第9地区

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第9地区

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レビューの数

138

平均評点

75.2(1160人)

観たひと

1926

観たいひと

75

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル SF
製作国 アメリカ 南アフリカ ニュージーランド
製作年 2009
公開年月日 2010/4/10
上映時間 111分
製作会社 TriStar Pictures=QED International=WingNut Films=Key Creatives
配給 ワーナー・ブラザース映画=ギャガ
レイティング PG-12
カラー カラー/ビスタ
アスペクト比 アメリカンビスタ(1:1.85)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声 ドルビーSRD/DTS/SDDS

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演シャルト・コプリー Wikus Van De Merwe
デヴィッド・ジェームズ Koobus Venter
ジェイソン・コープ Grey Bradnam - UKNR Chief Correspondent
ヴァネッサ・ハイウッド Tania Van De Merwe
シルヴェイン・ストライク Dr Katrina McKenzie
ジョン・サマー Les Feldman - MIL Engineer
ウィリアム・アレン・ヤング Dirk Michaels
ニック・ブレイク Francois Moraneu - CIV Engineer Team
バリー・ストリドム Interviewee
ジェド・ブロフィー James Hope - Police Officer
ヴィットリオ・レオナルディ Michael Bloemstein - MNU Alien Civil Affairs
ルイ・ミナー Piet Smit
ティム・ゴードン Clive Henderson - Entomologist
モーン・エラスムス MNU Medic
アンソニー・ビショップ Paramedic

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

突如難民として地球上で暮らすことになったエイリアンと、彼らに困惑する人間の姿を描くSFドラマ。監督・脚本は本作が長編デビューとなるニール・ブロンカンプ。「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズのピーター・ジャクソンが製作を担当した。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

28年前、正体不明の巨大宇宙船が突如、南アフリカ共和国に飛来した。しかし、そのUFOは首都ヨハネスブルグ上空に浮かんだまま、まるで動こうとしない。痺れを切らした南アフリカ政府はヘリコプターで偵察隊を派遣。船内で彼らを待ち受けていたのは、不衛生で弱り果てたエイリアンの群れだった。彼らは故障した宇宙船に乗った難民だったのだ。処遇が決まるまで、エイリアンはヨハネスブルグにある第9地区の仮設住宅に住まわされることになる。だが、言葉も通じず、野蛮で不潔なエイリアンたちが一般市民と折り合いがつくはずもなく、彼らは下級市民として蔑まれる。何の進展もないまま月日が流れ、エイリアンの管理事業は民間企業マルチ・ナショナル・ユナイテッド社(MNU)に委託されることになった。軍事企業でもあるMNUの傭兵部隊によって力による平和が訪れるかと思われたが、MNUが彼らの世界に介入することはなく、第9地区はスラムと化していく。市民とエイリアンの対立が激化したことを受けて、MNUは第9地区から郊外にある第10地区へ彼らの強制移住を決定。第10地区は第9地区よりもさらに劣悪な環境だったが、MNUは彼らの福利厚生に興味はなかった。立ち退き作業を始めるにあたり、MNUはヴィカス・ヴァン・ダー・マーウィ(シャルト・コプリー)を現場責任者に指名する。事情を把握していないエイリアンたちから、承認のサインを無理矢理取りつけるのが彼の任務だった。しかし、第9地区内の小屋を調査している際に、ヴィカスは謎のウィルスに感染。報告を受けたMNU上層部はヴィカス捕捉の指示を出す。何の説明もなく執拗に追跡してくるMNUの行動にヴィカスは逃げ出すしかなかった。第9地区に逃げ込むと、そこにクリストファー・ジョンソン(ジェイソン・コープ)と名乗るエイリアンが現れる。そして、ヴィカスはボロボロの小屋の地下で見たこともない科学技術を集結させた設備を目撃する……。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2010年5月上旬号

評論家発映画批評:「第9地区」

2010年4月下旬号

「第9地区」:ニール・ブロンカンプ監督インタビュー

「第9地区」:作品評

「第9地区」:ハリウッドで成功した理由

2024/07/06

2024/07/07

87点

VOD/Amazonプライム・ビデオ/レンタル/テレビ 
字幕


ドキュメンタリータッチの社会派SF。最後まで目が離せない

『第9地区』
District 9
2009
アメリカ・南アフリカ・ニュージーランド
製作ウイングナット・フィルムズ
配給:トライスター、ギャガ

Can I see him?
Not a good idea
「彼に会えるの?」
「やめた方がいい」

エイリアンと接触した夫に会えるのと聞く妻。
その父親は会わない方がいいという。父親は巨大軍産複合体の幹部でパッとしないヴィカスを婿に取った。ドジを踏んだムコは忘れろと言う。その言い方には慇懃無礼で容赦がない。

突然南アフリカ・ヨハネスブルク上空に現れた巨大な宇宙船。彼らは指導者を失った被支配階級だけで構成された難民だった。その姿は二足歩行する甲殻類に似ていたので地球人は彼等を「大きいエビ(prawn)」と呼ぶ。

エイリアンは飢えており巨大軍産複合体MNUは彼等を第9地区と呼ぶ地域に閉じ込める。しかしどんどんエイリアンの人口が増加したため第10地区に移住させようとする計画が開始される。

その責任者はヴィカス・ファン・デ・メルヴェ(シャールト・コプリー)。

ミドルネームに「ファン」がつくのはオランダにルーツを持つ南アメリカのアフリカーンスによくある姓。

「ファン」が表す「アホなアフリカーンス」の典型は「愚かで、不器用で無知で、無能」(IMDB)

