ミッドナイト・イン・パリ

みっどないといんぱり|Midnight in Paris|Midnight in Paris

ミッドナイト・イン・パリ

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レビューの数

290

平均評点

78.9(1986人)

観たひと

3025

観たいひと

332

Mediaproduccion, S.L.U., Versatil Cinema, S.L.and Gravier Productions, Inc.

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル コメディ / ファンタジー
製作国 アメリカ スペイン
製作年 2011
公開年月日 2012/5/26
上映時間 94分
製作会社 Gravier Productions=Mediapro=Pontchartrain Productions=Televisio de Catalunya=Versatil Cinema
配給 ロングライド
レイティング 一般映画
カラー カラー/ビスタ
アスペクト比 アメリカンビスタ(1:1.85)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声 ドルビーSRD

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

「人生万歳!」のウディ・アレン監督が贈るファンタジックなコメディ。パリを訪れた売れっ子脚本家が、夜な夜な1920年代の世界に迷い込み、当時の文化人や芸術家たちと巡り会う。出演は「ダージリン急行」のオーウェン・ウィルソン、「コンテイジョン」のマリオン・コティヤール、「バレンタインデー」のキャシー・ベイツ。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

ハリウッドの売れっ子脚本家ギル(オーウェン・ウィルソン)は、婚約者イネズ(レイチェル・マクアダムス)とともに愛するパリを訪れる。ワンパターンの娯楽映画のシナリオ執筆に虚しさを覚えているギルは、作家への転身を夢見て、ノスタルジー・ショップで働く男を主人公にした処女小説に挑戦中。パリへの移住を夢見ていたが、お嬢様育ちで現実主義者のイネズは、安定したリッチな生活を譲らない。そんな2人の前に、イネズの男友達ポール(マイケル・シーン)が登場。イネズと水入らずでパリを満喫しようとしていたギルにとって、彼は邪魔者でしかなかった。そうして迎えた第1夜。ワインの試飲会に参加した後、1人で真夜中のパリを歩いていたギルは、道に迷ってモンターニュ・サント・ジュヌヴィエーヴ通りに迷い込む。物思いに耽っていると時計台が午前0時の鐘を鳴らし、旧式の黄色いプジョーがやってくる。その車に乗り込んだギルは、古めかしい社交クラブで開かれているパーティに参加。そこで出会ったのはスコット・フィッツジェラルド夫妻に、ピアノを弾くコール・ポーター、パーティの主催者ジャン・コクトー。ギルは1920年代のパリに迷い込んだのだ。翌晩、ギルはヘミングウェイに連れられてガートルード・スタイン(キャシー・ベイツ)のサロンを訪問。そこでガートルードと絵画論を戦わせていたパブロ・ピカソの愛人アドリアナ(マリオン・コティヤール)と出会い、互いに好意を抱く。さらに次の夜。真夜中のパリをアドリアナと2人で散歩し、夢のようなひと時に浸る。ところが思いがけないことで婚約者イネズの存在を知られ、アドリアナは去ってゆく。毎晩1920年代のパリに繰り出すギルは、どんどんアドリアナに惹かれてゆく。そして5度目のトリップを終えたとき、ギルは人生を左右する大きな決断を下すことになる。果たして気まぐれなパリの街は、彼に微笑んでくれるのだろうか……。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2012年6月下旬号

REVIEW 日本映画&外国映画 公開作20作品、60本の批評:「ミッドナイト・イン・パリ」

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2012年6月上旬号

UPCOMING 新作紹介:「ミッドナイト・イン・パリ」

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読む、映画:「ミッドナイト・イン・パリ」

2022/12/24

80点

選択しない 


ウディ・アレン監督の超ヒット作品☆

パリに訪れた主人公ギル(オーウェン・ウィルソン)が1920年代の文豪ヘミングウェイ、ガートルード・スタインや画家ピカソなどに遭う、ファンタジー映画です。
如何にもウディ・アレン監督らしい作品となっております。
ギルは小説家を志してはいるものの、結婚控えている背景もあり映画の脚本家として生計を立てようとしてました。食い扶持は必要だし、夢を諦めるのは誰にでもあることだ。
そんなギルが突如1920年代へタイムスリップする。ここで面白いのはギル自身がタイムスリップしたことに気付いてないところだ。
無防備のままで、ジャン・コクトー主催のパーティに招かれたり、ヘミングウェイに遭遇したりと、どうも目の前にあることが信じられない様子であった。私のように文学や芸術に疎い者であっても知っているビッグネームが目の前に居れば、そうなるのは無理もない。
況してやギルのようにパリに憧れてる人物なら、尚更であろう。パリが生んだ偉人たちからパリを学び、パリに心酔する。これはウディ・アレン監督なりのパリの歴史の紐解きように感じた。

