスター)。そこでソ連の科学者と会った博士は、月面のクラヴィウス基地と2週間ほど連絡が取れなくなっているとの話を聞く。ソ連の宇宙船が緊急着陸を拒否されたことから、基地では伝染病が蔓延しているのではないかとの噂も流れていた。だが実は、博士は極秘任務のためにクラヴィウス基地へ向かっていたのだ。伝染病蔓延説は、秘密保持のため、基地側が意図的に流したデマだった。博士の訪問は、その秘密の公表に関する判断材料を得ることが目的だった。ステーションで宇宙船を乗り換え、基地に到着した博士は、月面のとある場所を訪れる。そこでは、あの黒い石板状の巨大な物体が発見されていた。しかも、それは400万年前、何者かによって意図的に埋められたものだという。宇宙服を着たまま、石板に触れる博士。さらに一行がその前で写真を撮ろうとすると、甲高い金属音が全員を襲う……。それからしばらく経ち、木星探査計画開始から18か月後。5名のクルーを乗せた有人宇宙船ディスカバリー号が木星へと向かっていた。船内では、ボウマン指揮官(キア・デュリア)と副官のプール(ゲイリー・ロックウッド)を除く3名が木星到着まで冬眠状態。代わりに船内の全機能を管理するのは、最新型コンピューター“HAL9000”、通称“ハル”だった。ボウマンの指揮下、人間以上の正確さで膨大な任務を遂行し、会話も可能なハルは、6人目のクルーとも言える存在だった。やがて、地球との交信に必要なパーツの不調を検知するハル。だが、ボウマンが確認したところ、異常は見当たらなかった。その原因を問い質すと、ハルは“自分の機能は完璧。人間のミス”と回答。その様子に、ハルの異常を疑ったボウマンとプールは、ハルの中枢機能の停止を決断する。ところが、それを察知したハルは、船外活動中のプールと冬眠中の3名を殺害。プールを助けようと船外に出たボウマンも危機に陥ったものの、辛うじて生還するとハルの思考機能を停止させる。その時、木星到着後に公開予定だった動画が再生され、極秘だった探査の目的が明らかになる。月面で発掘された例の石板が地球外の知的生命体の存在を示していたこと、そしてそれが木星に向けて強力な電波を発信していたこと……。やがて、木星に到着するディスカバリー号。そこでボウマンが目にしたものとは……?

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2019年3月下旬映画業界決算特別号

2018年映画業界総決算:第3章 映画界事件簿 時代を超えた「2001年宇宙の旅」

2010年8月下旬号

午前十時の映画祭:「2001年宇宙の旅」「ミクロの決死圏」

2001年8月下旬号

作品特集 「PLANET OF THE APES/猿の惑星」第2弾:「猿の惑星」「2001年宇宙の旅」「A.I.」が予見するもの

2001年4月下旬号

特別企画 映画館主義 絶対映画館で観る!:「2001年宇宙の旅」

1968年6月上旬号

外国映画批評:2001年宇宙の旅

1968年5月下旬号

鼎談 「2001年宇宙の旅」の謎を解く:問題のシネラマ大作の本当のテーマは果して何か?数々の不思議なシーンの意味をSF作家が解明する 星新一×福島正実×小松左京

外国映画紹介:2001年宇宙の旅

1968年4月下旬号

新作グラビア:2001年宇宙の旅

2023/08/27

2023/08/27

87点

VOD/Amazonプライム・ビデオ/レンタル/タブレット 


イベントフィルム

さいごの無限への旅などはもう、万博のパビリオンで上映されるイベントフィルムだ。
何度観てもときめくが、何度観ても同じ箇所で眠くなる。キューブリックと相性がいいのか悪いのか。
まだ、どうやって撮ったのかわからない場面がある。

2023/08/15

2023/08/16

100点

VOD/U-NEXT/レンタル/テレビ 
字幕


32回目の鑑賞

U-NEXTの16:9のトリミング版で2回目。

冒頭の人類の《あけぼの》のシーン。
「1969年に中学3年で見た時は、《このお猿さんたちの演技は本当に上手いな》と思ったものだ」と書いたら、何人かの方が「俺も本物の猿だと思った」と書かれたので、俺だけじゃないんだと可笑しかった。

その猿が、どう見ても本物の豹に襲われるシーンがある。
あんなスタントなんてあるのだろうか。
(もしかして本物の猿? まさか。)
映画の情熱というか、スタントマンの意地というか、CG全盛の今、無くなってしまったものが、ここにある。
トム・クルーズも豹とは格闘しまい。

2023/06/30

2023/06/30

100点

VOD/U-NEXT/レンタル/テレビ 
字幕


U-NEXT、16:9版

シネスコ等が16:9になっていると本当にガッカリなのだが、「2001年」は興味津々で見た。
とりあえず11カ月ぶり31回目の鑑賞。
30回目は4Kディスクだった。
1969年のテアトル東京でも2回目鑑賞の時は最前列に行ったし、2018年のIMAXの時も最前から最後列までいろいろ位置を変えて見たので、ここは16:9版もやっぱり見逃せない。

