女子高生チアリーダーが武装強盗団に、という設定だけで観る気がおきる作品。ガーリームービー+クライム・コメディという大好物のジャンル・ミックス。尺は80分。エンドロールを入れなければ70分台で終る。コンパクトでサックリ観れる。
チアリーダーのキャプテン(美人で善良だが馬鹿女)とアメフトのスター選手(お人よしイケメン馬鹿マッチョ)がデキちゃった学生結婚、という『グリー』のような話。あそこから深刻さを抜き去ったような能天気映画だ。男は高校生向けバイトすら満足にこなせない重度の馬鹿をわずらっており、両家の親からは勘当され、生活費に窮する。そこで身重のチアリーダーがチア友たちと銀行強盗のヤマを踏むことにする。
チアのメンバーがいい。妊娠する主人公、強盗計画の首謀者役にマーリー・シェルトン。『プラネット・テラー』ではローズ・マッゴーワン扮演の片足マシンガールより目が行ってしまったお気に入り女優だ。色白ブロンド巨眼キューティの彼女だが、この01年の作品頃がいちばん肌の色艶もよく、ちょっとも劣化していない、究極のキューティっぷりを見せつけてくれる。
サブのメンバーには、女囚の子のワイルド娘役でミーナ・スヴァリ(母親の女囚はショーン・ヤング!老けたなぁ!)。『アメリカン・ビューティー』を見ればわかる通り、彼女もゴージャスに仕立てれば本来マーリー・シェルトンに勝るとも劣らない高級感を放つブロンド美人だが、本作では赤毛に染め、やたら好戦的でキレやすい武闘派女子高生を好演。痩せ型で顔が小さく目がデカいキュート顔も、本作ではゴラム/スティーヴ・ブシェミの線の異貌に映っていて、実にいい!
『エイリアス』で個人的にファンになったメリッサ・ジョージも、目立たないが良かった。
他のメンバーもみんな立っていて実に良い!
また、銀行強盗のプランを練るシーンでは、『ハートブルー』、『ヒート』をレンタルしてきて学習。『レザボア』観て「あたしMrs.ピンクがいい」、「あたしはパープルね」などとキャッキャはしゃぎ合い、武闘派ミーナ・スヴァリは『狼たちの午後』で一人燃えてるのも、良い!男子映画オタクの心を射抜く。衣装が、チアのユニフォームか部屋着か下着な点も◎。
胸を打つもの、心に残るものは一片も無いが、頭空っぽにして能天気に80分間を満喫できる。こういう映画なので★★★★にしたが、欠点がある訳じゃなくて、このジャンルで獲れる最高点をあげたつもりだ。安いがむちゃくちゃ美味いインスタント食品のような良い小作だ。