ミラノ、愛に生きる

みらのあいにいきる|IO SONO L'AMORE|I AM LOVE

ミラノ、愛に生きる

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レビューの数

21

平均評点

62.6(90人)

観たひと

125

観たいひと

15

(C) 2009 First Sun & Mikado Film. All Rights Reserved

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ラブロマンス / ドラマ
製作国 イタリア
製作年 2009
公開年月日 2011/12/23
上映時間 120分
製作会社 First Sun=Mikado Film
配給 ツイン
レイティング R-15
カラー カラー/ビスタ
アスペクト比 アメリカンビスタ(1:1.85)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声 ドルビーSRD

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

家族のために自分を抑制して生きてきた富豪の妻が、息子の友人と恋に落ちてゆく姿を描く。主演は「フィクサー」でアカデミー助演女優賞に輝いたティルダ・スウィントン。衣装を担当したアントネッラ・カンナロッツィは、アカデミー賞衣装デザイン賞にノミネートされた。監督は「メリッサP 青い蕾」のルカ・グァダニーノ。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

繊維業で成功を収めたレッキ一族の後継者タンクレディ(ピッポ・デルボーノ)と結婚したロシア人のエンマ(ティルダ・スウィントン)は、イタリアで裕福な一族の妻、3人の子どもの母親として何不自由ない生活を送っていた。家長エドアルド・シニア(ガブリエーレ・フェルゼッティ)の誕生パーティの日。彼女は、“エド”と呼ばれる息子エドアルド・ジュニア(フラヴィオ・バレンティ)の友人でシェフのアントニオ(エドアルド・ガブリエリーニ)と出会う。しばらくして、エドのフィアンセ、エヴァ(ディアーヌ・フレリ)の誕生日パーティでエンマはアントニオと再会、胸のざわめきを覚える。夏になって、ニースで行われる娘エリザベッタ(アルバ・ロルヴァケル)の展覧会に向かったエンマはサンレモに立ち寄るが、そこで偶然アントニオと再会。エドとサンレモにリストランテを開く計画を立てていたアントニオは、予定地へとエンマを案内する。山荘に降り注ぐ太陽と周辺の美しい自然の中で、自分の中の“何か”が目覚めていくのを感じるエンマ。そして2人は情熱的なキスを交わす。やがてエドアルド・シニアが亡くなると、タンクレディはイギリス企業への会社の売却を計画。これに反対のエドだったが、売却先とのビジネスディナーの料理をアントニオに依頼し、エンマとメニューの相談をしてほしいと告げる。サンレモで再会すると、激情に身を任せて身体を重ねるアントニオとエンマ。ロンドンで行われた会社売却の会議から傷心のまま帰国したエドは、アントニオの山荘でブロンドの髪を発見。その瞬間、母エンマと友人アントニオに対する疑惑が芽生える。イギリス企業を招待したディナーの日。気がかりをぬぐいきれず、母の様子を見ていたエドは、やがて母と友人の裏切りを確信し、ディナーの席上を飛び出してしまう。後を追いかけたエンマと庭で言い争ううち、悲劇が訪れる……。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2012年1月上旬号

UPCOMING 新作紹介:「ミラノ、愛に生きる」

REVIEW 日本映画&外国映画 公開作24作品、72本の批評:「ミラノ、愛に生きる」

2017/11/18

2017/11/21

-点

選択しない 


また見てしまう

ネタバレ

 またしても再見してしまう。でも感想は前回と変わらなかった。エンマ役のティルダ・スウィントンの鬱屈した内心を表情や仕草で巧みに演じていてやはり見入ってしまった。こういう心理描写が実にうまい女優さんだ。
 裏切りを悟られ、自暴自棄となった息子エドの不慮の死をきっかけに、彼女の中で何かが弾ける。ここからの音楽の畳みかけが凄い。冷酷な夫の元を去っていく母を見送る娘たちの視線に怒りや失望の色が見えないのが良かった。皆、母をどこかで応援しているのだ。

2016/01/22

2016/01/22

75点

レンタル/東京都/TSUTAYA/代官山 蔦屋書店/DVD 
字幕


解放

レビュータイトルは何がいいかなと考えながら見る。
「大富豪家の光と影」「ロシアの血」「魚のスープは残された」・・
結局最後の女性たちの晴れ晴れとした「解放」を選びました。

2013年

2014/10/08

5点

選択しない 
字幕


つまんかい。

早送りしながら観賞。不倫のハラハラ感もドキドキ感もなかった。ラストもなんだかなぁって感じ。

2014/09/29

2014/09/29

70点

選択しない 


スウィントンの呆然!