「あけぼの」時代冒頭と、骨が宇宙船になってすぐの箇所にデッカイひっかき傷がある素材。
シミも縦キズもしばしばあって、丁寧にレストアしたものではない。
これは私の推測なのだが、2018年10月に国立映画アーカイブで上映した《70ミリフィルム版》が素材なのではないか。
デッカイひっかき傷に、何となく見覚えがあるのだが。
そう思って見ると、70ミリフィルムの質感みたいなものがある気がして来る。


2023年の人類は、あの《人類のあけぼの時代》の毛むくじゃらの生き物が、セックスをして営々と命のリレーをした、その結果の末裔である。
あの《あけぼの時代》においては、道具さえ発見されていなかった。
火もまだ使われていなかったのだろうか。
生肉を頬張っていた。

そして2023年の現在、戦争はウクライナはじめ世界のあちこちで日々続けられており、子供は親に虐待されたあげく殺され、恋人は男にDVを受けた後、刺殺される。
たった一度の人生を一国の指導者や他人に殺されたり、自分の人生を自らめちゃくちゃにしていく人がいる。
いくら科学が進もうとも、AIが良き?人類の伴侶となろうとも、人間そのものが、こうも進歩しないのでは、地球の未来は明るいとは言えない。

地球もいつかは消える、太陽もいつかは消える。
その時、人類は少しは賢くなっているだろうか。
そして他の天体に移住でもしているのだろうか。
この400万年にわたるストーリーを見ながら、そんなことを考えた。
トリアーの「メランコリア」、スピルバーグの「A.I.」も思い出すところがある。

「2001年」を含むキューブリックの何本かは、8月いっぱいでU-NEXT配信終了です。
なお「2001年」は、ワーナーTVのでっかいロゴ入り。
※延長になったようです。

PS、
ハマープロの「火星人地球大襲撃」は、「2001年」の元ネタではないか、と言われている作品です。
国内DVDあり。
似ているところは・・・あります。

2011/05/11

2023/04/18

60点

レンタル 
字幕


2001年宇宙の旅

名作だけど、あまりピンと来なかった。

2023/02/22

2023/02/22

92点

購入/DVD 


壮大なSFのショー

1980年代のリバイバルロードショーの際、大スクリーンで観た感動は忘れられない。オープニングの暗闇からの一条の光、「ツァトゥストラはかく語りき」の大音響、あのスペクタクルなオープニングショーですっかりやられてしまい、ラストのスペースチャイルドでまた圧倒され、終わった時はただ、もうボーっとしていたっけ。
久しぶりに観てやはり凄い。人類を進化に導くような存在のモノリスが石板の形状なのがミソ。難解だがアーサー・C・クラークの小説を読むとよく分かる。キューブリックはわざと難解に作ったとの事。それを聞くと複座な気持ちになるけど、やっぱり傑作。

2023/01/14

100点

選択しない 


50年前—1つの作品が映画の概念を変えた

2018年、公開50周年記念の4Kリストア作品上映が開催されたとき、修復を担当したクリストファー・ノーランとジェームズ・キャメロンが残したコメントが脳裏に焼き付いている。
「50年前の作品なのに、ほとんど修復の必要がない」と感嘆していた。それほどに撮影画像の精度が高く、ピント含めた被写界深度もしっかりしていたのだろう。
2018年当初、公開50周年記念は東京以外での公開が未定だった時、僕は東京までの新幹線を予約したほどだった。劇場鑑賞となれば2001年の「新世紀特別版」のリバイバルが最後だと思う。2018年版は、おまけに4Kリマスター、待望の70ミリニュープリントからリマスターされたIMAX規格上映とくれば行かない方が、どうかしている。

2018年、劇場公開時の予告編のコピー
「50年前—1つの作品が映画の概念を変えた」

しかし僕は50年前どころか40年前(小学校4年生)に、父に「この映画、観たい!小遣い要らんから、頼むから連れて行ってくれぇ!」と泣いて懇願したが叶わなかった(鬼)。
しかし今は劇場だけで数十回は鑑賞しているが何度観ても発見がある。そういう意味で、この映画は特別の特別で、今でも僕の生涯ベストワンだ。

最初の鑑賞は「スターウォーズ」のおかげでリバイバル公開の1978年。70ミリフィルム上映とスタンリーの指定した上映方式による164分の鑑賞が初見だった。「2001年」が劇場で観られるだけで興奮しているのに、オールナイトで3回、2週続けて通い、興奮しっぱなしだった(この時は70mmフィルム、アスペクト比1:2.20の再現上映)。
この映画はSF映画の革命だけではなく、「映画を観る」という行為さえも変えた。それは「スクリーンを凌駕した壮大な演劇」を観るようだった。
まず劇場に入ると入場曲が流れている。明るい中で流れているリゲティの「無限の宇宙」。ブザーと共に徐々に場内は暗くなり、真っ黒なスクリーンに困惑しているとライオンの鳴かない青いMGMマークと共に「ツァラトゥストラはかく語りき」がゆっくりと響きはじめて太陽、月、地球の「惑星直列」を背景に始まるタイトルバックから観客は一気に未知の宇宙オデッセイアに惹きこまれる。

