2021年9月28日に鑑賞。DVDにて。1時間23分53秒。スタンダード・テクニカラー。UNIVERSAL-INTERNATIONAL。非常に画質が良い。
監督:バッド・ベティカーとオーディ・マーフィーの最高作ではないか。チャールズ・P・ボイル(Charles P. Boyle)の撮影が良い。室内の撮影では緩やかな俯瞰を多用している。クレーンの俯瞰撮影もある。山岳のロケ地が良い。蒸気機関車の撮影も良い。抒情を湛えたラストも良い。
シマロン・キッド[本名:ビル・ドゥーリン](オーディ・マーフィー)は、実在の人物である。史実はどうだったのだろう?オーディ・マーフィーは誠実なキッドを好演している。
コロンビアのプルマー・ホテルに来たキッドと他5人(女性ローズもいる)は、ホテルの女主人に密告されて、ガスリーの保安官サットンや鉄道警察の偏執狂スワンソンらに囲まれる。ホテルの男ジャドは「女主人に命じられたんだ。あそこの裏に回れば逃げ道がある」→その建物は『K.T. & C.R.R. MAINTENANCE DIV. 』とある。ローズが扉を開ける。奥は機関車の操車場である。丸い転車台[ターンテーブル]がある。蒸気機関車2台、貨車数台がある。ここの俯瞰撮影が素晴らしい。キッド「ローズ、転車台を動かせ」ローズがレバーを傾けると歯車が動き出しテーブルが回り始める。機関車から出る蒸気の中、キッドたちは逃げる。この場面が本作の白眉である。鉄道ファンは必見である。
ラスト、キャリーの光が当たらない陰になった顔にカメラがズームインする。まあ、余りに直接的な描写か。キッドが逃げられないと思った父パットと娘キャリーは保安官に連絡した。捕まったキッドへキャリー「これは始まりなのよ。私たちはこうするしかなかったの」パット「娘もつらいんだ。君を愛してるから」キッド、怒って一旦去るが「パットも君も正しいよ。多くの過ちを犯した者も幸せになれるかな?」キャリー「Yes.」それを見ていたローズ。ローズの恋人のビター・クリークは殺された。「あなたたちは大丈夫よ。私たちも同じチャンスを欲しかったわ」この余韻を湛えたラストは良い。
メキシコ女優?ローズ役の Yvette Dugay は、ダラスのホテルのレストランのシーンでは、正装しエキゾチックな素晴らしい美人である。恋人のビター・クリークが殺されたことを、悲しみをこらえてキッドに知らせるローズという存在を加えたことで、この映画に格段の厚みを与えている。
追跡隊に追われて谷川に転落死したと思われたダイナマイトが隠れ家の洞窟にやってきて計画を話す。「ダイナマイトの義兄の鉄道員ジョージ・ウェバーの話。ダラスでウェバーが休暇を過ごしていた。鉱山会社が月2回、テキサスのガルヴェストンからカンザスのデンヴァーへ、列車で金塊3本、1本40kg、合計10万ドルを運ぶ。これを車内で鉛にすり替える。ウェバーの報酬は1/5でいいと」キッド「話がうますぎる」ローズがダラスでウェバーの身辺を洗う。
キッド、ビター、末弟ウィル・ダルトン、ローズとウェバーとダイナマイトが金塊強奪に・・・。
やはり、「ウェバーが報酬は1/5 でいい」というのが、一番怪しいだろう。
キッドはオクラホマ州刑務所からオクラホマシティまで列車へ。そこからガスリーへ。シマロン川の近く。10kmのハルセル牧場へ。
地名=インディペンデンス、コフィヴィル、チェロキー・ストリップ、インガルス、ブーンズヴィル、ポーニー、セミノール、ミズーリ州コロンビア、ダラス、カンザス州ニュートン。