僕と妻の1778の物語

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僕と妻の1778の物語

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レビューの数

23

平均評点

64.9(163人)

観たひと

258

観たいひと

25

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル SF
製作国 日本
製作年 2010
公開年月日 2011/1/15
上映時間
製作会社 関西テレビ=フジテレビジョン=ジェイ・ドリーム=東宝=S・D・P=FNS26社
配給 東宝
レイティング 一般映画
カラー カラー
アスペクト比 不明
上映フォーマット 不明
メディアタイプ 不明
音声 不明

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

監督星護 
脚本半澤律子 
原作眉村卓 
製作堤田泰夫 
亀山千広 
飯島三智 
島谷能成 
細野義朗 
プロデューサー重松圭一 
種田義彦 
岩田祐二 
撮影浅野仙夫 
音楽本間勇輔 
録音山成正己 
照明三上日出志 
編集河村信二 
アソシエイト・プロデューサー川上一夫 
瀬田裕幸 
ライン・プロデューサー伊藤正昭 
助監督中西まさ 
スクリプター/記録幸縁栄子 

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

「なぞの転校生」などの原作者、眉村卓とその夫人の実話をベースに、「笑の大学」の星護監督が映画化。余命1年と宣告された妻のために毎日欠かさず短編を書き続けたSF作家の姿を描く。出演は「BALLAD 名もなき恋のうた」の草なぎ剛、「FLOWERS フラワーズ」の竹内結子、「天使の恋」の谷原章介、「死刑台のエレベーター」の吉瀬美智子、「インスタント沼」の陰山泰など。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

SF作家の朔太郎〈サク〉(草なぎ剛)と銀行に勤める妻・節子(竹内結子)は高校1年の夏休みに初デートをして以来、16年経った今でも仲睦まじい同い年の夫婦。ロボットの人形や宇宙船の模型を飾った書斎でSF世界に思いを巡らせながら、日々の創作活動に励むサクを節子は誰よりも理解し、誇りに思っていた。だが、SF小説自体の人気が下降線をたどる中、サクは編集者の新美(陰山泰)から恋愛小説を書くよう勧められる。朔太郎と同時にデビューした作家で、彼の友人でもある滝沢(谷原章介)はSFから恋愛小説に転向、今や人気絶頂の売れっ子として妻の美奈(吉瀬美智子)共々豊かな暮らしを送っていた。そんなある日、節子は不意に腹痛を覚え、妊娠の兆候かもしれないと病院を訪れるが、直ちに手術が行われ、サクは外科医の松下(大杉漣)から節子が大腸がんに冒されていると聞かされる。余命は1年。宣告を受けたサクは事実を胸にしまい込み、抗がん剤を始めることになった節子に「必ず治る」と笑顔で告げる。節子の病室には、娘の身を案じる母・晴子(風吹ジュン)も見舞いに訪れた。やがて節子が退院の日を迎え、その時、松下から「笑うことで免疫力が上がることがあるそうです」と言われたサクは、がん細胞を撃退できるような笑える小説を書こうと決意する。こうして1日1篇、原稿用紙3枚以上の短編を、世界でたったひとりの読者のために書き綴る日々が始まった……。余命を告げられてから1年、宣告が現実になることはなかった。1日1話の執筆が1周年を迎えた日には、滝沢夫婦や新美が開いてくれたお祝いのパーティーを楽しむこともできたサクと節子。しかし、2年、3年と経つにつれ節子の容態は少しずつ確実に悪化していく。そんな中、サクは滝沢から「書き続けることで、節子が死に向かう現実から目を背けているだけではないか」と指摘され、気持ちをぐらつかせ始める……。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2011年2月上旬号

REVIEW 日本映画:「僕と妻の1778の物語」

UPCOMING 新作紹介:「僕と妻の1778の物語」

2011年1月下旬号

巻頭特集「僕と妻の1778の物語」:草なぎ剛インタビュー

巻頭特集「僕と妻の1778の物語」:竹内結子インタビュー

巻頭特集「僕と妻の1778の物語」:星護[監督]インタビュー

巻頭特集「僕と妻の1778の物語」:『僕シリーズ』解説

巻頭特集「僕と妻の1778の物語」:作品評

巻頭特集「僕と妻の1778の物語」:原作者・眉村卓の発言から読み解く「僕と妻の1778の物語」と眉村卓の作品世界

2021/09/12

60点

映画館/新潟県 


【サイエンスフィクション/フィクション/ノンフィクションが重層するメタフィクションラブストーリー】

~『極論だが[恋愛]とは社会性を忘離した「自分達だけを想い合う男女」であり、非社会的で 非現実的意味合いを本来的に強く有している』~

出版形態を度外視した個人的小説。 妻の生命が夫とゆうフィルターを通過し 文字・小説へと変換されるSF的図式。 別世界の異邦人を見るかの様な病棟人々の宗教的暗示。
…作品には多くの非現実と非社会的モチーフが頻出している。
そして二人が旅先で辿り着く大樹…。 それは「理想郷」の具象であり、二人が社会から 自らの精神を遠く隔絶させた地平-心象世界-に到った事を示しているのだ。