・入場曲
・人類の夜明け(THE DAWN OF MAN)
・木星使節(JUPITER MISSION)
・休憩(INTER MISSION)
・木星 そして無限の宇宙の彼方へ(JUPITER AND BEYOND THE INFINITE)
・エピローグ(END CREGITS)

入場曲を合わせると、6部構成の途中、休憩が入り、クライマックスのエンドクレジットまでが、「2001年宇宙の旅」。劇場が明るくなるまで途中退場は許されない。以上で164分。UHDやブルーレイは入場曲、休憩を省いたバージョン。

400万年前の類人猿の前に突如、現れ「知性」を与えた黒い石板モノリス。
モノリスは類人猿(月見る者)に生きる上での知性を与える。それは武器を手にして相手を殺し、生物の頂点に立つ方法、ライバルを殺し、動物なら殺して食べ食料にする。
水飲み場のライバルを動物の骨を武器にたたき殺し、ボスになった類人猿(月見る者)は、近くにいた哺乳類を次々と殺し、彼らは食べる。これにより、人類の祖先は飛躍的に進化する。体が大きくなり、大脳が大きくなる。
そして長い進化の歴史の中で人間は他者を殺す、侵略することで文明は進化し人は、地球上の生物の頂点に立つ。
このシーンは類人猿が放り投げた骨がモンタージュで月に向かう宇宙船に変わるという400万年の間の人類の進化すべてが込められている。戦争、略奪、支配、殺戮、平和、国家すべて。

そんな21世紀も近い宇宙空間には宇宙ステーションが回り、アメリカ合衆国宇宙評議会のヘイウッド・フロイド博士は月のティコ火口で、信じられないものが見つかったという極秘情報の調査で、月に向かう。
ティコ火口から発見されたものは強い磁場を形成し年代測定で約400万年前に「意図的」に埋められたものだと分かる。
そう、類人猿たちに「知性」を与えたモノリスはTMA-1(Tycho Magnetic Anomaly)と名付けられ400万年の時を経て月にも「誰か」が埋めたものを人間が発掘する時代がきた。
TMA-1の滑らかで傷ひとつない表面にフロイド博士が触れたら突然、強い信号が発せられ激しい頭痛に襲われる。
その信号は木星に向かって発せられている。
これは人類が発掘したときに類人猿が、そこまで進化したことを知らせる信号が木星に向けて発信されるために「誰か」が埋められた発信機ではないかという仮説を感じる。「誰か」とは地球外生命体。
この件に関し、スタンリーは沈黙しているがアーサーが、それを示唆するコメントを残している。
「もしも人類が自分たちの叡智を超える存在に出会ったとき、それは神と思えるかもしれない」と。

その調査のために18か月後、宇宙船ディスカバリー号(正確には2号)は船長のデヴィッド・ボーマン船長とフランク・プール隊員以外はハイパースリープ(人工冬眠)の中、人工知能HAL[ハル]9000型コンピュータ(以下、HAL)とともに木星に向かう。何度か観ていると、この映画、セリフが40分しかないが重要な会話と見事な映像で二人の人間とHAKとの会話が、だんだんとおかしくなってくることに気づく。
それはHALとボウマン船長の会話から始まる。

HAL「デイブ、個人的な質問をよろしいですか?」
デイブ「いいよ」
HAL「今回の任務について疑問を抱いていませんか?」
デイブ「どういう意味だ」
HAL「月で何か掘り出したという妙な噂が。私は信じなかったが一連の出来事を照らし合わせると、私の理性では否定が困難に・・・ちょっと待って。ちょっと待って。00分後にAE35ユニットが故障します。」

この会話で人間らしい表現とAIとは思えぬ疑問を抱くのはHAL。ボウマンは、ただ無表情で聞くだけ。そしてHALは自分の疑問を提示したことを、ごまかすかのようにAE35ユニットが故障するという「嘘」をつく。
ここからHALは明らかに異常をきたしていく。
だんだんと人間らしい部分、矛盾が出てくる。突き詰めれば他者を殺しても自分が生き残ろうとする生存本能か。かつてTMA-1が類人猿や月面の人間にそうしたかのように。
HALのミスを不審に思った二人はスペースポッドに乗り込みHALの回線を切って、二人は協議する。HALの判断を疑った二人はAE35ユニットを元に戻してボウマンとプールはHALの「思考部」を停止させることを決める。
ここで私たちはHALが外部から二人の唇を読んで会話を理解しているという恐怖を知る。

HALはAE35ユニットを戻すために船外活動中のプールの宇宙服を破壊し、同時にハイパースリープ中の全員を殺す。
ハイパースリープ中の船員が殺されるシーンは呼吸数、脈拍などの数字が表示されているパネルの数値がゼロになるという表現で、今までにコンピュータによる経験のない殺戮の恐怖を味わう。

船長のボウマンは木星起動近くでたった一人の人間になる。
彼は船内への入室を拒否するHALを無視して緊急爆破ユニッ