異国の出来事

いこくのできごと|A Foreign Affair|A Foreign Affair

異国の出来事

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レビューの数

14

平均評点

69.0(29人)

観たひと

45

観たいひと

2

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ラブロマンス
製作国 アメリカ
製作年 1948
公開年月日 未公開
上映時間 116分
製作会社
配給 ジュネス企画
レイティング
カラー モノクロ/スタンダード
アスペクト比
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

第二次大戦後、占領軍に統治されていたベルリンを舞台に、現地の風紀の視察に訪れたアメリカの女性議員が巻き起こす騒動を描くビリー・ワイルダー監督によるラブコメディ。マレーネ・ディートリヒ扮する、クラブの妖艶な歌姫が歌う数々の曲も見どころ。【スタッフ&キャスト】監督・脚本:ビリー・ワイルダー 脚本:チャールズ・ブラケット 撮影:チャールズ・B・ラング Jr. 音楽:フェデリック・ホランダー 出演:ジーン・アーサー/マレーネ・ディートリッヒ/ジョン・ランド/ミラード・ミッチェル

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2023/06/25

2023/06/25

90点

購入 
字幕


マレーネ・ディートリヒは主役ではありません

2023年6月25日に鑑賞。DVDにて。1時間51分06秒。スタンダード・黒白。一部、ドイツ語。ロケ地は瓦礫が残るベルリン。当時、ヨーロッパを復興するために、アメリカ映画が多数欧州でロケされている。

マレーネ・ディートリヒは主役ではありません。主役はビリング1番のジーン・アーサーです。コメディエンヌとしても出色です。

ブリングル大尉が乗るジープの文字「KIDNEY KILLER(腎臓殺人者)」って、どういう意味でしょう?

ナチのニュース映画(一部は実写フィルム)『今週の出来事(Die Woche Im Bild)背景に鉤十字』=『ゲッベルス博士 ブレスラウで演説(Reichsminister Dr.Goebbels Spricht in Breslau)ブレスラウの党大会(これは実写フィルム)』→ここからはフィクション映像『国立歌劇場で著名人がオペラ「ローエングリン Lohengrin」を観劇』ビルゲルの隣りにエリカが座っている。→ロビーにやって来たヒトラーがエリカの手にキスし、エリカに囁いて2人は笑う。エリカがヒトラーに頬を寄せる。

ブリングル大尉へ大佐「君の素晴らしい戦歴は認める。ノルマンディーも一番で上陸し、レマゲン橋も一番に渡った・・・。その理由は女を求めていたからだ」大笑い。大尉「期待したほど、燃えませんでした」(笑)大佐「若い兵士のために卓球台を用意したが、ムダだったよ」(笑)

ラスト、MPに連行されるエリカ「着がえていい?」大佐「いいよ」同行する2人のMPにエリカ「水たまりがあったら抱いて渡ってね」とスカートを上げて脚を見せる。エリカが去ると同行するMPの1人が階段で躓く(これは演出か?偶然か?)それを見ていた大佐が、3人を見守るMP2人に「あのMP2人を見張れ」MP2人が去ると、大佐がもう1人のMPに「あの2人を見張れ」MP去る。ここ爆笑です。

ブランデンブルグ門前の闇市。レストランのウェイター「シャンパンはタバコ5箱、ワインはタバコ4箱です」、少年ゲルハルトが街中に「スワスチカ(鉤十字)」をチョークで描いて補導される→少年がその間にもブリングル大尉の机に鉤十字を描く(笑)

画面では、製作:Charles Brackett、監督:Billy Wilder、脚本:Charles Brackett、Billy Wilder、Richard L. Breeu、脚色:Robert Harari、原作(Original Story):David Shaw、撮影:Charles B. Lang, Jr.、美術:Hans Dreier、Walter Tyler、特殊撮影効果:Gorden Jennings、衣装:Edith Head、Makeup Supervisior:Wally Westmore、Marlene Dietrich's Songs Music and Lyrics and Music Score:Frederick Hollander である。