だからこれはエッセイなんかじゃないのだ。 「エッセイを書く人-朔太郎-についての物語(メタフィクション)」なんだ。 では物語の真の書き手は何処だろうか?
私的解釈では、この世を離れ 理想郷(パラレルワールド)に住む二人が作品世界を俯瞰しており、主人公朔太郎もその事に気付いた(第三の壁の存在)からこそ 最後に原稿を空(海 つまりパラレルワールド)に放り「作品」を託したのだ。

恋愛に於ける精神昇華とSFの非現実性が同義透過し、フィクションとノンフィクションがどこまでも関連し続ける ~ 実に高密度且つ難解な構成だが、表層的にはそう思わせぬ巧みな単純化が施されており、平易広範な実話映画化作品としても屹立を果たしている。




《劇場観賞》

2021/06/09

75点

その他/飛行機 


余命の長短はあるけど人はいずれ死ぬ。それを踏まえて日々どう生きるか

飛行機の中で何気なく観たのですが、
心洗われる感動的な映画でした!
(ちと演出過剰に思えたところもあったけど)

どうやら、「僕の生きる道」シリーズと名を打った、
草なぎ主演のTVドラマの映画版という位置付けらしいけど、
この映画では竹内結子が光っていたと思いました。

死期を知らされたときに人はどのように行動するか、
という物語はよくあります。
この映画もその類ですが、
医師に告げられた死期よりも多少長生きしてから亡くなりました。
これを見てフト思いました。
「死ぬことが分かっていて、実際に亡くなる時は未確定」
という状況は病人に限ったことではなく、全ての人間にあてはまることなのだと。
余命の長短はあってもそれは確率に過ぎず、
明日事故で死ぬかも知れないのですから。
まぁ、このことを以って、
健康な人が毎日を真剣に生きようと思うか、
病人が普段と変わらずに生きようと思うかは
人それぞれでしょうが。

2021/02/03

2021/02/03

65点

テレビ/有料放送/WOWOW 


竹内結子

丁寧に撮られたぶん、尺が長くなってしまって内容が薄くなってしまった印象がある。
竹内結子が・・・。

2020/09/15

2020/09/15

70点

テレビ/有料放送/チャンネルNECO 


長い

描かれた闘病生活も長いが、上演時間も長い。ほとんど夫婦の愛情物語だが、SF作家らしい小道具やちょっとしたエピソードも交えゆっくりと丁寧な描写がされている。
最後に文字のない原稿と朔太郎(草彅剛)の涙が愛情の深さを物語っている。

2011/01/16

2019/10/21

78点

映画館/静岡県/MOVIX清水 


毎日書いたラブレター

これも難病映画であるが、『100歳の少年と12通の手紙』と同じくファンタジーっぽい味付けの為、抵抗なく鑑賞することが出来た。僕自身少し前に、死について真剣に考えたことがあった。人の死は特別なものではなく、誰にでも平等に訪れるということを再認識して以来、この手の作品も僕の中では決して特別のものではなくなってきたようだ。ただ、早いか遅いかの問題である。

この物語の主人公はSF作家であり、そしてまた普段からかなり夢見がちな男でもある。ファンタジックな映像が展開するのも当然の成り行きだ。そしてこの宇宙の地球という惑星に、人間という生物が誕生したことに想いを馳せると、もう我々の存在自体がファンタジーのような気もしてくる。そういえば、ジョン・アーヴィングは『ホテル・ニューハンプシャー』の中でこう言っていた。「人生はお伽噺だ」と。

牧村朔太郎(草なぎ剛)は、妻・節子(竹内結子)がガンで余命が一年と宣告されてから、彼女の為に自分が出来ることは何かを考え、毎日妻の為に小説を書くことを思いつく。それも免疫力アップの為に、妻が笑えるものを描かなければならない。あのショートショートの本家、星新一の作品を読んでも分かるが、晩年になってくるとショートショートの命とも言えるオチが面白くなくなってくる。書き続けていくうちに、どうしてもアイディアは枯渇してしまう。長く書いていくと文章は熟練してくるが、新鮮な発想というものはどんどん失われてしまう。

