ワルシャワの柔肌

わるしゃわのはだ|SZAMANKA|SZAMANKA

ワルシャワの柔肌

amazon
レビューの数

3

平均評点

51.9(7人)

観たひと

11

観たいひと

2

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル エロス
製作国 ポーランド フランス スイス
製作年 1996
公開年月日 未公開
上映時間 112分
製作会社
配給 アット エンタテインメント
レイティング
カラー カラー/ビスタ
アスペクト比
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

作家としても活躍する『狂気の愛』のアンジェイ・ズラウスキー監督が、暴力的とまで言える過激な性表現で男女の愛を描いた問題作。本国(ポーランド)では、1日夜間2回だけの上映だったにも関わらず、全人口の1%に当たる40万人を動員した。【スタッフ&キャスト】監督:アンジェイ・ズラウスキー 脚本:マニュエラ・グレツコウスカ 音楽:アンジェイ・コルジンスキ 製作:ジャッキー・オークニン 出演:イオーナ・ペトリ/ボグスワフ・リンダ/パウェル・ディラグ/アグニェシュカ・ヴァグネル

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2024/03/27

2024/03/27

55点

レンタル/東京都/TSUTAYA 
字幕


『ポゼッション』と対をなす怪奇錯乱劇

若い(といってもそれほど若いわけではないが)人類学教授ミハウ(ボグスワフ・リンダ)。
彼は現在、2000年前のシャーマンのミイラの発掘調査の最中だった。
ある日、ミハウが借りているアパートの一室を若い女性(イオーナ・ペトリ)が借りようとやって来た。
彼女の名はヴウォスカ。
大学の補欠試験に合格して、田舎町から出てきたのだ。
彼女が借りようとしていた部屋は、ミハウの弟(聖職に就こうとしていた)が住んでいたが、引っ越した後で空き部屋になったところだった。
部屋の内見の際、ミハウはヴウォスカ突然、犯してしまうが、ふたりはこれまで感じたことがないような生命のエネルギー
を感じてしまう。
ミハウはもとより、ヴウォスカは極度の不感症で、性の喜びなど一度も感じたことがないのだった・・・

というところからはじまる物語は、冒頭のあらすじをこのように書くとエロス満載な感じがするが、たしかにその手のシーンは多いものの映画はエロティックからはほど遠い。

なにせ監督はアンジェイ・ズラウスキー。

狂騒に満ちた錯乱劇の態で描かれる、根底には東欧の抑圧された宗教観が流れる怪奇劇。
さらに、その宗教観から派生した笑いがふんだんに盛り込まれている・・・というように解釈しないと、よくわからない。

ヴウォスカは突発的に欲情し、ミハウもその生命のエネルギーを受けることで、シャーマンのミイラが蘇る幻想めいたものを感じるようになる。

キリスト教的に抑圧された生命のエネルギーが、原始のシャマニズムによって蘇る・・・

シャーマンのミイラは、原始の生命エネルギーを現代によみがえらせる入口であり、ヴウォスカが女性シャーマンの役割を担っている。
原題の「SZAMANKA」は、女性シャーマンの意味だろうな。

ミハウは、キリスト教的禁欲から解放されるが、原始の生命エネルギーによって昇天させられてしまう。

タコに似た悪魔の性的エネルギーに侵されてしまう女性を描いた怪奇錯乱劇『ポゼッション』と対をなす作品といえるでしょう。

ヴウォスカを演じるイオーナ・ペトリは、ベアトリス・ダルに似た雰囲気で、脱ぎっぷりはいいが魅力に乏しい。
やはりイザベル・アジャーニぐらいの魅力がないと・・・と思いました。

2019/01/31

2019/01/31

50点

レンタル/北海道 
字幕


 ズラウスキー監督の作品を観るのはこれが3作目だが、登場人物の行動がエキセントリックなのは共通していて、今回も私には理解できなかった。

2018年

2018/05/19

75点

レンタル 
字幕


アンジェイズラウスキー映画。

エロとか官能とかそういうくくりで売られている映画だし、確かに全編そういうシーンがでるけれど、アンジェイズラウスキー監督だもん。単純なエロファンタジーなわけがない。(それを目的に見たら200%後悔する)
ズラウスキー的に見ていくと「紀元前のシャーマンのミイラを発掘した博士が自分もシャーマンに近づきたくて薬で破綻していく」「博士が拾った少女とは当人たちが驚くほどに絶頂感のあるセックスができ、二人はより激しい快感を求めてセックスを繰り返す」「博士は少女のエキセントリックな行動から、少女が狂っているか、シャーマンであると考え、少女とのエクスタシーの交感からクンダリニーを獲得できると考える」という基本設定をズラウスキー的な色付け、キャラクター配置により混沌とした煉獄的状況を作っている。
頻繁に表示される十字架。
性と金と食事、肉。
彼の映画の特徴でもあるスピーディな横移動ショット。
少女の引きつった病的でてんかん的な演技。
性行為を機械動作と見せるアイロニー。

楽しい映画ではないが、ズラウスキーの映画が好きなら100%楽しめるし、アート系映画が好きならたぶん楽しめると思う。

売るためには仕方ないのかもしれないが「エロ映画」としてしか認知されていない現状は打破したい。
純然たる性をテーマにした作家映画だからだ。