地獄の黙示録

じごくのもくしろく|Apocalypse Now|Apocalypse Now

地獄の黙示録

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レビューの数

66

平均評点

78.9(517人)

観たひと

906

観たいひと

74

(C)1979 Omni Zoetrope. All Rights Reserved.

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル 戦争
製作国 アメリカ
製作年 1979
公開年月日 1980/2/16
上映時間 153分
製作会社 アメリカン・ゾエトリベ・プロ作品
配給 日本ヘラルド
レイティング 一般映画
カラー カラー
アスペクト比 70mmワイド(1.2.20)
上映フォーマット 70mm
メディアタイプ フィルム
音声 6chステレオ

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1960年代のベトナム戦争下のジャングルを舞台に1人のアメリカ軍将校暗殺を命じられた大尉が4人の部下と共に目撃する戦争の狂気を描く。製作・監督は「ゴッドファーザーPARTII」のフランシス・フォード・コッポラ、脚本はジョン・ミリアスとフランシス・フォード・コッポラ、撮影はヴィットリオ・ストラーロ、音楽はカーマイン・コッポラとフランシス・フォード・コッポラ、音響はウォルター・マーチ、編集はリチャード・マークス、ウォルター・マーチ、ジェリー・グリーンバーグ、リサ・フラックマン、製作デザインはディーン・タヴォラリス、衣裳はデニス・M・フィル、ジョージ・リトル、ラスター・ベイレス、ノーマン・バーザが各々担当。出演はマーロン・ブランド、ロバート・デュヴァル、マーティン・シーン、フレデリック・フォレスト、アルバート・ホール、サム・ボトムス、ローレンス・フィッシュバーン、デニス・ホッパー、G・D・スプラドリン、ハリソン・フォード、ジェリー・ザイスマー、スコット・グレン、ボー・バイヤーズ、ジェームズ・キーン、ケリー・ロッサル、ロン・マックイーンなど。日本語版監修は戸田奈津子。イーストマンカラー、パナビジョン。1979年作品。劇場初公開は1980年2月16日(配給:日本ヘラルド)。2016年4月16日よりデジタル・リマスター版を上映(配給:boid)。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

狂うような暑さのサイゴンの夏。ブラインドの降りたホテルの一室で、ウィラード大尉(マーティン・シーン)は空ろな視線を天井に向けていた。505大隊、173空挺隊所属、特殊行動班員である彼に、それからまもなく、ナ・トランの情報指令本部への出頭命令が下った。本部では3人の男が彼を待ちうけており、そのうちの1人がウィラードに、今回の出頭目的を説明した。それは第5特殊部隊の作戦将校であるウォルター・E・カーツ(マーロン・ブランド)を殺せという命令だった。カーツはウェストポイント士官学校を主席で卒業し、空挺隊員として朝鮮戦争に参加、数々の叙勲歴を持つ軍部最高の人物であったが現地人部隊を組織するという目的でナン川上流の奥地に潜入してからは、彼の行動が軍では統制できない異常な方向へと進んでいった。情報によると彼はジャングルの奥地で原地人を支配し、軍とはまったく連絡を絶ち、自らの王国を築いている、というのだ。そのアメリカ軍の恥である錯乱者カーツを暗殺しなければならない、というのが軍の考えだった。この密命を受けた若い兵士ウィラードは、4人の部下、クリーン(ローレンス・フィッシュバーン)、ランス(サム・ボトムス)、シェフ(フレデリック・ホレスト)、チーフ(アルバート・ホール)を連れ、巡回艇PBRに乗り込んだ。まず、ウィラードは、危険区域通過の護衛を依頼すべく、空軍騎兵隊第一中隊にキルゴア中佐(ロバート・デュヴァル)を訪ねた。ナパーム弾の匂いの中で目覚めることに歓びさえ感じているキルゴアは、花形サーファーであるランスを見ると彼にサーフィンを強要した。ワーグナーの“ワルキューレの騎行”が鳴り響く中、キルゴアの号令で数千発のナパーム弾がベトコン村を襲った。キルゴアのもとを発った彼らは、カーツの王国へとPBRを進めた。河岸に上陸するたびにウィラードに手渡される現地部隊からの機密書には、カーツの詳細な履歴と全行動が記されており、読めば読む程ウィラードには、軍から聞いたのとは別の人物であるカーツが浮び上ってきていた。王国に近づいたころ、クリーンが死に、チーフも死んだ。そして、王国についた時、ウィラードはそこで、アメリカ人のカメラマン(デニス・ホッパー)に会い、彼から王国で、“神”と呼ばれているカーツの真の姿を聞かされる。カーツは狂人なのだろうか。それとも偉大な指導者なのだろうか。ウィラードにもわからなかった。そして遂にカーツとの対面の日がきた。テープレコーダーや本に囲まれたカーツの元にやってきたウィラードは、軍の命令に従い、“神”と呼ばれる人間カーツを殺すのだった。(日本ヘラルド映画配給*2時間33分)