出演は、Jean Arthur(フィービー・フロスト/アイオワ州選出の米国議員/別名グレッチェン・ゲズントハイト[お大事に](笑)、Marlene Dietrich(エリカ・フォン・シュトウ Erika von Schluetow/「ローレライ」の歌手/元ゲシュタポ高官の愛人)、John Luud(ジョン・プリングル米軍大尉)、Millard Mitchell(ルーファス・ジョン・プルマー大佐)、Peter von zerneck(ハンス・O・ビングル/元ゲシュタポ高官)、Stanly Prager(マイク/タンデム自転車の米兵)、Bill Murphy(ジョー/タンデム自転車の米兵)ほか。

2023/05/14

2023/05/14

75点

VOD/Amazonプライム・ビデオ 


ごつい感じのマレーネはジーンの引き立て役みたいにも見える

敗戦直後のベルリン。「鼠がチーズを食い散らかしたよう」というセリフが示すように空襲のためにがれきと化したビルディングが見られるのは今となっては貴重な映像である。こういう風景をカメラに収めるのはタイムマシンで過去へ行ったような気分。劇映画であると同時に記録映画にもなるのである。それが昔の映画を観る楽しみである。

ビリー・ワイルダー監督のロマンチック・コメディであるが、こういうのを背景にしているのは違和感がある。だがビリー・ワイルダー監督がドイツの出身であることを考えると、ビリー・ワイルダーは映画の撮影にかこつけて故郷の様子が見たかったのではあるまいか。ワイルダー監督は戦前にマレーネ・ディートリッヒと共にベルリンにいたということである。またこの映画は原作がなく、ビリー・ワイルダーとチャールズ・ブラケットのオリジナルシナリオであるから、やはり懐かしきベルリンがどうなっていたのかこの目で確認したかったのに違いない。

敗戦後のドイツも日本と同じようだ。食料不足に陥っていたようだし、占領した米軍兵士が羽目を外した行動に出ていることも日本と同じようだ。この映画では直接、米兵が地元の女性をレイプしたという描写はないが、実際はあっただろうなと思う。当時の倫理コードからもまたアメリカ映画であるから米兵を極悪に描くのはまずいということもあるからそんな描写は入れない。そうでなくともロマンチック・コメディだからレイプを入れるわけにはいかないよなあ。

だからシリアスなドラマでベルリンを舞台にした方が良かったんじゃないかなあと思う。背景がビルの残骸でドイツ市民は食べるものに事欠いていたのに、ロマンチックもへったくれもないというところか。
しかし、ビリー・ワイルダー監督もマレーネ・ディートリッヒもそんなことは百も承知だっただろう。ましてや故郷のドイツ・ベルリンがこんな有様では内心コメディじゃないよと思っていただろう。だけどこの時期に映画会社がロマンチック・コメディを撮れという注文が来たのではないか。これでないと映画も作れないので引き受けたと思う。監督は自分は芸術映画は作らない。娯楽映画に徹すると言っているので、会社の注文に答えないと、ベルリンを見られることができない。そこで妥協してベルリンでコメディを、ということになったのではなりだろうか、というのは僕の推測。
マレーネ・ディートリッヒとジーン・アーサーというスター女優の共演というのが見どころ。したがってこのふたりの相手役を務める男優はちょいと下のクラス。ふたりの女優は同格だろうが、役柄でいくとジーンがメイン、マレーネがサブという印象だ。ジーンはベルリンに進駐している米兵の風紀を調査しにきた議員という役。マレーネ扮する地元の闇酒場で歌っている歌手でナチスの協力者だというのにお咎めなしというのがおかしい。きっと彼女には米軍の将校クラスの愛人がいるから平気で歌っていると思い調査を始める。一緒に調査する羽目になったジョン・プリンクル大尉(ジョン・ランド)こそが彼女を愛人にしていたのだった。ところが、ジーンが彼に失恋話をしていくうちに、知らず知らずのうちに彼に恋をしていたという話。彼女は惚れやすいタイプなのか彼とのつきあいに有頂天。だが大尉はマレーネと恋人同士なので、それがジーンに知られてしまうのは非常にまずい。大尉がマレーネとジーンに挟まれてハラハラするところが、ジョン・ランドもコメディだからといって大げさな芝居をしないのが良い。それでジーンがマレーネと大尉の仲を知り大変なショックを受ける。だがそのあと、大尉と一緒になるという顛末までこれだとジーンが主役という感じだ。
それでマレーネがなぜサブで甘んじているのかと言えば、闇酒場に米軍の手入れが入り議員の素性がばれてはまずいジーンをマレーネが助けた後に、ベルリン市民が生き延びるのに必死だということを語る場面にあるようだ。ワイルダー監督としても彼女としてもベルリンがこういう状況でドイツ人は大変なことになっていることを、アメリカの観客に伝えたいからだと思う。

