トラ・トラ・トラ!

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トラ・トラ・トラ!

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レビューの数

60

平均評点

72.8(323人)

観たひと

491

観たいひと

51

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル 戦争
製作国 アメリカ
製作年 1970
公開年月日 1970/9/25
上映時間 149分
製作会社 エルモ・ウィリアムス=リチャード・フライシャー・プロ作品
配給 20世紀フォックス
レイティング
カラー カラー/シネスコ
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演マーティン・バルサム Admiral_Kimmel
山村聡 Admiral_Yamamoto
ジョセフ・コットン Henry_Stimson
三橋達也 Commander_Genda
E・G・マーシャル Lt._Colonel_Bratton
田村高廣 Lt._Commander_Fuchida
ジェームズ・ホイットモア Admiral_Halsey
東野英治郎 Admiral_Nagumo
島田正吾 Ambassador_Nomura
千田是也 Prince_Konoye
宇佐美淳也 Admiral_Yoshida
キース・アンデス General_George_C._Marshall
エドワード・アンドリュース Admiral_Stark
内田朝雄 General_Tojo
ジョージ・マクレディ Cordell_Hull
エドモン・ライアン Rear_Admiral_Bellinger
十朱久雄 Saburo_Kurusa
安部徹 Commander_Onishi
マコ Takeo_Yoshikawa
ジェイソン・ロバーズ General_Short

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

太平洋戦争の火ぶたを切った真珠湾奇襲作戦の全貌を描いた大型戦争映画。製作総指揮はダリル・F・ザナック、製作は「ブルー・マックス」のエルモ・ウィリアムス。監督は、アメリカ側が「ミクロの決死圏」のリチャード・フライシャー、日本側が「スパルタ教育・くたばれ親父」の舛田利雄と「きみが若者なら」の深作欣二。ゴードン・W・プランゲの「トラ・トラ・トラ!」とラディスラス・ファラーゴの「破られた封印」を基に、アメリカ側はラリー・フォレスター、日本側は菊島隆三と小国英雄が共同脚色。撮影は「ゲバラ!」のチャールズ・ウィーラー、日本側は「戦争と人間」の姫田真佐久、東映の古谷伸、「眠れる美女」の佐藤昌道などが参加。音楽は「パットン大戦車軍団」のジェリー・ゴールドスミス、美術はジャック・マーティン・スミスとリチャード・デイ、日本側は村木与四郎と川島泰造。特殊効果はL・B・アボットとアート・クルイックシャンク、編集はジェームズ・E・ニューマン、ペンブローク・J・ヘリング、井上親弥がそれぞれ担当。出演はアメリカ側が「ナタリーの朝」のマーティン・バルサム、「華やかな情事」のジョセフ・コットン、「レマゲン鉄橋」のE・G・マーシャル、「裸足のイサドラ」のジェーソン・ロバーズ、「砲艦サンパブロ」のマコ以下、ジェームズ・ウィットモア、キース・アンデス、エドワード・アンドリュース、ジョージ・マクレディ、エドモン・ライアンなど164 名。日本側は山村聡、三橋達也、田村高広、東野英治郎、島田正吾、千田是也、宇佐美淳也、内田朝雄、十朱久雄、安部徹、野々村潔以下155 名。デラックスカラー、パナビジョン70ミリ。1970年作品。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

1939年9月1日、山本五十六中将(山村聡)の連合艦隊司令長官の就任式が、瀬戸内海に停泊中の、「長門」艦上でおこなわれた。それから1週間とたたないうちに、時の首相近衛公爵(千田是也)が閣議を開き、アメリカの日本に対する経済封鎖を討議し、それに対して陸相東条英機(内田朝雄)は、アメリカへの攻撃を進言。41年1月24日、ワシントンの海軍情報部は日本の暗号無電を解読し、事態の容易ならないことを察知した。そして、ルーズベルト大統領は新たにキンメル提督(マーティン・バルサム)を太平洋艦隊司令長官に任命、日本の動勢に備えようとした。41年2月、山本長官は第1航空隊の大西参謀(安部徹)から真珠湾攻撃の参考意見を聞き、空母「赤城」の名パイロット源田中佐(三橋達也)の名を知った。そのころ真珠湾では、航空隊のベリンジャー中将(エドモン・ライアン)が、キンメルに日本の真珠湾攻撃の可能性を説いていた。41年4月24日、野村駐米大使(島田正吾)はハル国務長官(ジョージ・マクレディ)と、緊迫した両国の関係を打開しようとしたが、ハルゼイ中将(ジェームズ・ウィットモア)等、海軍側の強硬意見にあい、実を結ばなかった。やがて両国間の通商条約は破棄され、スターク海軍作戦部長(エドワード・アンドリュース)は、ハワイを非常時態勢下においた。そのハワイでは、日本のスパイ吉川猛夫(マコ)が、情報収集のため暗躍していた。41年10月、東条英機が陸相兼首相となり、軍部の権力は頂点に達した。一方、アメリカ側の情報部は、真珠湾攻撃の決行日を想定し、スチムソン陸軍長官(ジョセフ・コットン)は大統領にそれを伝えることを約し、またマーシャル大将(キース・アンデス)もハワイのショート将軍(ジェイソン・ロバーズ)やキンメル提督に、警告を発していた。12月2日、ハワイへ向け進航中の、南雲司令官(東野英治郎)の第一航空艦隊は、山本長官から「ニイタカヤマノボレ」という暗号を電受した。いよいよ真珠湾攻撃の時が来た。12月7日、東郷外相(野々村潔)は駐日大使の天皇拝謁を助け、局面打開を求めたが、道はすでにふさがれていた。翌12月8日未明、遂に南雲中将の率いる機動部隊は、オアフ島北方から真珠湾に迫り、午前7時57分、淵田少佐(田村高広)を先頭とする戦隊が、空から敵地へ突っこんで行った。真珠湾攻撃は見事な成功をおさめ、「赤城」からは、作戦成功を伝える暗号が打電されていた。「トラ・トラ・トラ!」。(20世紀フォックス配給*2時間30分)

