チャップリンの独裁者

ちゃっぷりんのどくさいしゃ|The Great Dictator|The Great Dictator

チャップリンの独裁者

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レビューの数

62

平均評点

82.4(372人)

観たひと

658

観たいひと

75

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル コメディ / ドラマ
製作国 アメリカ
製作年 1940
公開年月日 1960/10/22
上映時間 126分
製作会社 ユナイテッド・アーチスツ映画
配給 東和
レイティング 一般映画
カラー モノクロ/スタンダード
アスペクト比 スタンダード(1:1.37)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声 モノラル

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

チャールズ・チャップリンの3大名作の1つといわれる「偉大なる独裁者」(原題)がついに日本で公開される。1940年、ヒットラーのナチスがドイツで、ムッソリーニのファシストがイタリアで、それぞれ独裁をなしとげ、その黒い手を世界にのばし始めた頃、そのファシスト独裁者を痛烈に批判し、全世界の人々に自由のためにたたかうことを呼びかけようとつくられたのが、この作品であった。またチャップリンが始めて完全なトーキーを使った作品であり、山高帽・ドタ靴・ステッキ・アヒル歩きのチャップリン・スタイルの最後の作品である。例によって、製作・脚本・台詞・監督・主演はチャップリン自身。撮影はカール・ストラッスとローランド・トセロー。音楽監督はメレディス・ウィルソン。出演はチャップリンがトメニアの独裁者ヒンケルとユダヤ人の床屋との2役にふんするが、バクテリアの独裁者ナパロニにジャック・オーキー、ユダヤ人の美少女ハンナにポーレット・ゴダードがふんし、そのほか、レジナルド・ガーディナー、ヘンリー・ダニエル、ビリー・ギルバートらの出演。チャップリンの永年の共演者チェスター・コンクリも姿を見せる。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

1918年――第1次世界大戦の末期、トメニア軍陣地では1兵卒であるユダヤ人の床屋(チャーリー・チャップリン)が奮戦していた。しかし、敗色は濃く、前線では敗退がつづき、上層部ではひそかに平和交渉が始められていた。何も知らぬ将兵は勝利を信じてた戦った。トメニア軍の空軍将校シュルツ(レジナルド・ガーディナー)は敵に包囲され、危ないところを床屋に救われた。傷ついたシュルツを助けて2人はトメニアに命からがら逃げかえったが、その時すでに戦争には負けていた。床屋は戦傷のためすべての記憶を失い病院に収容された。数年の年月が流れ、トメニアに政変が起こった。その結果ヒンケル(チャーリー・チャップリン)という独裁者が現われ、国民の熱狂的な歓迎を受けた。彼はアーリアン民族の世界制覇を夢み、他民族ことにユダヤ人の迫害を行った。ユダヤ人街のジャッケル(モーリス・モスコヴィッチ)の家族やハンナ(ポーレット・ゴダート)らは、不安な毎日を送っていた。床屋は政変のあったのも知らず、このユダヤ人街の自分の店に戻って来ていた。突撃隊の隊員はユダヤ人街に来ては乱暴した。ハンナはくやしがった。臆病者の床屋も彼女と協力して彼等に抵抗した。ある時、突撃隊に逮捕されかかった床屋を、通りかかった今は突撃隊指揮官になったシュルツが救った。おかげでユダヤ人街にも平和な日々が戻った。ヒンケルは自分の独裁政治をかくすため、国民の関心を外に向けようとオスタリッチ進駐を考え、軍資金をユダヤ人財閥に借款を申し入れたが拒絶された。ユダヤ人迫害が再開された。シュルツはヒンケルの政策の非を進言し、そのせいで失脚した。彼はジャッケルの家に隠れていたが、突撃隊に発見され床屋とともに逮捕された。床屋を慕うハンナは身の危険をさけるためジャッケル氏らとオスタリッチに逃げた。独裁者ナパロニ(ジャック・オーキー)指揮のバクテリア軍もオスタリッチに侵入した。ヒンケルはバクテリア軍を撤退させようと、ナパロニを招き、お互いにオスタリッチの主権を尊重する誓約書に署名させ、撤退に成功した。そのスキに自軍進駐の準備をした。床屋とシュルツは軍服を盗んで収容所を脱出した。国境で進駐準備の軍隊がヒンケルと間違え、進軍を開始した。その頃、ヒンケルは鴨狩中を床屋と間違えられ、警備兵に逮捕された。数万のヒンケル軍はオスタリッチに到着、床屋は演説をしなければならなくなった。壇上に立った床屋はロウバイしたが、気持ちを落着けて話しはじめた。“独裁者の奴隷になるな!民主主義を守れ!”彼の声はしだいに熱をおび自由と平和を守ろうと叫んだ。それはオスタリッチのハンナたちにも語りかけているようだった。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2011年1月上旬号

午前十時の映画祭:「ライムライト」「チャップリンの独裁者」「フォロー・ミー」

1973年9月上旬号

グラビア:「チャップリンの独裁者」

特別対談 「チャップリンの独裁者」研究1:「チャップリンの独裁者」について語ろう! 淀川長治×斎藤耕一

分析研究:チャップリンの独裁者

特別対談 「チャップリンの独裁者」研究2:民衆的な政治人間としてのチャップリン

1960年12月下旬号

「チャップリンの独裁者」ヒットの要因:各界アンケート

1960年11月下旬号

外国映画批評:チャップリンの独裁者

1960年10月上旬秋の特別号

外国映画紹介:チャップリンの独裁者

シナリオ:チャップリンの独裁者

1960年9月下旬号

新作グラビア:チャップリンの独裁者

2019/10/10

2019/10/10

-点

映画館/東京都/有楽町スバル座 

『独裁者』。チャップリン初の発声映画。角川映画配給のプリント上の邦題は「独裁者」。シリアスドラマだが、巨大カノン砲のギャグなどを挿入。好きなのは、床屋(チャップリン)が舞台上で他の人と椅子を並べ替えるギャグ。ヒンケルの演説に敬礼する聴衆たちの一部は人形。手の上げ下げがかわいい。

