1950年代のイギリス。
オックスフォード大学を卒業したスタンリー(イアン・カーマイケル)は、幹部候補として色々な会社の面接を受けるが、ことごとく断られてしまい、同居している叔母(マーガレット・ラザフォード)にも呆れられる始末。叔父のトレスパーセル(デニス・プライス)が経営する軍需産業の“ミサイル社”に、一労働者として就職させてもらう。
その会社の騒動組合のボスがピーター・セラーズ。
スタンリーを労働者としてミサイル社に就職させる口利きをして、裏で何やら企むコックス氏にリチャード・アッテンボロー。
フォークリフトの運転手として張り切って働くスタンリーに、労働組合員の同僚たちは渋い顔。同じ賃金なら、できるだけノンビリ働けばいいと考える労働組合員たち…
誠実に働こうとする善良な社員(スタンリー)が、会社からも労働組合からも邪魔者にされて浮いた存在になるという風刺劇です。
スタンリーが社員の価値観を変えたり、ヒーローになったりしないところが、英国コメディのすごいところ!結末もアッと驚く苦さです!
タイトルバックのアニメとテーマ曲「I'm All Right Jack」(ロックンロール)がカッコいいです!
社会の構造の矛盾や人間の本質をシニカルに炙り出し、それを苦笑いを込めて描き出すボールティング監督のヒネリの効いた筆致。社会派コメディという感じでしょうか。
笑い転げる作品ではありませんが、渋くて面白いです!
ぜひご覧ください