典型的に無知で無能な下っ端役人である主人公がエイリアン移住計画に携わるうちに意外な運命に、、、

映画はドキュメンタリー風に始まる。複数の識者や証人、当事者の家族へのインタビューが絵空事ではないリアリティがある。

今も世界中にある難民キャンプ。移民や難民に対する差別がこの映画のアイデアの原点。SFアクション映画ではあるけれど「今も解決していない現実の問題だ」というメッセージが突きつけられて画面から目が離せない。

エイリアンの親子の愛、人間との友情。人種差別、兵器産業の止まることを知らない非人間的な欲望。

見た目や立場で差別してはならないという当たり前のメッセージが激しいアクションを通して描かれていく傑作。

2010/04/15

2023/10/03

70点

映画館/神奈川県/ワーナー・マイカル・シネマズつきみ野 
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粗い画質でリアリティ(劇場公開時の感想)

『ハート・ロッカー』や『クローバーフィールド HAKAISHA』と同様、
フィルムではなくビデオカメラ(Red One)での撮影による荒い画質の画面でリアリティを出すことを狙っていて、
上手く出来上がっていた。

『アバター』と比べると、
VFXにかけているお金ははるかに少ないと思うが、
『アバター』の映像の質感が「ツルっとした」「のっぺりした」CGっぽさを結果的に払拭出来なかったことと比べると、
『第9地区』のザラザラ&ブレブレ画面の方が成功していると思う。

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『第9地区』から連想した映画は、
『ザ・フライ』、『蝿男の恐怖』、『鉄男』、『AKIRA』、『天空の城ラピュタ』など。

それらを連想したことは何も問題ないのだが、
それらが揃いも揃ってコテコテのエモーショナルで強烈な見せ場の映画だったことを思えば、
『第9地区』は見せ場の派手さでは負けてないものの、
エモーションでは遥かに劣っていた。

その理由は、
四つ巴の戦いを繰り広げているその各々の誰もが、
戦う動機がきちんと描かれていないので、
何のために戦っているのかが実感しにくいから。

『第9地区』は、観ていて荒っぽい印象を受ける映画で、
演出が荒っぽくても構わないのだけど、
登場人物の心情だけは丁寧に描いていたら、
もっと彼らの身になって燃えながら観られる映画だったんじゃないかと思うと、
とても残念。

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映画の舞台が南アフリカであることから、
アパルトヘイトと関連付けて差別問題を扱った社会的な映画かといえば、
そこまでドラマ的に深い映画ではない。

そもそも、「人間同士」だから「差別」だと言えるのであって、
「人間と宇宙人」となると関係性が変わり「差別」とは言えないことも考えられるので、
それすらも「差別」と混同されかねない設定は、
社会派映画とするなら避けるべきだろう。

(以上、劇場公開時に書いた感想に、若干の手直しをした文章)

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【基本情報の訂正】

メディアタイプがフィルムとなっているが、
クレジットで”Red One”と表示されているし
IMDbには「Phantom HD / Red One / Sony PMW-EX1」と記述されているので、
「メディアタイプ=ビデオ」が正しい

2023/07/02

2023/07/02

77点

その他/友人から借りる 
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アパルトヘイト

ネタバレ

 ラストはちょっとほっとした、クリストファー達が故郷へ向かい、ヴィカス(シャルト・コプリー)も助かって。

 南アフリカのアパルトヘイト政策があった時代の黒人を、そのまま宇宙人に移し替えたような設定。移民問題のメタファーもあるかと。ただ、高度な文明を持つはずの宇宙人が人間に簡単に押し込められる矛盾はあるけれど。

 ヴィカスの人物像にはイライラするが、後半はハラハラの展開になり、ヴィカスを応援したくなる。

 底の浅さは、宇宙人設定と、エンタメ展開で許せてしまうが、私としては、もうちょっとアパルトヘイトを突っ込んでくれても良かったかな。

2022/10/22

2023/05/21

82点

VOD/U-NEXT 
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ETの大人版

テンポのいい展開で全く飽きさせない傑作。ひとつひとつの描写が単純で分かりやすく、躊躇なく共感できる。SFでもありグロもありユーモアもあり、それでいて人間ドラマの要素が強い。情が深い宇宙人。人間のように表情がない分、言葉の重みを尚更感じる。人類より遥かに科学力で上回っているのに、攻撃も侵略もしてこない。生体実験を繰り返す人間の方がよっぽど下等なのかも。

2023/05/05

2023/05/05

95点

VOD/Amazonプライム・ビデオ/購入/スマホ 


何というドキュメント

もちろんフィクションだけど、すごくドキュメンタリーで描写がエグくて、残酷なストーリーだった。ものすごく緊張したし、体にチカラが入るようなリアリティだった。要するに最高だった。

2023/04/17

2023/04/17

75点

購入/DVD 
吹替


異色のSF映画。SFだからどれも異色なのだともいえるがこの映画のドキュメンタリー・タッチの演出が異色。ある日突然やって来た宇宙人。彼らを隔離する場所が”第9地区”。荒廃しスラム化した場所から宇宙人を移送する役目の責任者は、コネで選ばれたせこい奴と言うのも異色。おおよそヒーローとは真逆の主人公が成り行き上宇宙人のために戦う。最後まで身勝手な男と言うのも異色。でもこの雰囲気はなかなか魅力がある。異色の魅力。