一方でアメリカのパリを語る有識者への痛烈な皮肉も織り交ぜてる。絵画や美術品をそれらしく解説しても、作者の思いと乖離してることは当然あると思う。
劇中では、知ったかぶりで美術品をイチイチ解説するアメリカ人男性が登場していた。ギルの婚約者イネス(レイチェル・マクアダムス)は彼のインテリぶりにゾッコンのようだった。イネスはパリの文化の深さには興味がなく、表面的な部分しか見ない人としての底の浅さが見え隠れしていた。

ギルとイネスの関係を見ると、フランスとアメリカの相容れない関係を暗喩してるようで興味深かったです。
ラストも満足できました。

2022/10/30

2022/11/13

76点

テレビ/有料放送/WOWOW 
字幕


ニューヨークではないアレン作品

いかにもウッディアレンな一作。マリオン・コティヤールとレア・セドゥが素敵すぎる。パリ好きの人なら見逃せない一作。

2022/05/26

2022/06/16

100点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 
字幕


傑作

◎ もう5回目になる。何度観ても完ぺきな作品。とにかく楽しくもある。
◎ 主役のオーウェン・ウィルソンを取り巻く女性たちが、それぞれに魅力的。その中を泳ぐウィルソンの無個性さが敵妙なバランスを保つ。傑作。

2022/05/19

2022/05/19

75点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 


SFでないSF

これをSFと言って良いものかどうかは分からないが、パリの黄金時代に憧れる脚本家で作家のギル(オーウェン・ウィルソン)が、婚約者イネズ(レイチェル・マクアダムス)とパリに来て、過去に行ってくる話。
彼が街で、道に迷っていると通りがかった車、しかもクラシックカーに誘われてパーティーに行くと、そこであったのがヘミングウェイやスコット・フィッツジェラルドなどのそうそうたる文学者。そして次々に紹介される画家達、ピカソ、ロートレック、ドガ、ダリ、ゴーギャンなど。彼も薄々過去に来ていることに気がついていたが、ピカソの愛人アドリアナ(マリオン・コティヤール)と出会い、恋に落ちる。
登場人物達が歴史でなじみの芸術家達なので、とても分かり易い。そこでは芸術論や恋愛論が交わされ、堅苦しくなく心に入ってくる。そして彼等は昔の時代を黄金時代として憧れている。黄金時代とは現在の人間が憧れる過去の幻影にすぎないことを知る。
面白いのはタイムスリップの手段。車や馬車が使われてその時代に言ってしまうこと。また婚約者イネズの父親からギルの素行調査を依頼された探偵が、車で尾行するが、ルイ王朝の時代に言ってしまうなんてバカバカしいお笑いも見せてくれる。
非常に楽しい映画である。

2017/05/04

2022/04/06

-点

テレビ 


タイムスリップ×タイムスリップ。ギルは行ったり来たり出来るのに、探偵は迷子になってしまったのか。

2022/01/07

2022/01/07

63点

レンタル 
字幕


現在への不満の反映

2022年1月7日に鑑賞。DVDにて。1時間33分54秒。ビスタサイズ・カラー。MEDIAPRO=VERSATIL CINEMA=GRAVIER PRODUCTION=PONTCHARTRAIN PRODUCTION。一部、フランス語。

ウディ・アレンの映画を観なくなったのは、いつからだろう。「SEXのすべて」(1972)から「セレブリティ」(1998)までは映画館で22本を観ている。「マンハッタン殺人ミステリー」(1993)と「セプテンバー」(1987)は未見である。もっとも最近観たのは映画館で「さよなら、さよならハリウッド」(2002)、2015年にDVDで観た「マッチポイント」(2005)が直近である。その後の17作品は未見である。う~ん、近作は今ひとつの評価だなあ。