 ある財閥に嫁いだ外国人女性の不倫劇のその外面だけを見るか内面のドラマまでを見るかで評価が大きく変わりそうな映画だ。起こっていることは格別目新しくもないメロドラマの王道的ストーリーなのだが、そこに華麗な衣装と美術、工芸、料理の数々を散りばめ歴史的建築物までを画面いっぱいに取り込み、一方では登場人物の微かな心の動きまでに気を配った実に手の込んだ細工が施されている。さらにはミニマルミュージック風な音楽を冒頭から鳴り響かせあたかも主人公の心の動きをなぞるように印象付ける。やはり音楽はミニマルの巨匠J・アダムズが担当。どこか18世紀の貴族社会を舞台にした男女の痴話話を題材にとったイタリアオペラの数々を現代に置き換えて再構成させたような映画といった感じだ。そういえば主人公の夫のタンクレディという名もロッシーニのオペラにあるし小間使いのイーダというの名前も「こうもり」のそれだったりする。
 内面のドラマは特に主演のティルダ・スウィントンの視線に現れている。彼女ならではの呆然芸(!)が一番の見所かもしれない。財閥の御曹司にロシアという土地から嫁ぎ子供にも恵まれていてなに不自由のない生活ぶりであっても彼女が演じるとどこかに危険な香りがしてくるから不思議だ。そういう匂いを自然と振りまける女優。それを後押しするように夫が実につまらない男として描かれている。こうなると後は彼女がいつ倫を踏み外すのかを見逃さなければよい。
 息子の友人アントニオ(エドアルド・ガブリエリーニ)の造り出す料理に官能を、エクスタシーまでを味わうスウィントンの恍惚とした表情、それをアップでとらえる嫌らしいほどベタついたカメラ。一瞬にして恋に落ちるとはこういうことなのか、と映像が語る。あとは二人が出会うだけでよい。
 息子の事故死に我を失い呆然となる姿は彼女の十八番。真実を告げとたん豹変する夫。彼の「君は存在しない」という冷たい一言とそれを受け止めるスウィントンの表情には場違いながら笑いさえ浮かべてしまう。カタストロフに伴う滑稽さはそのあと駆け出すようにして家を後にするまでの一連の演技にも見て取れる。外面からではわからない感情の大きなうねりが彼女の内部に沸き起こっていたのだった。

2014/01/11

2014/06/04

44点

テレビ/有料放送/WOWOW 
字幕


ただの有閑マダムの不倫話を、こんなに大層に描かれても・・・。

ヒマにしていると、ろくなことはありませんね。
 子育てと仕事で忙しく日々を送っていると、趣味に回す時間もないほどで、“不倫”など、考える余地もないというのが、普通の庶民です。
もちろん、配偶者以外にも、魅力的な人はいっぱいいるわけで、そんな異性に心惹かれることはあります。ありますが、たいていの場合、金も時間もないわけで、そうそう、深い仲になったりすることはありません。
 この作品、ミラノに住む富豪マダム・エンマが、息子の親友と不倫関係になり、これまでの人生を擲って、新しい人生を始めるという映画です。
 ダンナはいたって普通、実業家として成功もし、家庭も大事にしていて、外に愛人がいるタイプではありません。子供もそれぞれ立派に成人し、自分の人生を歩んでいます。それなのに、エンマは、不倫に走ります。
 もちろん、外から見れば、何ひとつ不自由のない暮らしをしている人でも、その人なりの孤独や寂しさや、不満を抱えていることは、私にもわかります。ロシアからきたエンマは、このミラノの地で、心のうちに満たされないものをもっていたのでしょう。
それでも、私は、このエンマに共感はできません。
エンマは、決断して、このダンナと結婚し、それ以来、何十年と苦楽を共にしてきたはずです。このダンナが、まったくエンマを蔑ろにしてきたのなら仕方ありませんが、そうではないようで、とすると、エンマは、いったいこのダンナとどういう愛の関係を育んできたのでしょう。結婚とは、ふたりで、家庭を作っていく共同作業です。それを、こうも簡単に自ら、潰してしまう人に共感はできません。しかも、この不倫が原因で、愛する息子を死なすことになりますが、それでも、エンマは、男の許に走ります。もう辛くて、この家に住むことはできないでしょうが、普通なら、ひとりで生活をはじめるでしょう。
 
たぶん、この青年ともすぐに破局するのでしょうが、どうにも、やっぱり、ヒマがいけないのでしょう。

2014/04/19

2014/04/19

50点

 
字幕


中盤からクライマックスで評価が悪くなった映画

ネタバレ

富豪の妻とその息子の友人の禁断の愛を描いた物語。
途中までは禁断の恋愛とイタリアらしい映像美や場面展開で楽しめたが、クライマックスになっていくに連れ、チープな内容で、さながらコメディのような展開に思えてしかたなかったのが残念。これほど中盤からクライマックスで評価が悪くなった映画は自分の中で珍しい。
イタリアでは、富豪である身を捨て、不倫相手に走ったエンマに対し、愛に生きたと評価するのであろうか。退屈な男ではあるが夫に欠格事由はないし、エンマが不倫相手に惹かれる特性が感じられないだけに共感できなかった。それが愛ゆえの衝動的な行動として、観る者に感じさせようとしているのだろうか。
エンマを演じたティルダ・スウィントンの艶っぽい演技は見事だった。
リストランテの庭での情事で、青空の下、羽ばたく虫や風になびく植物などの自然的模写を情事の模写と交互に構成したのは上手いと感じた。