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2007年8月下旬号

特別企画 『黒澤明vs.ハリウッド「トラ・トラ・トラ!」その謎のすべて』をめぐって:対談 田草川弘×尾形敏朗

1970年11月上旬号

今号の問題作:トラ・トラ・トラ!

1970年10月下旬号

「トラ・トラ・トラ!」問題ルポ:第16回

1970年10月上旬秋の特別号

外国映画紹介:トラ・トラ・トラ!

1970年1月下旬正月特別号

「トラ・トラ・トラ!」問題ルポ:第15回

1969年12月下旬号

「トラ・トラ・トラ!」問題ルポ:第14回

1969年10月下旬号

「トラ・トラ・トラ!」問題ルポ:第14回

1969年9月下旬号

「トラ・トラ・トラ!」問題ルポ:第13回

1969年9月上旬号

「トラ・トラ・トラ!」問題ルポ:第12回

1969年8月下旬号

「トラ・トラ・トラ!」問題ルポ:第11回

1969年8月上旬号

「トラ・トラ・トラ!」問題ルポ:第10回

1969年7月下旬号

「トラ・トラ・トラ!」問題ルポ:第9回

1969年6月下旬号

「トラ・トラ・トラ!」問題ルポ:第8回

1969年6月上旬号

「トラ・トラ・トラ!」問題ルポ:第7回

1969年5月上旬号

「トラ・トラ・トラ!」問題ルポ:第6回 黒沢プロ-FOX映画会談と契約書の詳細

1969年4月下旬号

「トラ・トラ・トラ!」問題ルポ:第5回 佐藤純弥監督の証言

1969年4月上旬春の特別号

「トラ・トラ・トラ!」問題ルポ:第4回

1969年3月下旬号

緊急ルポ「トラ・トラ・トラ!」と黒沢明問題:第3回

1969年2月下旬号

特別ルポ「トラ・トラ・トラ!」と黒沢明:

2022/11/18

2022/11/21

80点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 
字幕


見応え抜群・・

 1941年12月8日、太平洋戦争の開始となった真珠湾奇襲作戦の全貌を描いた大型戦争映画作品。
これってまだ鑑賞したことがなかったのがビックリ、当然鑑賞済みだとずっと思っていた。鑑賞してみてまたビックリ、なかなか良いぞと思った。日米両国の共同製作で、これは上手くいっていると感じた。特に、後半の真珠湾攻撃のシーンは、見応えが抜群だった。

2022/10/08

2022/10/08

74点

テレビ 
字幕


NHK・BSで放映されていたものを録画、視聴

・史実に忠実に制作:日本側の宣戦布告が遅れたこと。米国軍の上層部が油断していたこと。を再現。
・臨場感:ハワイから観た真珠湾攻撃が、どんなものだったかわかる。
・戦闘シーン:長いかな。

