第二次大戦中、ドイツ支配下にあるベルギーの郊外にアメリカの爆撃機が墜落する。ひとり生き残ったテッド(ビル・パクストン)は、ドイツ軍と通じている父親を憎悪する少年に救われ、レジスタンスに加担しているアンリとクレア(ジュリア・オーモンド)夫妻の元に匿われる。アンリがゲリラ活動で家を留守にしている間に、テッドとクレアは愛し合うようになっていく。2人の関係を感じ取っったアンリは、テッドをだまし、彼をナチスに売り渡してしまう。
もっと緊張感を出せるストーリーのはずなのだが、脚本が悪いのか演出が悪いのか、とても冗漫に感じてしまった。戦時下の追い詰められた状況で、愛が芽生えやすいのは致し方ないと思うが、テッドもクレアも浮かれすぎ。もう少し、愛情表現を抑えた方が、見る者に思いの深さが伝わってくるはず。テッドの乗っていた飛行機には、連合軍の上陸作戦に関する情報が積まれていて、歩哨に立つドイツ軍人を殺害しその資料を奪った人間が誰なのか、という謎解きが横糸になっているのだが、そちらもおざなり。捕らえられたテッドは、拷問の合間にクレアも同様に捕らわれの身であることを知る。彼女を釈放させるために嘘の情報を白状し、それがもとで処刑されてしまう。それを知ってか知らずかクレアは生き残り、戦後、テッドを助けた少年と2人で暮らすことになる。折角のメロドラマなのだから、最後にもう少し、泣かせる工夫も欲しかった。