自宅にて鑑賞。日本劇場未公開作。コロコロした薹の立ったヒロイン“バネッサ”のL.ナティーヴォ、終始サングラスがずれた儘のR.ジャージーの“バーノン・ブラックウェル”地方検事、何故かベトナム帽ノンラーを被るハンター等、締まりの無い出演者陣。あちこち大忙しな“アクアノイド”が人を襲う動機は不明。そのクリーチャーと同じ位、フットワークの軽いやさぐれ男I.ギングリッチの“クリントン・ジェファーソン”とE.クレイグの“フランク・ウォルシュ”町長のコンビ──この二人がいい味出しているのが唯一の見所。35/100点。
・半魚人伝説の伝わるカリフォルニア沖の小島、サンタクララ島バビロンで16年前の'87年に17人が犠牲になる海洋事件が発生。25万人の観光客を集める為、ショッピングモール“デルリオセンター”の開発計画を進めるが、乱開発の挙句、海洋の水銀濃度が上昇、独立記念日に嘗てを彷彿させる惨劇が繰り返される。揉み消しを謀る島の上層部と開発業者に16年前の犠牲者の一人だった母を持つヒロインが立ち向かう──手垢の附いたフォーマットとレイアウトのストーリーにどこかで聴いた事ある様なBGMだが、この先のお噺はご自身でご確認下さい。
・設定や登場するキャラクター、以前TVムービーになったP.ベンチュリー原作の『海棲獣('98)』を想起したが、全くの無関係だった。
・迫力や緊迫感に欠ける“アクアノイド”の襲撃シーン。取材テープを盗む為、中年男女が馬鍬うシーケンスに代表される唐突に繰り返されるインサート映像や妙なカット割りと無駄に思える程、中途半端なゴア描写、二画面に割ったぐだぐだなカー・チェイスシーンと後に続く三分割画面等、チャレンジ精神は買うが、工夫してるのだか無謀なのか釈然とせず、相対的に粗が際立ち、結果、全体として著しく臨場感が伴わなず、構成にも難が有ると云える。