シャロン・ストーンinシークレット・スパイ

しゃろんすとーんいんしーくれっとすぱい|A DIFFERENT LOYALTY|A DIFFERENT LOYALTY

シャロン・ストーンinシークレット・スパイ

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レビューの数

1

平均評点

49.0(4人)

観たひと

7

観たいひと

1

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル サスペンス・ミステリー
製作国 アメリカ
製作年 2004
公開年月日 未公開
上映時間 103分
製作会社
配給 プライムウェーブ
レイティング
カラー カラー/ビスタ
アスペクト比
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

『キャットウーマン』のシャロン・ストーンが主演を務めた迫真のスパイサスペンス。愛する男のために東西冷戦の過酷な諜報戦に身を投じた実在の女スパイ、キム・フィルビーの過酷な運命を描く。共演は『シュレック2』のルパート・エヴェレット。【スタッフ&キャスト】監督:マレク・カニエフスカ 製作:リチャード・レイロンド 脚本:ジム・ピドック 撮影:ジャン・ルピーヌ 出演:シャロン・ストーン/ルパート・エヴェレット/ジュリアン・ワダム/マイケル・コクラン

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2020/09/30

2020/09/30

60点

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S・ストーン版『スパイの妻』、もしくは『アナザー・カントリー』の続編的作品

1963年、東西冷戦下のベイルート。
夫と幸せであるが倦怠感もある生活を送っていたサリー(シャロン・ストーン)。
ある日、独身の英国報道特派員レオ(ルパート・エヴェレット)と出逢い、熱烈な恋に落ち、結婚。
サリーとレオは幸せな結婚生活を送っていたが、突如レオが失踪してしまう。
サリーのもとを訪れたのは、英国情報部MI6.
そこで告げられたのは、レオは英国とソ連の二重スパイだった。
そして、レオはモスクワにいる・・・

といった物語で、ここまでのところでおおよそ映画の半ばどころ。

日本タイトルから受ける印象だとシャロン・ストーンが女スパイのようだが、彼女は「スパイの妻」。
二重スパイである夫を、ふたたび家族のもとへ引き戻そうともがくさまが後半の展開。

原題の「A DIFFERENT LOYALTY」は、異なる信義とでも訳せばよいか。
サリーとレオの、それぞれ異なる信義が描かれていきます。

マレク・カニエフスカ監督作品としては『アナザー・カントリー』の系譜にあり、というかほとんど続編的な色合いで、英国エリートの苦悩が淡々とした描写のなかにも滲み出してきます。

例えば、

サリーにMI6の上級官が告げる言葉。
「ソ連に転ぶ輩には同性愛者が多い。あなたとの生活も、偽物ではなかったかね」

死の床にいるレオの父親がふたりに告げる言葉。
「この英国を牛耳っている腐ったやつらに、忠誠を誓えるはずなどない」

最後の別れを前にサリーに告げるレオの言葉・
「マルクス主義が間違っているのではない。ただ、いまこのソ連という国のやり方が間違っているだけなんだ」

など。

シャロン・ストーン主演なので、エロティック・スパイ・アクションみたいな先入観があるかもしれませんが(また、観客サービスとしてそのようなシーンも少しだけ用意されていますが)、ま、決してその手の映画ではないことを念頭に置いてみれば、そこそこ面白く観れると思います。

なお、前半はロマンス描写に重きを置いてソフトフォーカスで撮っており、後半になるとやや乾いたタッチのカメラになります。
撮影監督はロバート・アルトマン監督の『ゴッホ』『ザ・プレイヤー』『プレタポルテ』などのジャン・ルピーヌ。

また、マレク・カニエフスカ監督は『アナザー・カントリー』『レス・ザン・ゼロ』『ゲット・ア・チャンス』と本作の4本しか、長編映画を撮っていません。

ついでながら、「1967年に出版された、エレノワ・ブルワー・フィルビーの著書『キム・フィルビー(Kim Philby):私の愛したスパイ(Kim Philby: The Spy I Loved)』に基づいて制作されたスパイ映画」という解説をみますが、クレジットにはそのような表記がないようにみえました。