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2018年7月下旬特別号

巻頭特集 キネマ旬報創刊100年特別企画 第1弾 1970年代外国映画ベスト・テン:ベスト19グラビア解説

2017年7月上旬号

MOVIE at HOME:「エマニエル夫人」「地獄の黙示録」インタビュー 坂上直行[元日本ヘラルド映画宣伝部]

2016年4月下旬号

UPCOMING 新作紹介:「地獄の黙示録 劇場公開版〈デジタル・リマスター〉」

傑作は何度でも再来(リヴァイヴァル)する:地獄の黙示録 インタビュー 矢作俊彦 1980年、ふたつの“戦争” 「地獄の黙示録」『気分はもう戦争』

2011年9月上旬号

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1980年4月下旬号

外国映画批評:地獄の黙示録

1980年3月下旬号

〈現代〉と〈映画〉論考:第12回 「ディア・ハンター」と「地獄の黙示録」(下)

外国映画紹介:地獄の黙示録

1980年3月上旬号

〈現代〉と〈映画〉論考:第11回 「ディア・ハンター」と「地獄の黙示録」

1980年1月下旬号

特別カラー・グラビア:地獄の黙示録

グラビア:地獄の黙示録

巻頭大特集 「地獄の黙示録」:特集1 自説12人-話題作をめぐって

巻頭大特集 「地獄の黙示録」:特集2 そこに、ベトナムの戦場があった

巻頭大特集 「地獄の黙示録」:特集3 海外特別寄稿「地獄の黙示録」論-父性超克の寓話

巻頭大特集 「地獄の黙示録」:特集4 賛否両論の渦の中に投げこまれた話題作

巻頭大特集 「地獄の黙示録」:完成台本

1979年12月下旬号

「地獄の黙示録」リレー特集:第5回 アメリカの闇の奥

1979年12月上旬号

「地獄の黙示録」リレー特集4:「地獄の黙示録」の問題点

1979年11月下旬号 創刊60周年記念特別号

「地獄の黙示録」リレー特集3:「地獄の黙示録」を観て

1979年11月上旬号

「地獄の黙示録」リレー特集:戦争の爆音と狂気

「地獄の黙示録」リレー特集:荒涼とした哲学

「地獄の黙示録」リレー特集:偉大なる啓示

1979年10月下旬号

特別カラーグラビア:地獄の黙示録

グラビア:地獄の黙示録

「地獄の黙示録」特集:1 この映画はベトナムそのものだ

「地獄の黙示録」特集:2 アメリカで見た「地獄の黙示録」

「地獄の黙示録」特集:3 「地獄の黙示録」について

「地獄の黙示録」特集:4 〈ヴェトナム〉を突き抜ける狂気の文明論

1977年8月上旬号

〈ルポ特集〉日本とアメリカを直撃する4本の映画:2 「地獄の黙示録」のためのコッポラの戦い PART2・後篇

1977年1月下旬正月特別号

「地獄の黙示録」におけるコッポラの戦い:第2回

1976年10月上旬秋の特集号

特別カラー・グラビア:「地獄の黙示録」

グラビア:「地獄の黙示録」第一報

「地獄の黙示録」のためのコッポラの戦い:

