月の出をまって

つきのでをまって|Waiting for the Moon|Waiting for the Moon

月の出をまって

レビューの数

2

平均評点

62.0(5人)

観たひと

13

観たいひと

2

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 アメリカ
製作年 1987
公開年月日 1988/2/6
上映時間 90分
製作会社 ニュー・フロント=ABフィルムズ=L・I・I・プロ作品
配給 シネセゾン
レイティング 一般映画
カラー カラー/ビスタ
アスペクト比 アメリカンビスタ(1:1.85)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声 モノラル

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演リンダ・ハント Alice_B._Toklas
リンダ・バセット Gertrude_Stein
ベルナデット・ラフォン Fernande_Olivier
ブルース・マクギル Ernest_Hemingway
ジャック・ブーデ Guillaume_Apollinaire
アンドリュー・マッカーシー Henry_Hopper

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1930年代のパリを舞台に生涯を作家活動に生きたガートルード・スタインと秘書アリスの生活を描く。製作はサンドラ・シュールベルグ、エグゼクティヴ・プロデューサーはリンゼイ・ロウ、監督はこれがデビューのジル・ゴッドミロー、脚本はマーク・マッギル、原案はゴッドミローとマッギル、撮影はアンドレ・ニュー、音楽はマイケル・サール、編集はジョージ・クロッツが担当。出演はリンダ・ハント、リンダ・バセットほか。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

1936年夏、南仏ビリニャンの別荘の庭で、ガートルード・スタイン(リンダ・バセット)が執筆中の「アリス・ローズ」の校正を、彼女の秘書アリス・B・トクラス(リンダ・ハント)と行なっている。女流作家であるガートルードにかわって彼女の身のまわりの世話や家事を切り盛りをするアリスは、彼女と共に、アメリカからフランスに渡って、パリのフルリュス街の芸術家たちが集まるサロンに住み、夏は、別荘で過ごしていた。ある春、重病にかかり、長くはないと言われたガートルードは、アリスにはそのことを告げず冷静に日々を送っていた。ある日2人はT型フォードで、アポリネール(ジャック・ブーデ)の待つリモーヌに向かう途中、ヒッチハイクでスペインへ行くという青年ヘンリー(アンドリュー・マッカーシー)と、ピカソの当時の愛人オリヴィエ(べルナデット・ラフォン)を同乗させた。その夜、顔を揃えた一同は、焚火を囲みアポリネールの不思議な話に耳を傾けた。ガートルードの病状を知っているアリスは思い悩み、咄嗟に手近な教会で懺悔をするが、安らぎは得られなかった。そんな中、友人のへミングウェイが酔って騒ぎを起こしているのを鎮めに行ったり、ガートルードを取りまく芸術家たちとの触れ合いで日々が過ぎてゆく。やがて、ガートルードの病気が誤診だとわかる。ある夜、庭の木陰に肩を寄せ合い、静かに月の出を待つ2人の姿があった。

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2021/03/29

70点

その他/試写会 
字幕


Waiting For the Moon

最初に見た時は
リンダ・ハントの142㎝の
子供の様な身長に不思議な顔をした
雰囲気たっぷりの彼女に魅せられて
しまいました
でっかいガートルード・スタインと
小さな秘書アリス・B・トクラスが過ごした
ある夏の物語なのだけれども
アリス役の今はCSI-LAでお馴染みですね
兎に角会話がとても素敵で
ピカソやアポリネール
ヘミングウェイ等綺羅星の人たちが
続々と登場するし
若き頃のアンドリュー・マッカーシーも
とてもフレッシュ
ラストのセリフも素敵で余韻が残ります
「答えはイエスよ。何でもいいわ。答えはイエスよ。」

2015/08/07

82点

レンタル/VHS 


何でもない日常を愉しむ心の豊かさ

ネタバレ

何の変哲もない日常を淡々と描く映画・・・。美しい映像と魅力的な登場人物。きめ細かい心理描写に共感し、インテリアや自然を見る愉しみがゆったりとした時間に癒されつつ、心を豊かにさせてくれる作品。

アメリカの女流作家ガートルート・スタイン(彼女の本を無性に読みたくなった)と、秘書のアリス・トラスクが暮らすフランスの家。年配の女性の住む家らしく、暖かくて居心地のいい部屋。彼女たちは2人で、文章を校正しあい、お茶を飲み、ラジオの修理や裁縫をし、ピクニックに行ったり、ガーデンパーティーを催したり、お芝居の練習をしたり、昼寝をしたり、月の出を待ったり、怒ったり、笑ったり。こんなごくごく日常生活を楽しんでいる(余談だが、印象に残っているのが、アリスが自分とは違う宗派の教会に懺悔に行くシーン。個性の強いガートルートにガマンできるアリスは聖人だと周囲から言われることについての不安を語ると、「聖人になるには改宗しなさい」とトンチンカンな答えを出す牧師(司祭か神父と言うべきか?)に、シニカルな笑いを覚えた)。

大きな事件は何も起こらないが、彼女たちの周囲(アポリネール、ピカソ、ヘミングウェイなど今をときめく芸術家が揃い踏み)には死の影のような重大な問題が潜んでいる。それでも彼女たちの時間は彼女たちのペースに合わせてゆっくりと進んでいる。私もこんな豊かな生活(物質的にではなく、精神的に)を送りたいと痛いほどの憧憬を胸に、2人と一緒に月の出を待ちたい・・・。