武田久美子が惜しげもなくベッドシーンを見せているが、結構な尺を割いている。ある意味、一番の見せ場。Ｖシネマってこうだったよなぁ、というビデオレンタル全盛期を思い起こさせる作品。いま、こういう作風の映画尺のドラマってどうなっているのか気になってきます。

1997年（平成9年）のVシネマ。影の警察と呼ばれる内閣特務捜査官西岡徳馬が内閣特別調査室局長の狙撃事件を受けて、独自の捜査チームを編成して捜査に当たる。
監督は多くのテレビドラマの演出を手掛ける藤田明二。
二年前1995年の国松長官狙撃事件があった直後の事で、冒頭の場面のは緊張感と期待が高まるが、その後の怪しい中国系銀行への潜入捜査へともつれ込むと一気にB級感が溢れる！
当時は、山一証券等多くの日本の金融機関が破綻に追い込まれ、盤石のように見えた大手銀行にも不安の影がさしていた。そうした背景から見ると中国語を操る国籍不明の頭取が仕切る銀行は、あってはならない存在。背後に正体不明の組織があって当然という話になるのが隔世の感がある。香港の中国返還はこの年。
そして捜査の切り札となるデータが（Windows95発売年）、その後の怒涛のIT革命を予感させるパソコンから盗まれたものであるところが何とも懐かしい。
煙草を吸いまくる主人公、ピアノバー、PHSでの通話等々、ドラマ以上にあの頃を語る小道具に魅入るひと時に浸った。