2018/06/03

2018/06/03

75点

映画館/和歌山県/ジストシネマ和歌山 
字幕


午前10時の映画祭にて鑑賞しました。
映像的迫力、音楽的迫力、残虐描写の迫力、そして全編に渡る狂気的迫力、凄かった……
1回目の鑑賞だけでは映画全体の評価を冷静に下せないタイプの凄まじい作品。
撮影現場の裏話なども踏まえて再鑑賞したいです。

2018/06/02

2018/06/02

97点

映画館/東京都/楽天地シネマズ錦糸町 
字幕


戦争がもたらす狂気

 改めて本作を観ると、圧倒的な軍事力と物量を誇るアメリカがベトナム戦争で勝てなかった理由が分かるような気がする。戦線に立つ兵士らには長引く戦争に嫌気が充満しており、戦争を起こしたのはお偉方だということを分かっている。確かにベトナム戦争当時の大統領は、自分の任期中に戦争から手を引けないという理由で戦争を泥沼化させた。本作に登場するような危険地帯で戦う兵士らも黒人や貧困層出身の若者が多い。職業軍人ではないので、士気が低いのも当然だろう。
 そして、戦争がもたらす狂気だ。エリート軍人だったカーツ大佐が戦争で何かを悟り、軍と連絡を絶ち、彼を神と崇める原住民を従え、奥深いジャングルに王国を築く。カーツ抹殺の極秘命令を受けたウィラード大尉が密かにジャングルに向かうが、途中で出会う空軍騎兵隊長のキルゴア中佐はヘリコプターから大音響でワーグナーの「ワルキューレの騎行」を流しながら、村を焼き払う。カーツが狂人ならキルゴアもまた狂人で、戦場では英雄と狂人が紙一重だ。
 大量の火薬が使われているが、戦争が大いなる無駄であるということも見せてくれる。

2018/05/30

2018/05/30

80点

映画館/栃木県/TOHOシネマズ宇都宮 
字幕


若い頃にNHK(多分BS?)で放映されていたのを観たことあるのだが、初っ端からの陰鬱な雰囲気について行けず30分程で観るのを断念した作品。
午前10時の映画祭にて改めて鑑賞する。
前半でのワルキューレを流しながらのヘリ部隊の奇襲場面は確かに圧巻。
その後は戦場の狂気や兵士達の精神が壊れていく様がこれでもかという程に描かれている。
後半部からラストにかけての流れは自分の理解力の問題になってしまうのだが、いまいち判然とせず。
場面がいくらか追加された完全版もあるので、しばらく時間を置いたら、そちらも観てみようかと。

2018/05/27

2018/05/27

82点

映画館/兵庫県/TOHOシネマズ西宮OS 


人間の本性むき出し

午前10時の映画祭で地獄の黙示録を観てきました。公開当時も大きな話題になったにを覚えています。一朝一夕ではとても理解できない作品、後講釈も含め、興味が尽きない作品でした。

圧倒的な映像、爆薬、音楽、ベトナム戦争の狂気を描いたこの作品を理解して評価するには、一回の鑑賞では、とても足りない。
映像文化が今ほど発達していなかった当時、ベトナム戦争の悲惨さを伝える映像資料としても貴重。
現地民の首領となった元アメリカエリート軍人のカーツ大佐、プロサーファーの部下のために波の良い田舎にナパーム弾を連射するキルゴア中佐、軍の司令に従いジャングル奥地に赴くウィラード大尉とその仲間たち。そして、登場人物のみならず、演出に関係なく大幅に太って登場したマーロン・ブランド、前半に金をかけすぎたコップラ監督。みんな戦争の狂気に尋常を超えてしまった人々の姿、想いが画面からにじみ出ている。
前半の重厚さに比べ極端にしぼむ後半のストーリーも後講釈を聞けば納得。
公開当時も、現在も人々の心に妙な爪痕を残す作品。
環境がもたらす人間の本性、弱さは、オウムが処刑された今日まで変わらない。
ましてや、極限の心理に至る戦争がもたらす剥き出しの人間の本性は信じがたいほどに残酷。