2022/10/04

2022/10/06

82点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 
字幕


迫力十分な攻撃シーン

 本作云々より、「トラ・トラ・トラ!」というと、どうしても黒澤明監督に思いがはせる。FOXからすれば、日本側シークエンスの一監督に指名したに過ぎないが、巨匠は総監督と思い込んでいた。戦艦赤城の巨大セットまで作ったというから相当な力の入れようだ。日本の主要キャストに実際の軍人出身者を予定していたようだが、これはいただけない。せっかくの大作も素人の演技で台無しになるところだった。やはり山本五十六には本作の山村聰のような重厚な演技が求められる。
 本作は史実にもとづき、太平洋戦争開戦前夜から真珠湾攻撃までを描いている。着々と攻撃の準備をしている日本とどこか鷹揚に構えているアメリカ。この対照的な動きがそのまま真珠湾の攻防に現れる。日本の攻撃はまさに奇襲であり、アメリカの防御は後手後手に回り、壊滅的な被害を受ける。
 この攻撃シーンは迫力十分で、最大の見せ場ということもあり、かなりの時間が割かれている。特に超低空飛行のゼロ戦が次から次へと停泊中の艦船や駐機中の戦闘機を爆撃し、破壊していくさまが凄まじい。あまりにも一方的な展開のため公開当時はアメリカでは不評だったということもうなずける。
 しかし日本にも誤算があった。最大のねらいであった二隻の空母が停泊しておらず、撃沈することができなかった。劇的な勝利にわき、二次攻撃すべきという進言をさえぎり、空母がいないのでは燃料の無駄だと司令官の南雲中将(東野英治郎)が帰還を命じる。戦争が長期化するのを見越してのことだ。
 また日本の宣戦布告が遅れてしまい、駐米日本大使がハル国務長官を訪れたのは真珠湾攻撃から1時間近くも後だった。これが真珠湾攻撃がひきょうな奇襲とみなされ、アメリカの怒りを買うことになる。そのことを最も熟知していたのが山本司令長官で、眠れる巨人を起してしまったと悔恨する。
 その後のことは歴史が証明するところだが、あまりにも一方的な日本の攻撃シーンを観ていると、これでは十倍返しされてもしかたがなかったと思わざるを得なくなる。

2022/10/04

2022/10/04

80点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 
字幕


実際にあった戦争を映画化するにあたっていかようにも話を盛り込むことができる中で、可能な限り史実に忠実に、中立に描こうとする姿勢が読み取れる傑作意。憶測は排除していることもあって、映画的な盛り上がりなど多少煮え切らない部分はあるが、あの時何が起きたのかを知るには十分理解できる。英雄を謳いあげるわけではなく、無名の兵士たちを美化することもない良心的な映画。

2022/08/27

2022/08/27

75点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 
字幕


14年ぶり4回目の鑑賞。

私事で恐縮だが、プロジェクター時代(主に00年代)を除き、現在、一番大画面モニターになったこともありNHK録画を鑑賞してみた。
2時間24分、カラー・シネマスコープ、20世紀FOX。
実は、Amazonプライムの299円で見始めたのだが、何と!16:9サイズ。
20世紀FOXのオープニングもない、日本公開版の2時間28分44秒。
オープニング・クレジットの日本海軍のいいツラの連中も、部分的に縦長になってしまっていて、鑑賞放棄。
でも日本公開版箇所のチェックついでにクライマックスは、ほぼ見返してしまった。
16:9は、それなりに大迫力。
でも最近、多いんだよね、このパターンが。
同じパターンで、U-NEXTで16:9の「スターマン」は見たし、16:9の「2001年宇宙の旅」も見るつもりなのだが、これはあくまで例外。
16:9「大いなる西部」なんかは見る気せず。

今日、見て考えたのは、黒澤明が監督してもリチャード・フライシャーは出て来たのかしら?ということ。
黒澤さんが、共同監督なんてOKするのだろうか?
きっと文献等で、もう明らかなことなんだろうけど。

日本の開戦日は12月8日、月曜日。
アメリカのリメンバー・パールハーバーになった日は、12月7日、日曜日。
開戦に至るまでの日米それぞれの外交経過は、あまり面白くない。

日本海軍パイロット、田村高廣(淵田美津雄=赤城飛行隊長)が、やたら明るく笑顔。
三橋達也が源田實を演じてるが、彼は出撃しない。
ラストで三橋が「攻撃は反復しなければなりません。」というが、東野英治郎(南雲忠一艦長)が真珠湾に空母が居ないことを理由に拒否。
アメリカのハル国務長官が「一国の政府たるものが、これほどのウソをつけるとは、今日まで夢にも思わなかったぞ。」と野村吉三郎駐米大使(島田正吾)と来栖三郎特命全権大使(十朱久雄)に言う。
まるで2022年のロシアのことのようだ。

「大魔神」と同じく、クライマックスがほとんどの見どころを占めると言っていいのだが、始まったら始まったで延々と続く感じ。
いくつかのスタントマンのスーパーショットがある。
命を賭けたシーンだからこそ、観客は驚く。残酷だ。
CGには驚きが、ない。

1969年12月、テアトル東京で「チップス先生さようなら」を見た時、予告篇を見たと思う。
あの予告編はシネラマだったろうか。
「マッケンナの黄金」は、シネラマの予告篇というのを覚えてるんだけど。

ジェリー・ゴールドスミスの音楽が「猿の惑星」ぽくなる時がある。
日本側のシーンには、必ずと言ってよいほど琴を使用。

山本五十六・・・1943年死去、59才。
(山村聡)