この映画は日本では劇場未公開だ。なんで未公開なのかはちょっと考えればわかるだろう。いくらコメディだからといってこの映画に描かれる米兵は軽薄な連中である。上官が訓示を言っている場面で「人口増加に貢献したり、物を売って金儲けなんかしないように」ということを具体的にこの映画では描いている。そこでGHQとしてはこういうだらしない米兵の姿を日本人に見せるのはよろしくない、と判断したからだろう。
でもこういう風刺がワイルダー監督の真骨頂である。

2023/01/09

2023/01/09

76点

VOD/Amazonプライム・ビデオ 
字幕


テレビっぽい

ビリーワイルダーらしい
それにしても戦後のドイツは日本以上だったろう
デートリヒはいつもいい味
ジーンアーサーはデートリヒより年上
田舎議員役がよく似合う

2022/01/29

2022/02/15

70点

レンタル 
字幕


長年戦争の首都だったところへ、コメディを持ち込む。

ネタバレ

ビリー・ワイルダーのロマンティック・コメディなのだが、終戦直後のベルリンが舞台なので瓦礫の街に
カメラを持ち込んだアーカイブ的価値もある。紙と木で出来た日本家屋とは違い、からくも外壁や下層
階が残った荒涼とした光景が続く。
そのベルリン駐在のアメリカ軍に本国の議員団が視察に入る。アイオワ州のフィービー・フロスト議員
(ジーン・アーサー)はコチコチの真面目人間。将兵の風紀取締りに、ただ一人ヤル気を示す。
迎えるが側のジョン・プリングル大尉(ジョン・ランド)はクラブ歌手のエリカ・フォン・シュルートウ(レーネ・
ディートリッヒ)を愛人にしてよろしくやっている。

フロスト議員は早くもアメリカ軍兵士にナンパされる。身分を偽って兵士たちとナイトクラブに繰り出す。
そこでは妖艶な歌手エリカのショーが行われる。彼女はかつてはナチスの大物の愛人だったが、
現在はアメリカ軍の有力者の庇護で、戦犯追求の手から逃れているという。真面目なフロスト議員は、
そのアメリカ軍将校をつきとめようとする。
プリングル大尉は真相を隠したい。その彼がフロスト議員の助手として、エリカの愛人捜しに協力する
ことになる…。
ディートリッヒの歌と美脚のチラリズムがプラスアルファの魅力となる。ワイルダーはユダヤ系でドイツ
から亡命、デートリッヒはナチス嫌い(Wiki)、しかし廃墟のベルリンは気になる。戦争のベルリンから
コメディのベルリンへ。一種の浄化作用の試みだろう。

映画には意図しなかった映像も含まれる。
ソ連によるベルリン封鎖は1948年の6月で(Wiki)、映画撮影時期は普通に英米とソ連軍兵士が
混じり合っている。同じクラブで飲んだり、闇市で買い物している。戦争終結に気の緩んだ将兵の
コメディを撮ったスタッフだが、こんなにも早く東西冷戦が始まるとは思わなかったのだろう。
GHQにはいろいろ面倒くさい判断があり、日本公開は見送られた。

2021/11/10

2021/11/10

-点

映画館/東京都/シネマヴェーラ渋谷 
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『異国の出来事』。殆どのシーンはベルリンで撮影。空襲被害の無残な姿をさらす。壁だけ残った建物。日本の空襲後の姿とは異なる。鉄の心の女性議員(ジーン・アーサー)が主人公。マレーネ・ディートリヒは酒場の歌手役、歌を披露。ファイル・キャビネットの抽斗に囲まれて雪隠詰めの場面、好き。

2020/12/29

2020/12/30

80点

選択しない 
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ニノチカ風ムービー

アイデアはニノチカ風ですが当のジーン・アーサーより、ディートリッヒの登場で映画が俄然引き締まります。恋に生きる場末の女を演じるとNo.1。これがアメリカで興行不振、日本未公開とは。