シマロン・キッド

しまろんきっど|The Cimarron Kid|----

シマロン・キッド

レビューの数

2

平均評点

60.3(9人)

観たひと

12

観たいひと

2

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル 西部劇
製作国 アメリカ
製作年 1953
公開年月日 1959/2/12
上映時間 0分
製作会社 ユニヴァーサル映画
配給 ユニヴァーサル
レイティング
カラー カラー/スタンダード
アスペクト比 スタンダード(1:1.37)
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

実在した無法者シマロン・キッドの生涯に材をとる西部劇。ルイス・スティーヴンスとケイ・レナード共作の原作をレナードが自分で脚色、「平原の待伏せ」のバッド・ボーティカーが監督した。撮影は「幌馬車隊西へ!」のチャールズ・P・ボイル、音楽ジョセフ・ガーシェンソン。出演するのは「静かなアメリカ人」のオーディ・マーフィ。TV出身のビヴァリー・タイラー、新人イヴェット・デュゲイ、ノア・ビアリー・ジュニア、パルマー・リー、ランド・ブルックス等。製作テッド・リッチモンド。テクニカラー・スタンダードサイズ。1953年作品。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

シマロン・キッドと呼ばれるビル・ドーリン(オーディ・マーフィ)は3年前、強盗団のドルトンを友達のよしみでかくまい、入牢し、やっと仮出獄を許された。オクラホマへ帰る列車がドルトン強盗団に襲われた。ビルが強盗団を手引きしたと、鉄道公安官スワンソンは、ビルの幼馴染みサットン警察署長に彼の逮捕を迫った。サットンは彼の無実を信じ、公平な尋問をする約束で出頭させた。スワンソンは、拷問にかけ、ドルトン一味の所在を白状させようとした。ビルはスキを見て逃げ、ドルトンの隠れ家に向かった。強盗団はコフィビルの銀行を襲撃する計画をたて、ビルも参加した。町民の反撃で、ドルトン3兄弟は死に、残りが昔の仲間の牧場主・パットの家に集った。その娘キャリーは美しかった。首領がビルと決り、レッドはビルに敵意を抱いた。ビルたちは牧場を去り、次々と列車や銀行を襲った。サットンの捜査網と、鉄道の探偵たちがビルの迫っていた。強盗たちは悪事に疲れ金をこさえて地道な生活に入りたいと思い始めた。最後の銀行襲撃が失敗し、そのドサクサにビルを射とうとしたレッドはかえり討ちにあった。山の隠れ家に、キャリーが訪ねてき、ビルに足を洗うように頼んだ。彼を愛し始めていたのだ。手下のダイナマイトが帰ってき、その義兄の鉄道輸送係の手引きで、列車輸送の金塊を強奪しようと持ちかけた。ビルは列車に乗りこみ、金塊を1つずつ落していった。が、待っていた仲間はスワンソンらに片はしから殺される。懸賞金ほしさの罠なのだ。レッドの情婦・シマロンのバラ(イヴェット・デュゲイ)の知らせで、ビルはダイナマイトを金塊と共につき落すと、パットの牧場に逃げ帰った。彼が眠っている間に、パットはサットンを呼び寄せた。彼と娘キャリーのためだと思ったからだ。サットンは公平に裁くと誓った。ビルはひかれていった。キャリーは彼の自由の日まで待つつもりだ。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1959年3月上旬号

外国映画紹介:シマロン・キッド

2021/09/28

2021/09/28

78点

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必見!操車場のターンテーブル

ネタバレ

2021年9月28日に鑑賞。DVDにて。1時間23分53秒。スタンダード・テクニカラー。UNIVERSAL-INTERNATIONAL。非常に画質が良い。

監督:バッド・ベティカーとオーディ・マーフィーの最高作ではないか。チャールズ・P・ボイル(Charles P. Boyle)の撮影が良い。室内の撮影では緩やかな俯瞰を多用している。クレーンの俯瞰撮影もある。山岳のロケ地が良い。蒸気機関車の撮影も良い。抒情を湛えたラストも良い。