2019/09/27

2019/09/29

98点

購入/DVD 
字幕


ハンナ、空を見上げて 

四日違い生まれで、同じチョビ髭をつけたチャップリンとヒトラーの浅からぬ因縁。製作を始めた1939年、ドイツは元より多方面からの圧力を受けた。それでも屈せず大ヒットさせたこれまた名作。映画史に残るラストの演説は感動の極致。チャップリン初の完全トーキーでもある。二役のチャップリン、おしゃべりは独裁者ヒンケルに任せ、放浪紳士チャーリーのイメージは床屋で寡黙に徹し、サイレントの芝居で笑わせる。

物語は1918年、第一次世界大戦から始まる。戦場でチョビ髭をつけてチョロチョロしているチャーリーは、それだけでも愚かな戦争をおちょくったような存在だ。ドイツ軍がパリを砲撃する時に使った長距離ベルタ砲を再現して、その周辺のドタバタで笑わせる。飛行機の上下逆さまも愉快。この時見られるギャグのいくつかは、後にドリフやビートたけしも真似している。

ヒンケルのしゃべる言葉は、ドイツ語っぽいがデタラメ。何を言っているのかわからないのだが、エキサイティングすればするほど、可笑しみが増してくる。街を通ると人々はみんな「ハイル ヒンケル」と手を挙げるのだが、様々な彫像の手まで挙がっている。通りではナチスを思わせる兵士たちが我が物顔で傍若無人に暴れ回っている。ハンナ役のポーレッド・ゴダードは今作でも活発で、そんな暴力にフライパンで対抗して頼もしい。間違って殴られるチャーリーのフラフラダンスが最高。

これまた有名なのが、ヒンケルが地球を模した巨大な風船で戯れる名場面。ヒトラーが好んだというワーグナーの「ローエングリン序曲」に乗せて、バレエのような優雅な動きで笑わせる。完全主義のチャップリンは、このシーンに二ヶ月も費やすという念の入れよう。その動きは完璧に計算されたもので、独裁者の狂気を笑いに転化させて秀逸だ。対して床屋のチャーリーも「ハンガリアン舞曲第五番」に合わせて、髭を剃る。これまた音楽と動きの見事なシンクロに感心すると共に、笑わせてもくれる白眉の名人芸。

近隣国の独裁者ナパロニのモデルはムッソリーニ。ヒンケルとの交渉のやりとりのドタバタは結構長い。ヒンケルはナパロニが苦手なようで、おどおどしているのが可笑しい。如何に自分を上に見せるかに腐心するヒンケル側と、そんな策略など意に介せずな態度のナパロニとのやりとりに大笑い。上下する椅子の仕掛けも手が込んでいる。全ては独裁者たちを笑い飛ばす手段なのが痛快だ。

さて、終盤までヒンケルとチャーリーが似ていることには全く触れられていないのは意外だが、軍服を着ただけで誰もが疑いなくチャーリーをヒンケルだと思い込んでしまう。まるで軍服が権力の象徴であるかのようだ。やがて壇上に担ぎ上げられたチャーリーは、意を決したかのように語り出す。長い間トーキーを否定してきたチャップリンが話す言葉は、これ以上なく重く観客の胸に響いたことだろう。独裁者の姿で否定する独裁者の立場。更に呼びかける平和の願い。兵士たちには彼らの人格を否定するような独裁者の言いなりになるな、隷属ではなく自由のために闘えと説く。そしてチャップリンの母の名を託したハンナには、新しい世界への希望を語る。苦しい時こそ空を見上げよう。そこには、希望の光、輝かしい未来が待っているはずだから…。

1960年キネマ旬報ベストテン第1位。20年前に作られてようやく日本公開された作品が、第一位とはこれは凄いことだ。

2019/09/04

2019/09/04

100点

購入/DVD 
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すごくいい映画でした

演説のレトリックを勉強している中で、この映画の存在を知りました。前半は、ナチスのユダヤ人迫害が描かれますが、見どころは、最後のチャップリン演じる床屋の演説です。ヒトラーの演説レトリックをそのまま用いて、チャップリンは世界平和を訴えます。最後のこの演説は、ものすごく心に響きました。素晴らしい映画でした。

2019/06/07

2019/06/07

100点

レンタル 


風刺とヒューマニズム。

1981/12/01

2019/04/12

75点

映画館 
字幕


乗り切れず

映画史上の名作の誉れ高い本作だけど、政治的メッセージがあまりにもストレートに出過ぎた出来栄えにイマイチ乗り切れず。もちろんのこと、デモクラティックな自由を高らかに謳い上げたテーマに異を唱えるつもりはまったくないし、あの不穏な時代に良くぞここまで反ファシズムを打ち出したその勇気は素晴らしいと思うけど。とまぁ、そんな声高な物語を棚上げにすれば、いつもながらにアイデア満載のギャグや、C・チャップリンのアクロバティックな芸達者ぶりが存分に楽しめる見事な風刺劇だった。

2019/03/11

2019/03/11

80点

選択しない 


映画という表現でいかに伝えるか。

ヒトラーをはじめとするファシズム政権を批判する一方で、短絡的なテロリズムも同じく間違っていると指摘。でもそれは、映画という表現で整えられていて、チャップリンがいかに冷静にでも熱くメッセージを伝えようとしていたか分かる。ラストの大演説も鳥肌が立つが、独裁者が地球儀を模した風船と戯れるシーンも印象的だった。