源田實・・・・1960年、ブルーインパルス創設。
(三橋達也) 1962年~1986年、参議院議員
       1963年、赤十字飛行機隊初代隊長
       1989年死去、84才。

南雲忠一・・・1944年サイパンで自決、57才。
(東野英治郎)

淵田美津雄・・戦後はキリスト教者、1976年死去、73才。
(田村高廣)

このNHK=アメリカ公開版鑑賞のあと、Amazonプライムの日本公開版をチェック。
おおよそ6分長いのだが、
①山村聰(山本五十六)と芥川比呂志(木戸幸一内相)が)が昭和天皇に会おうとするシーンが2分25秒。
②料理人の渥美清と松山英太郎が、日付変更線の話をするシーンが1分45秒。
 渥美さんが、お笑いの中に、しっかりした知識を披露する。
③インターミッション(音楽入り)と直前に入る12月7日のカレンダーのアップが2分25秒。
 あとマコ岩松と永井秀明のシーンがあるはずなのだが、判らなかった・・・。
 尺数的にも入る余地がなく、もしかして復活してないのかしら?
  *なおムービープラスの日本公開版はインターミッションのところはカットしてあった。

私が1976年、東京大塚駅前の大塚名画座で見たのは当然、日本公開版。
天皇絡みのシーンがあったのを、今日、思い出した。

2022/02/07

2022/02/09

60点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 
字幕


寅と縞模様とクロスカッティング

日本人場面に限らず、独特な色彩感覚が全編に感じられる。空母なのだろうか戦艦たちは、全てがその色から生まれてきたようなグレーに染まっている。そこから発射する雷撃機なのだろうか、戦闘機たちもどこかくすんだ色をしており、それは敵からの視認を避けるために最善の色彩として採用されているのかもしれない。真珠湾に停泊あるいは待機する米軍の船たちにしても、それは大きく変わらない。こうした灰色世界にはしかし、いたるところに赤が点滅しているように感じられる。
海軍の赤く輝く旭日旗もさることながら、信号も赤く、赤い装丁の本も登場する。黒い制服、白い制服があり、それぞれの兵士たちは並び、囲み合い、立ったり座ったりを繰り返しながら、開戦のときに備え、あるいは不意の開戦までを過ごしている。そうしたなかで赤いものが警告的に現れているようにも感じる。つまり後半に盛大に催される爆破と破壊と炎の予告編としての赤い物の現れがみえている。耳の方からも色々な音が入ってくる。笛や太鼓などオリエンタルな曲調を意識した日本の場面もありながら、プロペラの回転音、機体や爆弾の落下音、空を切り裂く音や爆発する音などがいつもどこかから聞こえてくる。自動車が走り、船舶が海上を走り、航空機も飛び、そうした機械たちが音をたてて機動している。暗号を解読し、タイプを打つ音も聞こえている。笑い声も太平洋を挟んで西からも東からも聞こえてくる。ラジオからもニュースが入ってくる。こうした一切合切も戦争という接点がなく、戦死がなければ、どこかユーモラスな喜劇にも見えうる。あるいは、後半の迫真的な真珠湾攻撃の演出も、それがただの映画的な演出であり、現実とは離れた幻想的なファンタジーとしてしまえば、ただのお笑い種にすぎない。
山本五十六(山村聡)はどこか震えている、あるいは慄いているようにもみえる。彼の顔面が上下のフレームいっぱいに広がるとき、彼そのものが悲劇的にも喜劇的にも映されている。紙煙草や葉巻が煙っている。港湾の基地や戦艦が爆撃され、煙が漂ってくる。暗号も含めこうした「魔法」に積極的に関与しているのが、日本のこうした顔たちである。南雲(東野英治郎)は太平洋の洋上で浮かびあがっている。淵田(田村高廣)は意気盛んにハワイ上空で地上を睨みつけている。こうした日本の面々に比べると、ジョゼフ・コットンやジェームズ・ホイットモア、マーティン・バルサムらが演じるアメリカの面々はそれぞれがそれぞれのミスに焦り、右往左往しながらも、奇術的をいまにもひねり出そうとする演出的な気合などは、それほど感じられず、西洋と東洋がやや対比的にも見えている。赤城から次々と攻撃機が発艦していくシーンでは太陽とその翳りが印象的に描かれている。東洋と西洋とあわいがまるで、そのとき、そのところに現れているかのようでもある。日曜日の攻撃ではあった。日付や時刻の誤差やずれへと偏執的に眼を向けるとき、この開戦の機械性に潜んだよくわからないうちに始っていたという実態に迫ることがあるのかもしれない。西洋と東洋がクロスカッティングされることで、虎の様な縞のある模様がフィルムに刻まれているのでもある。