開拓時代の西部を荒らし回る3人組の強盗団。ジム、ワフウ、サム。磊落で軽妙な3人の友情を描いた映画前半はコメディタッチでとても楽しいです。しかし、3人のうちジムとワフウが、テキサスを警備する「テキサス決死隊(テキサス・レンジャー)」に軽い気持ちで入隊したのをきっかけに、3人の関係は変わっていきます。善か悪か、正義か友情か…、変わりゆく状況の中で深く問いかけてくる重厚な物語。前半に描かれた男気のある暖かい友情が最後まで映画を包んでいますが、それだけに後半の3人の選択が胸に迫ります。傑作です。
輪郭の鮮明なモノクロ映像も特筆ものです。まるでルビッチが荒野を撮ったかのような端整な美しさがあると思いました。
開拓時代のテキサスには、危険を顧みずテキサスを守る“テキサス決死隊”と異名をとる警備隊があった。この映画はテキサス警備隊(テキサス・レンジャー)に捧げられている。
<ストーリー>
ジム(フレッド・マクマレイ)、ワフウ(ジャック・オーキー)、サム(ロイド・ノーラン)は3人組の強盗団。友情厚くならず者らしい男気のある3人は駅馬車強盗などに明け暮れていた。ある日、役人に不意を付かれて慌てて逃げたため、ジムとワフウはサムとはぐれてしまう。2人はテキサスへやって来たが、「テキサス決死隊」の守るテキサスではなかなか仕事ができなかった。金は無くなりお腹がすいて、ついにジムとワフウは当座をしのぐためテキサス警備隊に入隊した。
さっそく、牛泥棒を捕まえよという指令を受けた2人は、河を渡る牛泥棒と遭遇する。「さぁ捕まえるか」「しかし彼らにも生活がある」などとためらっているうちに、2人は牛泥棒のボスがサムであることに気付く。3人は駆け寄って再会を喜び合い、牛が河を渡るのを手伝う。そして、ジムとワフウは今後は警備隊の情報をサムに流し、それで大儲けしようと約束する。
隊へ帰る途中2人はインディアンに襲われて両親を殺された少年デイヴィッドを救った。インディアンの襲撃の被害はますます増え、警備隊長はインディアンを大挙、保護地区に追い込む計画をたて、警備隊は隊を組んで出動した。しかしインディアンは数倍の大軍であり、警備隊は苦戦する。ジムは命からがら援軍を呼びに行き、インディアンを保護地区に撃退することができた。
ある日、キンボール地方をヒギンスという悪辣な人物が牛耳り市民を苦しめているという報せがあり、ジムが派遣されることになった。ジムはヒギンスを追いだし、その後釜にサムを据えて共に暴利をむさぼろうと企む。しかし、警備隊で本当の友達ができ、正義に目覚めてきたワフウはこの計画から降りると言う。キンボール地方に乗り込んだジムは、ヒギンスを起訴し、裁判で勝利し、町の浄化に乗り出した。この時ジムの心にも正義が芽生える。ジムはサムに「この町を浄化したいから、他所へ行ってくれ」と頼む。サムはジムの気持ちを汲んで「邪魔はしないさ」と町を出て行く。このときの、善と悪の立場でありながら、友情厚い2人の関係の描写が素晴らしいです。サムはならず者でありながら、いなせな感じの若者でチョットかっこいいのです。サムへの気持ちが残る描き方が、今後の展開に生きてきて、上手いと思います!
その後、サムは各地で列車強盗を繰り返しているようで、新聞では事実以上の騒がれ方をしている。ある日、ジムは隊長にサムを逮捕してくるよう命令される。ジムは「できません」と答え、警備隊を辞職する。隊長はジムが過去にサムと強盗団を組み、指名手配されていることを知っていた。サムの逮捕を打診してジムを試していたのだ。サムとまだ切れていないと疑われ、ジムは牢屋に入れられる。これを聞いたワフウは単身サムを捕えに行くが…。
この後の、ジム、ワフウ、サムの運命やいかに。
面白いです。
ぜひご覧ください