封切りから2年の1980年に「日曜洋画」で見たっきりだったが、「映画秘宝SF100選パート2」に選ばれたのを機に、見返した。
70年代、出来損ないの娯楽映画が多い中で、意外とダレずに一気に見れた。
「地球爆破作戦」「ウォーゲーム」そして「ターミネーター」と共に記憶していい作品である。
地球の未来を客観的に見つめれば、地球の滅亡に向かって、人類が手を貸しているは明らかである。
地球温暖化と共に、危惧されるのは人間とAIとの関係だ。
1985年、「漫画だな。」と一笑に付した「ターミネーター」が現実になりつつある。
中東などで、国境パトロールを、銃器を装備した無人車が走っているのをテレビで見た。AIがどの程度活用されているか失念したが、完全に機械化されるのは時間の問題だ。
人間以上に敏捷に動ける人型ロボットも生まれている。
無人偵察飛行機にしても御同様である。
これら防衛システムがコンピューターに連動されれば、世界の核戦力がAIに繋がれる日も近い。
AIが考える力を得れば、地球とAIにとっての「敵」は、人類と考えてもおかしくない。
そのあたりの突っ込みは、「デモンシード」においては深く描いてはおらず、もっぱらクリスティと「プロテウス4」との懐妊プログラムを描くのに力を入れている。
ラストは、あそこまでは覚えていたが、その後は忘れていた。
味わい深いものではあるが、まぁ忘れても仕方がないものか。
「終わり」ではなく、これが「始まり」であることを予感させる不気味さ、いいラストである。
コンピューターの声を担当したロバート・ヴォーンの「冷たい声」を堪能した。いい仕事だ。(ノンクレジットだそうな。)
コンピューターを実体化?させたルービックキューブのお化けのような代物が、操演丸出しだが、なんともアナログっぽくて愛おしい。
ジュリー・クリスティの一人芝居が最高だ。
この時期としては珍しい、純正のMGM映画のようです。