シマロン・キッド[本名:ビル・ドゥーリン](オーディ・マーフィー)は、実在の人物である。史実はどうだったのだろう?オーディ・マーフィーは誠実なキッドを好演している。

コロンビアのプルマー・ホテルに来たキッドと他5人(女性ローズもいる)は、ホテルの女主人に密告されて、ガスリーの保安官サットンや鉄道警察の偏執狂スワンソンらに囲まれる。ホテルの男ジャドは「女主人に命じられたんだ。あそこの裏に回れば逃げ道がある」→その建物は『K.T. & C.R.R. MAINTENANCE DIV. 』とある。ローズが扉を開ける。奥は機関車の操車場である。丸い転車台[ターンテーブル]がある。蒸気機関車2台、貨車数台がある。ここの俯瞰撮影が素晴らしい。キッド「ローズ、転車台を動かせ」ローズがレバーを傾けると歯車が動き出しテーブルが回り始める。機関車から出る蒸気の中、キッドたちは逃げる。この場面が本作の白眉である。鉄道ファンは必見である。

ラスト、キャリーの光が当たらない陰になった顔にカメラがズームインする。まあ、余りに直接的な描写か。キッドが逃げられないと思った父パットと娘キャリーは保安官に連絡した。捕まったキッドへキャリー「これは始まりなのよ。私たちはこうするしかなかったの」パット「娘もつらいんだ。君を愛してるから」キッド、怒って一旦去るが「パットも君も正しいよ。多くの過ちを犯した者も幸せになれるかな?」キャリー「Yes.」それを見ていたローズ。ローズの恋人のビター・クリークは殺された。「あなたたちは大丈夫よ。私たちも同じチャンスを欲しかったわ」この余韻を湛えたラストは良い。

メキシコ女優?ローズ役の Yvette Dugay は、ダラスのホテルのレストランのシーンでは、正装しエキゾチックな素晴らしい美人である。恋人のビター・クリークが殺されたことを、悲しみをこらえてキッドに知らせるローズという存在を加えたことで、この映画に格段の厚みを与えている。

追跡隊に追われて谷川に転落死したと思われたダイナマイトが隠れ家の洞窟にやってきて計画を話す。「ダイナマイトの義兄の鉄道員ジョージ・ウェバーの話。ダラスでウェバーが休暇を過ごしていた。鉱山会社が月2回、テキサスのガルヴェストンからカンザスのデンヴァーへ、列車で金塊3本、1本40kg、合計10万ドルを運ぶ。これを車内で鉛にすり替える。ウェバーの報酬は1/5でいいと」キッド「話がうますぎる」ローズがダラスでウェバーの身辺を洗う。

キッド、ビター、末弟ウィル・ダルトン、ローズとウェバーとダイナマイトが金塊強奪に・・・。

やはり、「ウェバーが報酬は1/5 でいい」というのが、一番怪しいだろう。

キッドはオクラホマ州刑務所からオクラホマシティまで列車へ。そこからガスリーへ。シマロン川の近く。10kmのハルセル牧場へ。

地名=インディペンデンス、コフィヴィル、チェロキー・ストリップ、インガルス、ブーンズヴィル、ポーニー、セミノール、ミズーリ州コロンビア、ダラス、カンザス州ニュートン。



2020/02/06

2020/02/06

60点

テレビ/有料放送/衛星劇場 


偏見

悪意を持って司法を行うとこうなるという見本。偏見で悪人と決めつける捜査官によりえん罪で服役していたビル(オーディ・マーフィー)は仮出獄の日かつての友人の率いる列車強盗団の現場に居合わせたことから捜査官に仲間と決めるつけられて、再び強盗団に入る。そして金を貯めて外国で牧場を買い恋人と暮らすために最後の仕事をすることに。しかし持ちかけてきた男は裏切り彼らを殺そうとする。結局は逃げおおせたものの、恋人とその父親によって司法に手渡されることになる。
銀行強盗団の側から描かれた西部劇。