映画の牧村夫妻はまだ若いカップルだが、原作者であり実際に1778話も妻の為に書き続けた眉村卓は60歳を過ぎていた。新潮新書の「妻に捧げた1778話」も読んでいるが、それに載っているショートショートは、本当に申し訳ないがあまり面白くないのだ。これでは妻を笑わせるどころではなかろう。本当に面白く笑わせる作品を書き続けるには、彼は歳をとり過ぎていたのだ。しかし、実はそんなことは大した問題ではない。夫のこの気持ちがどのように妻の心に響いたかが重要なのだ。朔太郎がこういう特別なことを始めると言った時点で、妻は気付いてしまうはずだ。朔太郎のやろうとしていることは、作家の妻である節子には、如何に困難なことかは考えないでも分かるだろう。それなのに夫は自分の為に無理をしようとしている。それだけ自分の病状は重いのだろうと察しはつく。しかし、それが良かったのだと思う。結果的に余命365日のはずが、1778日まで伸びたのだから、これは奇跡的な出来事なのだろう。夫が自分の為にそれだけのことをやってくれている。例え実際は面白くなくても、一日も欠かさずに書き続けた文章を読めば、それは確実に妻の胸を打ったことだろう。ただ一人の読者の為に心を込めて書く。これほど美しいラブレターがあるだろうか。妻は自分の為だけでなく、夫の為にも少しでも長く生きようと誓ったに違いない。

それでも映画の中で取り上げられたお話は面白かった。タコ型の宇宙人の新聞集金人には笑った。欲を言うならばその後で来た本物の集金人も、是非小日向さんに演じてもらいたかった。旧型ロボットが新型ロボットに襲撃される話は、何か切ないものがある。おやおや、笑わせなければいけないのに。

パラレルワールドについて語られる場面があった。並行宇宙の別の世界には、もしかしたら健康な節子が元気で生きている世界があるのかも知れない。終盤、病院で疲れ果てた朔太郎が、夢と現実の区別がつかなくなるような話も、作品としてとても面白かった。そして1778話は傑作だと思う。空白に書かれた文字は、節子にしか読めない文章だろう。そして最後の一行で泣かされる。

映画内で登場する空の、何と青いこと。こんな青くてきれいな空の色は、映画ではなかなかお目にかかったことがない。この深い深い青空に向かって羽ばたくもの。実にファンタジックで美しいエンディングだった。

2011/01/30

2017/07/15

77点

映画館/群馬県/イオンシネマ太田 


ありがとう、サク…

貴方の表情で…
貴方の一言で…

私にはわかってしまったの。
私がもう長くは生きられないって事を。
だって昔からそうだったもの。
サクはウソがつけない人だったから。
喜びも
悲しみも
怒りも
貴方が今どんな思いでいるのかは、貴方の表情を見ればわかったもの。
喜んでいる時は一緒に喜んで…
悲しんでいると時は涙を分かち合って励まして…
怒っている時は素直にゴメンナサイを言って…
『それじゃ僕がバカみたいじゃないか』
ううん。そうじゃないよ。
貴方のその素直さに私はずっと支えられてきた。
ずっと癒されてきた。
ずっと甘えてきた。

貴方と一緒に暮らしていると、世間の忙しさから開放される事ができたの。
貴方のその優しさが
貴方のそのぬくもりが
私の何より大切なモノだった。

もっと…
ずっと…

一緒にいたかったのに…
きっと絶望の淵に立たされながら、貴方は懸命にもがいてもがいて
私に面白い小説を書いてくれているんだよね。
この楽しい小説を読みながら…
貴方の想いが私の体中に染み込んでいくのがわかるの。
…あぁ、私は貴方に愛されてる…
その想いが、私が病気と戦うチカラになっていたよ。

貴方を一人残してしまうのは心配だけれど…
でも大丈夫だよね。
ずっと小説を書き続けてくれた貴方の意志の強さ。
その強さがあればきっと…

もし貴方がどうしようもなくなった時…
その時は私に語りかけてね。
貴方の優しさが私を包み込んでくれたように、これからは私がいつまでも貴方を包み込んでいるから。
その肌触りを貴方ならきっと感じてくれると思うから。


草なぎ剛さん
優しい優しいサクでした。
その優しさがとてもよく伝わってくる演技でした。
こういう感じのラブストーリーは、SMAPの中では彼にしかできないのかなって感じました。

竹内結子さん
草なぎ君と共演すると、どうやら死ななきゃいけないみたいですが(笑)
命の期限と戦い、どこまでも抵抗し続けたいという感情を吐露するシーンは
ちょっと涙ナシには…という感覚でした。
徐々にやつれていく雰囲気もしっかりと出せていたと思いますし、この主役二人の
良さがそのまま作品の良さに繋がったんだと思います。


何かが出来るということが羨ましいです。
その愛情を込めた行為が、とても温かくて優しくて…
二人の強い絆に感動する作品でした。
そうやって最後の最後まで一人の人を愛せたなら…
別れは悲しくても、それは最高の人生なんじゃないかと思います。