リチャード・ウィドマーク&ジェーン・グリアの主演でサスペンス映画、と知ったら観ないわけにいかない!
これほどハラハラドキドキさせてくれるサスペンス映画は久しぶり。
リチャード・ウィドマークは他作品でカラー映画を何本か観たことあるが、ジェーン・グリアのカラー作品は初めて。実に綺麗。もちろんモノクロ映画でも『過去を逃れて』など綺麗だったが、色彩豊かなサスペンス映画も良いもの。
サスペンス映画では都会を舞台にしたものが多いが、本作はメキシコの田舎町とジャングルが舞台となっていてユニーク。
このジャングルが出口の無い密閉空間のようになる中、男女二人はマンハントされることになり逃げる逃げる…。
「圧倒的に不利な条件で、二人は逃げ切れるのか?」がサスペンスを盛り上げる。
物語は、失踪した売れっ子作家ラティマー(リチャード・ウィドマーク)を探して記事にしようとする女性記者ケティ(ジェーン・グリア)は、メキシコの田舎町で彼を見つけるが、マスコミ嫌いの彼に女性記者は身分を明かさずに接近。二人には信頼関係が生まれる。
ラティマーは愛していた妻を友人に奪われてペンを折ったことを知り、ケティは彼の記事を書くのを止めることにした。ケティはニューヨークに帰ろうとする。
田舎町なので、車でアカプルコの飛行場に辿り着くことは困難なので、ラティマーがケティをアカプルコの空港まで自家用機で送って行くことにする。
しかし、ケティが使っていたメモ帳はペンがくっ付く磁石タイプのものであり、それを飛行機の操縦席付近に置いたので、磁石が狂って、自家用機は燃料切れ。ジャングルの真ん中に不時着する。
彼らを助けてくれた男二人は、密林の中に家を建てて住んでいるが、怪しい雰囲気。考古学の研究のため…という割には考古学の本は無い。更に、不時着したラティマーの自家用機が忽然と消えている。外部の世界とは隔離されていると言いながら、二人の男は自家用機を持っている…などなど。
ラティマーは屋敷を探って、怪しい雰囲気の男の正体を知るが、彼らはナチス残党だった。それを知ったラティマーとケティは危険を察してジャングルの中へ逃げ込むのだが、ナチス残党は猛犬とともに男女二人を抹殺するために追いかけてくる……二人は逃げ切れるのか?
ハラハラさせるサスペンスだけでなく、ラティマーとケティの恋心が離れたり戻ったりとラブストーリーも盛り込んだ実に面白い映画だった。
一風変わった雰囲気のサスペンス映画の佳作と言えよう。
(※)最後に、こうした佳作を初DVD化してくれたことに感謝!