相変わらず、タイトルは「黒地に白字」である。イングマル・ベルイマンの影響だとアレンは言っている。

本作は2011年作品である。「ラストナイト・イン・ソーホー」(2021)の皆さんのレビューで比較されているので鑑賞する。

本作は、「夜ごとの美女」(1952・監督:ルネ・クレール、主演:ジェラール・フィリップ)の翻案でしょう。

余りにもノスタルジーに浸り過ぎである。ハリウッドと決別したアレンの心情が濃く反映されている。「あの頃は良かった」と。ミア・ファローとの養女と関係を持ったアレンには、アメリカでは批判が多すぎて(今でも)映画製作に集中できないのでしょう。

レイチェル・マクアダムズ、レア・セドウ、マリオン・コティアールは良いが。

ラストからは、やっぱり「今」が一番いいとギルは気づいたということだ。イネズはともかくアドリアナも既に忘れている。アドリアナへの想いにふけるというラストならともかく。過去への憧れは、現在の不満・不安からである。婚約者と別れたことによって「逃避先の1920年代のパリ」への憧れも消えて、もう二度と過去へ行くことはないでしょう。そうなると、この2010年→1920年への遡行そのものに全く意味がないよ。自分が解放されて本来の自分を取り戻し、今の自分に自信を持てるならば、過去への夢なんか阿呆らしい限りである。と、考えてこの映画を観ると、つまらん映画です。

主人公の脚本家ギルが婚約者の真珠のネックレスを戴いて、新たな女性アドリアナにプレゼントしようとする。2人の女性に対してありえない行動でしょう。イアリングが新品じゃないと分かるし、婚約者イネズの香水の匂いがついているよ。脚本家で小説家になろうとする男にしては、何と女性心理を理解していない鈍感男なんでしょう。こんな男に小説は書けないよ(笑)

モディリアーニやピカソの愛人のアドリアナは実在の人物ではないらしい。ギルが古本市でアドリアナの日記の古書を入手する。そこに「私はジル[ギル]・ペンダーに恋をした。彼がプレゼントにピアス(実際にはイアリングと発音している)をくれた」と書いてある。というのは、余りにも作り事でしょう。

一番面白いのは、美術館でピカソが描いた例の「アドリアナの肖像画」を、ポール(イネズの浮気相手)が傑作だと言うのを、ギル「彼女の美を表現していない。駄作だ」と言う場面である。ガートルード・スタイン(キャシー・ベイツ)も「これは肖像画じゃない。静物画だわ」と否定している。

ギルが最高の時代だと思う1920年代のパリから、アドリアナが憧れる1890年代のベルエポックへ。強く思い念じれば「行ける」ということなんでしょうが、安易でご都合主義である。探偵がルイ王時代のヴェルサイユ宮殿に行く。探偵は念じていないよ。このギャグは不要である。

アーネスト・ヘミングウェイはなかなか良いことを言う。彼の著作から引用しているのでしょう。「汚れまみれの死は高潔じゃない。だが潔く死ぬなら、その死は高潔かつ勇敢だ」「彼女に潰されるぞ。作品に集中しろ」「何を書いてもいい。真実を語り簡潔で、窮地における勇気と気品を肯定する限りな」「死を恐れたら書けない。彼女を抱く時、真実の情熱を感じ、その瞬間は死の恐怖を忘れる。真実の愛は一時死を遠ざける。小心は愛のなさゆえに起きるのだ。愛ある者は勇敢に死に立ち向かう」

登場する有名人たちは、他にコール・ポーターと妻リンダ、スコット&ギルダ・フィッツジェラルド、パーティーの主催者ジャン・コクトー、パブロ・ピカソ、ジューナ・バーンズ、アーチボルド・マクリーシュ、サルバドール・ダリ、ルイス・ブニュエル、マン・レイ、トム・スターンズ[T・S]エリオット、マティス、[ベルエポック]ロートレック、ゴーギャン、ドガ・・・。ギル「フォークナーにも会ったよ」