2018/05/19

2018/05/19

80点

映画館/神奈川県/TOHOシネマズららぽーと横浜 


善と悪と狂気

凄まじい映画である。
何度も観ているが劇場で観るのが、やはり素晴らしい。

善と悪、正義と欺瞞、ベトナムの狂気の中で覚醒していく人間の業・狂気。
決して戦争はんたーい。って映画ではない。良いことをしながら悪いこともするという普通の人間の業というものが、極限状態で狂気に変わっていく姿を描いている。
大事なのは、狂気が悪でも善でもないということ。軍の上層部も善であり悪である。

この映画、オープニングの「ジ・エンド」も素晴らしい。ワーグナーも素晴らしい。全編にドアーズの香りがする。ヒリヒリする映画だ。

2018/05/15

2018/05/17

80点

映画館/神奈川県/TOHOシネマズららぽーと横浜 
字幕


コッポラの黙示

ネタバレ

ベトナム戦争に赴任中の大尉が、奥地で原住民を従えて君臨した米軍大佐の暗殺に向かう。
大尉の所属は情報部、任務は極秘だ。数人の部下を与えられてベトナムの海岸から山奥のほうへ川を上っていく。冒頭の海岸を皮切りに途中途中の米軍の拠点で情報と燃料を入手しながら上っていくが、登場する順序がそのままアメリカがたどったベトナム戦争の状況をたどっていくようだ。
最初の海岸での攻撃は「ワルキューレの騎行」をヘリコプターから大音量で鳴らしながら行われる。恐らくこの作品で最も有名な場面だ。攻撃部隊の指揮官はこの海岸でサーフィンをやろうと、つまり米国そのものを持ち込もうと息巻いている。次に寄った拠点では、大きく作られたステージにプレイメイトの慰問団が来る。夜間照明に浮かび上がるプレイメイトたちに湧く兵士たちがついにはステージに押し寄せ大混乱になる。MPや上官の指示が及ばなくなっている。さらその上流の拠点では架けられた橋をめぐる戦闘が起きている。しかし、もはや現場の指揮官が不在、混乱が支配している。もう末期的状況だ。
川を上ることが時間の経過に沿っている。その理解の上でストーリーを追うと、末期的状況の拠点がこの時点での米軍の、言いかえれば米国の状況に他ならない。任務対象の大佐が作った王国と呼ばれる場所は更にこの先にある。つまり、川の上流には米国の未来を想像した世界が広がっている。米軍大佐が君臨する王国には、首をつるされた死体がいくつもあり、生首まで転がっている。大佐を取り巻くのは無言で従う原住民だ。
1980年公開時に見て以来の再見。当時は末期的状況の拠点の辺りまではストーリーについていったのだが、そのあと、肝心の任務を履行する王国の部分が僕の理解を超えていた。前半から中盤にかけてのベトナム戦争の描写に圧倒されていたのかもしれない。
恐らくコッポラ監督は、敗北で終了したとはいえベトナム戦争に参戦した米国の根本にあった米国の論理、理念、思惑がこのまま続くならば、その先には大佐が作った王国が待ち受ける、米国が大佐の王国になってしまうことになるという懸念をこの作品に込めた。そして、そうならないことを願って大尉を派遣させた。今回見て強く思った。
今の米国が約40年前にコッポラ監督が懸念した国家になっていないことを願う。